261話対策と侵攻
レミが目を覚ましてから数日、封龍の森に面している側から始まって防衛の準備は着々と進んでいた。
「日々ミラが作る岩壁の質が良くなってるのは気のせいじゃないわよね」
作業の様子を眺めながらルティアが呟いている。
「毎日、気絶するまでやって起きてまた気絶を繰り返してるからね。あ、気絶した」
向こう側で、MPが切れてひっくり返るミラの姿が見えた。
最初は、共に作業をしている魔法使い達も診療所に運ぼうとするなどかなり気を使っていたが今では普通に放置されている。随分と扱いが変わったものだ。
「あんなことしてるからドン引きされてるわよ、きっと」
とルティアが言う。
「あの頑張りは見習いたいと思うけどね」
エリアスは、どこか尊敬の念が感じられた。
10メートルほどの岩壁を作っておくだけでも、歩行する魔物を足止めすることも可能になる。さすがに飛行してくる魔物の足止めは難しいだろうが、無いのとでは大きな差が出ることだろう。
「ディザスターが出す黒い煙みたいなのをどうするかも問題ですね」
岩壁の上に座って話し合いが始まる。
「神聖国での様子からすると、かなりの行動制限でしたね。帝国に出たディザスターが同じ黒い煙を使ってくるかは確定出来ませんが、考えておかなければなりません」
ナビゲーターが神聖国での起きた状態を説明する。
「帝国のディザスターも同じだと思うわ」
と声がした方を向くとマグノリアに支えられたレミが浮遊してやってきている。
「レミさん、動いていいの?」
「大丈夫よ、エリアス。お話くらいならね」
と言い岩壁に降り立つ。
「レミ殿、ぜひ話を聞かせてください」
「わかったわ、私が実際に戦ったんだけど……徐々に身体が重くなっていくというか、ステータスを下げられていく感じがあったから。神聖国のディザスターとも変わりないと思う」
思い出したくはない内容だが、これから再び戦う者がいることを考えると話さなければならない。
「そこからの対策ですね、マスターは黒い煙を風魔法で吹き飛ばしていましたのでやりようはあると思います」
ナビゲーターが提案する。
「そうね、後は話によれば光魔法も効くのよね?」
「ええ、浄化が効いていますので」
と会話が続く。
ディザスターへの対策を話していると、封龍の森の方向の空が淀み始めた。
「ちょい、あれってやばいやつなんじゃないよね?」
ミラが指を刺して腰を抜かしている。
「嫌なものが迫ってきてるような」
といいながら一同立ち上がる。
「あれは、魔門から出てくる悪魔」
とレミが呟いた。大量に空を飛んでこちらを目指しているようだ。
「戦闘準備を!ナビゲーター殿」
とハルカが言った瞬間にナビゲーターが空に花火を打ち上げる。冒険者達への合図だ。
みなが武器を構える……




