309話片翼と人工魔人
「凄い……エリアス……」
サジャードと戦うエリアスの猛攻が始まったのを見てルティアが呟く。正直彼女の変化に驚いていた。
すると、ミラがこちらを見て驚いている。
「ルティア、その翼どうしたの?」
「え、翼?本当だ!なにこれ!」
ルティアの背には片翼があった。突然現れたようで特に違和感は感じない。
「エリアスと同じ感じだね、なんだろうこれは……」
とミラが呟くとルティアが自らの背後を見ていることに気づく。
「ミラ、あんたにも今出てきたけど!」
と言われそっと背後を確認する。確かにミラにも片翼があった。
「うお!マジだぁぁぁぁ。これって、私は天使ってことか?すげぇ!憧れの翼だぁ」
大喜びである。
「ミラって天使って柄じゃないわよ、それよりものんびりしてたから囲まれてるわよ」
「ふふふ、だが、今の私ならなんでも出来そうだ!」
と杖を構える。
「同感だわ」
とルティアも答えて魔法を発動するのだった。
「感覚からしてレンね……全く、私にまで力を貸してくれるのかしら?」
ワイバーンに乗り、デーモン達と空中戦を繰り広げているフィレンは、己の背に現れた片翼を見て呟く。
明らかに自らの技量が上昇したように感じた。今の間なら、どれほどの相手でも射抜ける自信がある。
「感じるわね……なら、借りるわレン。〈千里眼〉」
自らの視界が切り替わり、一気に多くのデーモンを捕捉する。そして、自らの弓矢に矢をいくつも番えた。
「ステータス外スキル発動!」
放たれたフィレンの矢がデーモン達を次々と貫き、地に落としていった。
「凄い!これなら絶対に負けない」
「そうだな、アイリ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
大量の巨人を相手にしていながらも、2人には余裕があった。2人にも片翼が現れておりレンが力を貸してくれていると思い、一体でも多く片付けようとしているのだ。
「〈挑発〉」
スキルを使ったアイリに対して、魔物達は殺到するが、圧倒的防御力を前にして突破できない。
そして、そんなことをしていればアンナからは攻撃し放題である。
「〈二刀流剣術〉」
次々と魔物を斬り裂いて、倒していった。
「よし城の中の方に行くぞ、レンを援護する」
とアンナが言った所で……
ドォォォン……
と音が鳴った。
振り返ると、離れた場所には見たことがあるものがある。
「お姉ちゃん、あれって」
「ああ、イージスの時の人工魔人だ」
方向的には、エリアス達がいる場所だ。
「あちらも援護が必要か!」
「お姉ちゃんは、レンさんを!私があっちの方に行くから」
と言いながら、アイリが走り出す。
「わかった、こっちは任せておけ!」
「こっちも任せて!」
言う。
アイリは、横に並んで飛んできたワイバーンに飛び乗ってエリアス達の方を目指すのだった。




