294話帝国への攻撃とレンの決定
戦況の報告のためにレンとフィレン、マグノリアは、王都の王城の方に戻っていた。
マグノリアが付いてきていたのは、転移でレン達を運ぶためだ。フードを被って
「ディザスターが人質?それはまたふざけたことを……」
アルファードが拳を握りしめる。そこには、怒りがあるのだろう。
「人質の身元はわかっているか?」
「ええ……」
国王の質問にフィレンが答える。チラッと第2王女を見た。
「それは誰だ?申せ」
「はい、人質は帝国第一皇子のバレルラ様です」
直後、崩れ落ちる音が聞こえた。第2王女であるミディアだ。彼女を逃し帝国に残った大切な人を思うと後悔があることだろう。
「うむ……それは、放置できない問題だな……」
国王が唸る。ただの平民で有れば見捨てることも仕方がないのかもしれないが、今回は無視できない人物が人質とされている。
「ディザスターと戦った場合、勝てそうなのかい?それによっては、こっちから攻めるしかないだろうね」
壁に寄り掛かったネーヴァンが聞く。
「そうね、相手が人質を使ってまで逃げたと言うことは勝てないと判断したのでしょうね。レンなら勝てるんじゃない?」
フィレンが顔をこちらに向ける。その瞬間、部屋にいる全員の視線がこちらに向かう。
「神聖国でのディザスターは、攻撃に特化したような化け物でしたが、今回のはそうでもないようです。ですので、1対1なら負けないと思います」
と答える。今回はかなりの自信がある。
「なにか、不安がありそうだな?」
カラミィが様子を察したように聞いてくる。
「はい、スティグマが邪魔をしてくらならどうなるかわかりません。神聖国で戦った元帥を名乗る人物……あれには、勝てる気がしません」
「ああ、あれは本物の化け物だな。ディザスターを相手にするよりも厄介かもしれない……」
戦ったことがあるアルファードも同意する。
「あんた以上の化け物なんているんだね」
とネーヴァンは、肩を竦める。
「現状……フェレンスもレンの作った岩壁で守っていますが、空からの攻撃に完全に対策が取れません」
「やはり、こちらから攻めるしかないか……」
と悩ましげに国王が言う。だが、帝国に攻めるということはかなりの危険を伴う。下手すれば死にに行くようなものかもしれない。
だが、攻めなくても時間の問題だろう。
「レン殿、貴殿に指名依頼を出したい。どうか、帝国にいるディザスターを討伐し、第一皇子であるバレルラを保護してくれないか?」
と言われる。ディザスターを倒せるのが自分しかいないので、こうなりそうだとは思ったが、大変そうではある。
つい半日前くらいに起きたばっかりだと言うのにいきなりこれだ。異世界は、厳しいなと思う。
「報酬もそれに見合うだけのものを用意しようと思っている。どうか、頼む……」
頭を下げられると自分はなかなか弱い。
「わかりました。全力を尽くします……仲間も連れて行って良いんですよね?」
「そう言ってもらえると助かる。ルティアは、置いて行って欲しいが、無理だろうな……」
ルティアならば絶対にレンについていくだろうと思った。
「俺も行きたい所だが、こっちも守らないとだからな……どうにか手助けする方法を考える」
とアルファードが言う。
話し合いも終わり、レン達は退出する。ルティアの姉は、レンに申し訳なさそうな視線を向けていた。
「そういえば、あんたが捕まえたスティグマの双子がいるだろう。様子を見に行かないかい?」
「そうでしたね、ステータスもロックしてるし危険はないでしょうけど。気になることもあるんで」
とネーヴァンの意見に賛成する。
レンは、フィレンとマグノリアを伴って双子の元に向かうのだった。




