321話報酬とルティア
「レン殿、態々来てくれてありがとう。のんびりとお茶でもどうかね?」
と言われ外の方に誘われる。今日もフェレンスの空は綺麗な青一色だ。
「喜んで。王妃様もいらっしゃってたのですね」
外で待っていたのはルティアの母親だ。のんびり手を振っている。
「あら?レン君、お母さんとは言ってくれないのかしら?」
「お母様、レンが困るわ」
とルティアが言いレンは事なきを得る。
レンと国王が向かい合うように座り、少し離れたテーブルではエリアス達が王妃と共に座って何やら話していた。
「お茶も入ったようだな。話をするとしようか」
と国王が言うと、レンの前にもティーカップが差し出される。感謝の言葉を述べようと見ると、
「あ、ハルカさん!」
「お疲れ様です、レン殿。どうぞ、お茶は暖かい内に」
と言いエリアス達のテーブルの方に向かっていく。
後ろの方では良いお菓子でも出たのか歓声が上がっている。
「久しぶりにハルカのお茶を飲みたかったのよ」
と王妃様の声が聞こえる。王妃様の希望で今回は、ハルカがお茶を入れたのだなと思った。
「それでレン殿への報酬の話だな。まずは、神聖国に行く前に約束していた家の話から。王都にいくつか良い屋敷があるから見て回って貰おうかなと思っている」
「ありがとうございます。ようやく宿暮らしが終わりそうです」
家を手に入れることが出来たのはかなり大きな成果だ。屋敷と言っているし、かなり期待が持てそうだとも言える。
「それと、今回の皇子救出とディザスター討伐の報酬だな。正直、ここまでの規模のことになると私としてもどう報いれば良いのか難しい」
『確かに、マスターがやってのけたことは周辺国家が滅ぶ可能性がある敵の撃破。それに見合う報酬はそうそう用意出来ないでしょう』
とナビゲーターが言う。そう言われると国王が悩むのもわかる。下手に微妙な報酬を出したくはないだろう。
「そんなに気にしないでください。家も頂けるわけですし」
「いや、そうもいかん!」
と王は譲らない。王様も大変だなと思っていると、王妃様がこちらのテーブルにやってきて座る。
エリアス達3人組はお菓子に夢中だ。
「王妃とも話し合ったのだが、やはりどうしても報酬が思い浮かばなくてな……宰相も頭を抱えた」
「難しいわね〜ってなったら閃いたの!」
と王妃様が手を叩きながら楽しそうに言ってくる。
「は、はぁ」
とレンは答える。王妃様のことだから爆弾発言に注意しておく。王様の表情からするに、大爆発の可能性がある。
「レン君に、ルティアちゃんを貰って貰おうかなって思ったの!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
とレンの後ろで声が上がるのだった。




