305話皇子の従者と城へ
フィレンギルド長とメルフィーユさんは、高ランク冒険者ということもあり知り合いだそうだ。近隣のSランク冒険者なんかはお互い顔を知ってるらしく自分も勉強するべきかなと思った。
「それにしてもフィーちゃんって可愛い愛称だね〜」
「やめてって言ってもやめないから慣れたわよ」
ミラの言葉にフィレンが笑っている。本気で嫌というわけでもないだろう。
「それにしても、皇子を助けるために王国から来てくれるとは感謝で一杯だな」
「あなたは、皇子につかえてるのよね。何があったのかしら?」
「先程レンにも話したがな、ディザスターの話が神聖国から持ち込まれ、バレルラ様は民を少しでも逃すことを私に命じたのさ」
と説明を始める。
「皇帝陛下は、ディザスターについては脅威に感じてなかったからな。だが、バレルラ様は違った。予感があったんだろうね……」
と彼の力になりたかったがなれなかったのを悔やんでいるようだ。
「聞いた話通り優しい人なんですね」
「ああ、優しい人だね〜だが、自分を犠牲にするものではないよ……仕方がないことだがね」
皇子としての役割も厄介だと思うレンだった。
「それでメルフィーユさん、皇子を救い出すために戻って来たと……」
「それで間違いないね、だけど魔物の数が多すぎて全く進めなかったのさ。レンが来てくれて助かったよ」
と答える。
「もう少し進めば帝都が見える場所だね」
とメルフィーユが呟く。すると朧げに多くの建物が密集する場所が見えてきた。
「なんだあれ?」
1番大きな建物は帝国の城だろうと思う。普通に訪れればその偉大さに驚いたことだろうが、今、黒い触手の様なものが城に絡みつき一部は崩落している。
「気持ち悪いですね……寒気が……」
「ああ、思った以上に嫌な感覚だ」
アイリとアンナも初めて目にするディザスターの影響であろうものに顔をしかめる。
「そういえば、ディザスターは現皇帝陛下に取り憑いています。なので最悪……」
「まあ、こんな状況じゃ帝国は無理だろうね。ディザスターに乗っ取られている以上、斬るのを躊躇っちゃいけないね」
レンが伝えたことにメルフィーユが答える。
「あら?ふふっお出迎えが来たみたいね。私の魔法で蹴散らしてやるわ」
こちらに向かって飛んでくる悪魔のような魔物を発見したミラが言う。
「格好つけてる場合じゃないでしょ。私達だけで片付けるわ」
とルティアが言い2人はユニークスキルを発動させる。
「ユニークスキル《アーカイバ》」
「ユニークスキル《範囲選択》」
「「マジックバレット」」
こちらに迫っていた魔物……デーモンと名付けたらしいが、それが一斉に魔法を喰らい地に落ちていった。
「こりゃあ、見事だね!」
Sランク冒険者のメルフィーユでさえ驚くものがあったようだ。
「2人ともいつの間にこんなに……」
「凄いです!」
アンナやアイリも驚いたようだ。
『マスター、彼女達の《ユニークスキル》はきっとあなたの影響を受けたものでしょうね』
「そんなことあるもんだな、強力だからありがたいけどな!」
と言いながらワイバーンを先に進ませる。魔物を一気に殲滅してくれたため、急いで城に向かいたい。
触手が絡む城に向けて、レン達は飛ぶのだった。




