255話進まぬ偵察とサンプル捕獲
「そういえばナビゲーターさん、レンのユニークスキル使えるんだね!」
思い出したと言うようにエリアスが口にする。
「ええ、ですがマスターほどの精度を出すことも出来ませんね。インストールなども初級魔法を入れる位が関の山で、今の我々にとっては役には立ちません」
と答える。
「そこまで楽だったら反則的だよー」
「ええ、それにマスターが眠っている今だから私も使用できるといった形でしょう。本来の私にはユニークスキルを使えるほどの性能はなかった」
ナビゲーターとレンの説明の難しい繋がりでもあるのだろうと納得しておくしかない。
再びエリアス、ナビゲーターとハルカの3人は封龍の森に訪れていた。
「今回は、魔物を見つけることもやりたいですね。出来れば捕獲したい」
とハルカがアイテムボックスから檻を出して言う。
マグノリアを襲っていた魔物は、ゴブリンやオークと同じ見た目ではあったが不気味なオーラを纏っていた。これをディザスターの脅威であると予測してサンプルを手に入れようとしているのだ。
「すんすん……ここら辺には魔物はいないみたいです」
エリアスが周囲の匂いを嗅ぎながら答える。
「では、移動しましょうか。魔物が寄ってくる方法などが有れば良いですが………」
「では、私にお任せください」
即座にナビゲーターが指を空に向けて魔法を放つ。
ヒューーーーパンッ
とロケット花火のような音を立てた。
すぐさまエリアス達は、木の上に登って先程いた場所を眺める。
しばらく待つと……
「グルゥゥゥゥルル」
と声を出しながらゴブリンがやってくる。その数は、5匹だ。
「不気味なオーラが出てるね」
微妙な表情をしてエリアスが答える。
「ええ、良いことではありませんが捕獲に移行しましょう」
「全部捕まえますか?」
「いえ、とりあえず3匹で良いでしょう」
ナビゲーターの質問にハルカが指でピースして答える。
「了解しました、ハルカ」
パチンとナビゲーターが指を鳴らした後、周囲の植物のツタが3匹のゴブリンを絡めとって集団から引き離す。
仲間がいなくなったことにゴブリンが驚いているが、声を上げる前に
ハルカの銃とエリアスの弓矢がゴブリン達を射抜くのであった。
「グギャァァ、グギャァ!」
とツタに逆さ吊りされたゴブリン達が鳴き喚いて武器を叩きつけるが、ナビゲーターの魔法で強化されたツタは切れることはない。
「催眠弾を使います」
と言いハルカがゴブリン達に発泡する。
3匹のサンプル用のゴブリンを捕獲したのだった。
「またフェレンスに戻りましょう。なかなか帝国への偵察に踏み切れませんが、今起きていることにも警戒をしなければ詰むかもしれませんね」
ゴブリンを檻に放り込み、ハルカが言う。
「帝国に偵察に行かなくても近くまで来てたら厄介だなぁ」
とエリアスは困り顔だ。
出来るだけすぐに偵察に戻れるように、ゴブリンを入れた檻を持って転移でフェレンスに戻って行くのだった。




