251話疑いと撤退
ナビゲーターの言葉の直後……
「「スティグマ!」」
エリアスとハルカの動きは速かった。すぐさま、2人は自ら武器を引き抜いてマグノリアに向ける。
「私のマスター、レン・オリガミと戦ったあなたを私が忘れるはずがありません。それにしてもスティグマであるあなたがどうしてここにいて、魔物に襲われているんでしょうか?」
ナビゲーターが言葉を向ける。
「ええ、きちんと話します。ですので、武器を下ろしてもらえるとありがたいわ」
フードを脱ぎ、片手しかない手を上げながらマグノリアが答える。フードの下も怪我をしており出血が目立つ。
「スティグマの言うことを易々とは信じられませんね。ですが、話は聞きましょう」
「ありがとう、救国の英雄ハルカ。まずは、そこの木の影にいる人を引っ張り出してくれないかしら?」
と言う。ハルカに目で合図されたエリアスが指さされた場所に走っていく。
「うそ!レミさん!」
とエリアスが声を上げる。マグノリアに示された場所には、光明の魔女こと、レミ・サトウが気を失って倒れていたのだ。
「ポーションでも持ってるならかけてあげて。ディザスターと戦って相当に傷ついてるわ!」
「レミさん……」
エリアスがアイテムボックスから取り出したポーションをかけていく。少しは顔色は良くなったように感じた。
「どうしてあなたがレミさんと?」
「怪我して倒れかけていた所を拾ったのよ。あのままスティグマに見つかれば殺されていたでしょうしね。どうにか彼女を連れて逃げてきたけど、魔物との連戦でピンチになったってわけ」
と説明する。
「いえ、マグノリア。あなたは我々の敵であるスティグマでしょう。どうしてこのような行動に出たのですか?」
ナビゲーターが質問する。
「それも説明するわ。だけど、急いで光明の魔女の治療をした方が良いと思う。ポーションだけじゃ気休めでしかないだろうから」
その言葉にチラリとナビゲーターがレミを見る。確かにポーションの効果は低いように感じる。ディザスターの攻撃を食らっているのなら、ポーションも効かない効果が出ていてもおかしくない。
「ハルカ、フェレンスへの撤退を希望します」
「そうですね、ナビゲーター殿。出来れば、街の外に跳ばしてもらえますか?この者を完全に信じることは出来ないので街には入れたくない」
剣を持つ手から力を抜かずにハルカが答える。
「当然ですね。私が不自然な動きをしたならすぐに斬ってもらって構いません。何をするつもりもありませんが」
マグノリアが答える。
「では、フェレンスに戻ります。転移!」
ナビゲーターが魔法を発動させて、5人はフェレンスに帰還するのだった。




