284話守りたい者と新武器
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「不味いわね……押され始めてるわ」
矢を放ち的確に魔物に当てながらも前線を見つめるフィレンは、苦々しく呟く。
ディザスターによって引き起こされた人為的なモンスターパレード。無限かとも思える数の魔物を相手にこちらの数は圧倒的に少ない。
「状況は良くないですね。MPを温存出来れば良かったのですが、これは仕方がありません」
フィレンの隣で魔物を倒すナビゲーターが告げる。現在、ナビゲーターの身体は元々レンから与えられているMPと後でエリアス達から補給したMPで動かしている。
当然ながら人がMP切れで倒れるようにナビゲーターにも限界があり、MPが切れれば動かぬ人形となってしまう。
「無理は、いけないわよ。MP切れは危険かもしれないのでしょ?」
「ええ、マスターがいない状況で無理をすればユニークスキル《ナビゲーター》の喪失に繋がる可能性もあります……」
レン・オリガミを支えるためのスキルである自分の消失は痛手であると自画自賛ではなくわかっている。
だが、
「無理をしてでも守りたいんですよ、マスター。あなたの大切な人を!」
ナビゲーターは、前線に向かうために岩壁をゆらりと降りる。
「出来るだけ援護するわ。ステータス外スキル!」
フィレンの放った矢が一本で複数の魔物達を穿ち貫いていく。そこをナビゲーターが飛んでくぐり抜ける。
「ただのスキルが、ここまで来ると笑ってしまいますね」
ナビゲーターは自分で言いながら微笑むのだった。
「もう駄目……死ぬわ〜」
「キリがないってのよ!」
ミラとルティアは、MPが限界に近づいており撃てる魔法も少なくなってきた。彼女達の足元にはMPポーションの空き瓶がいくらか落ちているため、相当頑張ってきたことがわかる。
「はぁ……ここまでの物量戦は久しぶり過ぎますね」
さすがのハルカにも疲れが見えてきたのだ。彼女が倒した魔物の数はかなりのものだ。だが、倒した分だけ再び現れているように感じる。
「ルティア、ミラ!ライトニング!」
2人に迫ろうとしていた魔物を魔法で加速してエリアスが倒す。
「助かったわ……」
「他の冒険者も押され始めてる。下がった方が良いかも」
前線を支える者に、魔物を食い止めるのが難しくなってきたのだ。
「伏せてください、マジックバレット!」
エリアス達は、すぐさま頭を下げると頭上を魔法が弾丸のようになって飛び魔物達を倒していく。
魔法が止むと周囲の冒険者達は、すぐさま後ろに下がった。
「ナビゲーターさん!」
「はい、助けに来ました。ナビゲーターです!」
エリアスにナビゲーターが答える。
優雅に歩きながらも前を見据える。
「温存している場合ではないと判断しました。私も戦います」
と言いながら周囲に魔法を展開する。
「私も武器を出しましょうか」
とハルカもアイテムボックスから武器を取り出す。
「それは!」
とミラが驚きの声をあげるのだった。
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