表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/414

234話崩れる心と降臨の時

本日2話目です!

ポタリと自らの頬に何かが落ちた感触があった。それは直後に鉄の匂いを発する。フェインドラの身体を貫いた触手から血が垂れているのだ。


「フェインドラ……さん……」


レンは、心臓がドクドク波打つのを感じながら声を出す。わかっているが、納得したくはない。これは致命傷だ。



ディザスターの触手がフェインドラから引き抜かれ、レンの盾となった男がこちらに倒れてくる。


レンは、それをなんとか受け止めて顔を覗く。


「レン……殿。ぶ、無事です……か?ゴホッ……」


懸命に声を絞り出しているのが伝わってきた。


「はい、すぐに治します!だから……」


と答えるレンの手にフェインドラの手が添えられる。


「もう……たすか、らない……で、しょう。私、のこと、は……いい」



「そんな……待ってください!クソ、治れ!」


傷を治そうとするが、なかなか塞がらない。ディザスターの黒い煙が修復を遅らせているのかもしれない。


「良い……ん、だ。君が、無事……なら」


「どうして俺なんか守ったんですか!」


自分なんかを守るべきではなかった。彼にはもっと守るべきものがあるのだ。


「ふ、ふっ……良く、言うだろう?….…誰かを守るのに理由はいらない……。手が届くなら……アルファードだって……同じこと、を考え……たさ」


「そんな……こと……」


レンの頬を涙が伝い、フェインドラに落ちる。彼の命はまもなく消えるのがわかるのだ。


「どうか……我が国を……頼み、ます。え、い……ゆう」



「あ……」


レンの小さな呟きと同時にフェインドラの手は力をなくして地面に落ちる。



ここにリディエル神聖国の聖騎士長は、自らが守りたいものを守り散ったのだった。





「聖騎士長……」「そんな」「もうお終いだぁ」


彼の死は、周囲の聖騎士たちにも大きく影響をもたらしている。最後の心の支えが散り、膝をつく聖騎士も大勢だ。


「フェインドラ……あの野郎!ちくしょう!」


と声を上げ、アルファードが剣を地面に叩きつける。


また、仲間を失ってしまった。アルファードは、過去にマサトが散った瞬間を思い出す。




「ディザスター……」


レンは、呟きながら立ち上がる。目から溢れる涙は無理やり止めた。今はそうな時ではないと感じたからだ。


『マスター……いけません』


ナビゲーターさんの声には驚きが含まれている。レンの髪が白髪に変わったからだ。


「あいつだけは、消し去る!」


かつての王都の時のような怒りがレンを支配しようとしている様に彼女には感じられたのだ。



元々、レンにはレイの力を使うだけの力が残っていなかった。スティグマのマサトとの戦いなどでかなりの力を使っていたからだ。


だが、ディザスターを倒すため、レンのフェインドラを失った怒りによってレイの力が発動したのだ。


「ディザスター……オマエだけは!」


レンの持つ剣に白いオーラが纏わり付く。そして剣を振り上げた時、後ろでとてつもない光が爆発する。


「キタナぁぁぁぁ……」


ディザスターが声を上げレンの後ろの方を見ているためレンもその方向を向く。



『本当に……神として情けない限りです。ここまでの侵攻に何も出来なかったとは……』


「あれは……まさか」


心が洗われるような心地よい風が流れ、そこに女性が立っていた。否、浮いている。



『私は、神、リディエル。我が子供らの国を染める災厄を討つために来ました』


と名乗るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ