238話感謝とスキルの消失
『ありがとう、レン・オリガミ。貴方のお陰でこの国は、災厄より救われました』
レンの身体から、光が溢れ出て近くで最初に見たリディエル神の姿になる。
「ほとんど……あなたの、お陰ですよ」
リディエル神が身体から離れた瞬間に、とてつもない疲労感に襲われて倒れそうになる。
「大丈夫ですか?マスター」
「ちょっとやばいかも」
アイテムボックスから出てきた人型のナビゲーターさんが横に現れてレンに肩を貸す。
『無理もありません、神の力を使った疲労はとてつもないものです。それに大掛かりな蘇生まで、当分動くことは難しい』
とリディエル神に告げられる。
「ディザスター……とんでもない化け物だった……」
『ええ……本当にギリギリ間に合った状況です。ですが、帝国の方はまずいことになっているかもしれません』
「帝国がですか?」
どうにか起き上がったフェインドラが言う。
『ええ、新たな戦いの火種になります。どうにかしたい所ですが、私には留まれる力がもう残っていない』
徐々にリディエル神の身体が朧げになりつつあった。
「リディエル神、貴方のおかげで救われました。ありがとうございます!」
フェインドラが頭を下げる。
『一度は死なせてしまったのです、私は、大したことは出来てないですよ』
生き返りはしたが、悔やむ所がリディエル神にはあるようだ。
もうリディエル神には時間がないようだ。
『貴方達のこれからに祝福を……』
そう告げて、光が散っていった。
「行ったかぁ……これで一件落着。とも言いづらいかなぁ」
街の様子を見ながらレンが呟く。
「ええ、マスター。正直、街の復興は大変でしょうね」
ディザスターが通った場所など原型すら留めていない。
「無事か、レン。とんでもないことばかりで驚きが止まらないぜ」
と言ってきたのはアルファードだった。
「まあ、リディエル神の力が凄かったからですね」
「蘇生なんて出来たんだから、とんでもないことだ」
驚愕していたようだ。
「実は蘇生なんですけどね……使えなくなりました」
とレンは残念そうに答える。
そう、使えなくなったのだ。
ディザスターとの戦闘中にレンがインストールしたスキル〈蘇生〉〈神級全魔法〉〈ステータス100倍〉〈必中〉は、リディエル神が消えた瞬間を同じくしてレンのステータスから消えたのだ。
「とてつもないスキルばかりだったので、勿体無いですね」
ナビゲーターさんも残念そうだ。
「まあ解決したことだし、気にすんなよ」
とアルファードがレンの肩を叩く。
「そう……です……ね」
「マスター?大丈夫ですか?」
ナビゲーターに声を掛けられるが、レンは、意識を失うのだった。
あと1話でリディエル神聖国編も終わりの予定です!




