315話拒否と目的
「勧誘か、俺が頷くとでも?」
「優秀な者は欲しくなるでのぉ、お主はスティグマの幹部の誰よりも強いからの」
ほっほっほと笑っている。
「当然、断るさ!俺は、お前達の野望を打ち砕く。この世界を滅ぼさせはしない」
「そうか、残念じゃな。いずれ、ワシが殺してしまうじゃろうな」
と言いながらディザスターを見る。
「今、戦うわけじゃないのか?」
「なに、ディザスターを見に来たのじゃよ。ディザスターよ、助けに来てやったぞ」
と言うと、黒い塊が出てくる。本体の様なものだろう。
レンは、剣を持ちつついつでも行動に移せる様にする。
「こいつ、殺してくれ!」
「落ち着くのじゃ」
ディザスターの訴えに元帥が言う。
「のお、レン・オリガミだったかの?」
「まさか、スティグマのトップが名前を知ってるなんて光栄だね」
皮肉で返しておく。
「お主は、良いユニークスキルを持ってるか?」
「さて、どうだろうな……」
なにが言いたいのだろうかと思いながら、話を聞く。
「ワシのユニークスキルの話をしようかのぉ」
「あんたのユニークスキル?」
『これは、情報を聞き出せるかもしれません』
スティグマのトップのユニークスキルともなればそれだけ価値があるだろう。これは、コミュニケーション力が問われるかもしれない。
「ワシのはの、何でも喰らうことが出来るんじゃよ。こんな風にのぉ!」
「ギャァァァァァァ!」
直後に、ディザスターが声を上げて悶える。黒い塊の一部が欠けていた。
「な!」
「うむ、不味いの。それに弱い、こんなもの取り込んでも仕方ないの」
と言っている。レンにしても何のことを言っているのか良くわからなかった。
「貴様、なにをしたぁ!」
離れたディザスターが触手を構えて、元帥に狙いを定める。
「なに、少しお主をかじった程度じゃ。ワシは食らったものを力に変えられるでのぉ」
拳をディザスターに向かって突き出した瞬間にディザスターを覆っていた触手が一瞬にして吹き飛んだ。とてつもない威力だ。
「ぐうっ!」
拳を出しただけなのに、とてつもない風圧でレンは、飛ばされそうになる。
「ワシはのぉ、レン。この力で最も強いディザスターを食い、その力を自らのものにするつもりじゃ。残念ながら、一回しか出来ぬからな、やはり強いディザスターを選びたいのじゃよ」
と言っている。
「最も強いディザスター……あんたの力は、力を喰うのと、喰らった者の力の体現……」
「ほっほ、体現。良い言い方じゃ、そっちは一回しか出来ないがのぉ。正直に言うが、お主を食おうとも思っておったのじゃぞ?」
衝撃のカミングアウトがなされる。
「その様子だと出来なかったってことか」
「ほっほっほ、随分と強いものに守られておるの。神かなんかに知り合いでもおるのかねぇ」
と面白そうに言っている。
「さてな」
素直に答えるつもりもないため、はぐらかしておく。
「まあ、良いじゃろ。どうせ、ディザスターを取り込めばお主も殺すだけじゃ。最も強力なディザスターを召喚するなら魔王領が良いかのぉ」
「魔王領……」
スティグマは、次の狙いとして魔族の国を狙おうとしているようだ。




