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265話敵の狙いと対スティグマ

メイドと思わしき者がレンの喉元に向かってナイフを突き立てようとする。


すでに、振り下ろされている手を止めることは誰にも出来ない。殺せると確信しただろう。


だが、


パキン……


と部屋に音が響きメイドの持っていたナイフはあっさりと折れていた。


「勝利の糧に……」


殺害が失敗した直後のメイドの動きは早かった、すぐさま自害という選択肢をとる。


「ネーヴァン!」


「ああ、わかってるよ」


ネーヴァンがメイドを起き上がらせて、生命魔法を使う。だが……


「駄目だね……あと1秒でもあれば……」


苦い言葉を漏らす。


「ネーヴァンが駄目なら誰にも回復は出来なかったさ。とりあえず、レンは無事なようだな。結界を張ってて良かった」


と息を吐く。


何もしておらず、侵入にも気付けなければレンが殺されていた可能性すらある。


「このメイドの出自を調べてみようかね。確かに先程下にいたメイドにそっくりだよ」


メイドをネーヴァンが抱き上げて部屋を移すことにする。







「結果として、自害したメイドには姿を変える魔法がかけられており王城のメイドに化けてレン・オリガミの殺害を企てたものと思います」


カラミィが王に対して伝える。


「そうか……ご苦労だった。何が目的かはわかるかね?」


「そうね、私がカラミィが殺害に失敗したメイドの言葉を聴いているねぇ。勝利の糧に……これで十分だろうさ」


このワードが意味するのは一つしかない。


「スティグマか!」


とアルファードが大きめの声で言う。


「狙いがレン殿か……まあ、理由は皆想像がつくだろうな……」


「ええ、レンの活躍は非常に評価すべきものばかりです。特に神聖国での戦いはとてつもないものでしょう。スティグマとして彼がいなくなれば、かなり楽になる」


神の力を借りたとはいえ、ディザスターを倒しているのだ。敵が厄介に思うのは当然だろう。


「さすがにレンが昏睡状態ってのも、スティグマにはわかっているか……」


「殺そうと考えるなら今がチャンスであることは間違いないだろうね。それに、今回の失敗で諦めるような奴らだとは思えないしね」


とネーヴァンとしてもスティグマのしつこさは良くわかっている。


「ああ、なんならスティグマ暗殺部隊筆頭が殺しにくるかもな……」


アルファードが言う。



「ああ、ルティア様から聞いたけどレンと暗殺部隊筆頭は、一度王都で戦ってるらしいじゃないか!レンの能力で殺される寸前まで行ったとか」


「やり返しに来る可能性は高いか、それに国王陛下や王妃様も狙われる可能性があります」


身分など関係なく、殺す快楽殺人者のような敵だ。油断すれば、あっさりと国が傾く結果につながりかねない。


「うむ、警備の強化が必要じゃな。レン殿もしっかりと守り通すのだ。フェレンスに続いてこちらでも厄介ごとが起きるが、我々が打ち勝つ」


と国王の強い言葉が響く。



「レンを守りつつ、敵も潰したい。さて、どんな作戦で行くかな」


救国の英雄達は、対スティグマに向けて考えるのだった。

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