263話休息と王都での問題
「去りましたか」
綺麗な青空が戻ったのを見上げながら、ナビゲーターが言葉を漏らす。
「うーん、あっさりと引き下がったね……」
エリアスは敵が去った方向を見据えている。神聖国での戦いの話からは予想が出来ない展開であるため少し驚いている。
「敵が知性を持っているというのが大きいのでしょうね」
「先程の人型が皇帝ですか、めんどそうな相手の身体を奪い取ったものですね」
フェレンスの方に戻るために歩き始める。
「やっぱり何度見てもエリアスの姿カッコいいわね!身長も伸びるの羨ましいな〜」
フェンリルの力を使っている姿のエリアスにルティアが言う。
「私もそんな感じの覚醒能力的なの欲しいなぁ」
ミラは羨ましそうに見ている。
「まだまだ力を引き出せてないからどうにかしたいんだよね」
「うーん、もっとレベルが必要かしら?ミラは、レンと同じ方法で来たんだからその内何かあるんじゃない?今は、レンの下位互換だけど」
「下位互換言うなぁ!」
ミラが悔しそうに反応している。
「何かに縛られている感じがあるなぁ……」
とエリアスは言いながらもフェンリル化を解除するのだった。
ディザスターの言葉からすぐに戻ってくることはないだろうと考えて、休息を取ることになった。
『なに!ディザスターが現れただと、それで……ふむふむ。知性があるのは厄介だな……』
通信で、カラミィが驚く。
「知性があると言うことは、こちらの騙しも効くかもしれない。メリットだけではないということが救いかしら」
「ですが、今後厄介な敵を引き付けてくるかもしれません。ですので、援軍を要請したいですね」
とハルカが言う。
『確かに、援軍は必要だろうな。我々が行ければなお良いのだが……』
「ええ、救国の英雄の、誰かが来てくれるのが1番良いですね」
『だが、こちらでも問題が発生してな。厳しいかもしれないのだ』
苦い顔をしてカラミィが言う。
「どしたの?師匠」
『ああ、焦らずに聞いてくれるか?特にエリアスだな』
と先に予告をする。
「私ですか?まさか、レンに何か!」
エリアスは、自分が落ち着かずにいられないものと考えれば、レン位しかないと思った。
『ああ、そうだ。レンは、未だに眠っているが少し前に襲撃を受けた』
部屋の温度が下がるような感覚があった。
「レンは!レンは無事ですか!」
「エリアス、落ち着いて。向こうの流れからしても大丈夫なはずです」
とナビゲーターがエリアスを落ち着かせる。
『ああ、私の結界を張って守ってるから無事だ』
「良かった……」
とホッと息を吐く。
「敵は分かっているのですか?」
『すぐに自害したからねぇ。私の生命魔法すら間に合わなかったよ。だが、予想はつくだろうね?』
一同の声が重なる。
スティグマ
『だろうね、王都にスティグマが入っている。狙いはレンの命か、それ以外もか』
「これは、厄介ばさみだなぁ」
ミラの言葉に一同どうしたものかと唸るのだった。




