316話ベルゼと決着へ
「魔王領、そこに魔門を開くつもりか?」
「ほっほ、そのつもりじゃよ!魔王領なら良い生贄もいそうじゃしなぁ〜。王都で殺さなかった魔王の娘も良いかもしれぬ」
クシフォンのことを言っているのだろう。レンの剣を持つ手に力が入る。
「させない、そんなことさせないぞ!」
レンが踏み込もうとした時、
「なに、急ぐてない。いずれ決着はつけようぞ!ワシは帰るでの」
と言った所で、元帥の近くに誰かが現れる。仮面に顔を隠した人物だ。性別すらわからない。
「お迎えにあがりました」
「ご苦労じゃのうヒラルテ、さて、帰ろうかの〜」
「待て!逃すか」
追いかけようとするが、とてつもない暴風が吹き荒れ押し戻される。ヒラルテという人物は、かなりの魔法の使い手のようだ。
「おお、そうじゃ。ディザスターが今回得た感情は食べてしまったわい。また暴走するでのぉ」
目を向けると、空の魔門も徐々に開こうとしていた。
「不味い!」
「また会おうレン・オリガミ。ワシの最大の障害物よ、ワシの名はベルゼじゃ」
と言い暴風が収まったのと同時に消えていた。
「急がないと不味い!」
魔門が開こうとしていた。このままでは、また厄介なのが攻撃をしてくるかもしれない。
『マスター、二手に分かれましょう!私がどうにか耐えますので魔門を消してください!』
とナビゲーターが外に出ようとするが、ここで声が割り込む。
『いや、僕が出よう。その方がいい。下手をしてナビゲーターさんに影響が出るのは痛い』
アイテムボックスから出てきたのは、ナビゲーターさんのスペアで作ってあった身体だ。そこに入っている人物は……
「レイ!」
「ああ、レン。こちらでは初めましてかな。出来るだけ自分の力で解決してもらいたいけど流石に厳しいね」
と言いながら、空を見上げる。
「いけるか?」
「ああ、やってみせるさ。なにせ、僕は君の英雄だからね」
と言い近くまでやってきていたレンのワイバーンに乗り込みそらに上がっていく。
「君の英雄……どういうことだ?」
『では、私たちはこのディザスターを相手にしましょう』
というナビゲーターの言葉に頷く。
「ガァぁぁぁぁぁ!」
レンに狙いを定めた触手が大量に向かってくる。これまでよりも数が多い。確かにベルゼが言った通り自我はないようだ。
「マジックボックス!形状変化、槍」
触手に槍を当てる。そこまで効いているようには見えないが、触手を邪魔するのには十分だ。
「自我があるときは、本体を隠していたみたいだけど今あそこを狙えばやれるかもしれない」
『浄化に加えて、マスターの称号〈破黒の英雄〉と〈災厄を破りし者〉がありますので、効果があるはずです!』
称号にも効果があるため、よく役に立つ。
「じゃあ、決めようか!形状変化、大鎌」
と言いディザスターに向けて走るのだった。




