105話30階層と氷の世界
「レン、どういうことかな?説明してもらいましょうか」
「えっと…あの、その…つい、迷宮攻略を進めたくて……出来心だったんです」
エリアスの前で正座してレンは答える。秘密で迷宮に行っていたのがバレてしまった。
アイリ・ガーラムとの遭遇…そしてバレる夜間探索。終わったな…とレンは思う。
その後、こってりとレンは絞られアイリは、怖いぃぃと震えていたのだった。
「修羅場みたいで面白かったわね」
ルティアは、笑っていた。
「こんな感じで浮気がバレるテレビ番組あったかも」
とミラも笑っていた。
「くっ…ルティアとミラには後でお仕置きを検討しとくか」
とボソッと呟く。
「え!あ、いやその…レンもエリアスもお互いに誤解があったと思うわ。だから落ち着きましょうよ!」
「そうだよね、えっと…お互いに謝るのが1番良いんじゃないかな?……その、えっと…お仕置きは…」
急に2人が挙動不審になり始めた。
「ハハハ……2人の焦りようが面白いな」
レンは、笑ってしまう。
「フフフ、そうだね。ルティアとミラがいると空気が和むよね」
エリアスも笑っている。
「ほっ…良かったです」
アイリもホッとしたようだ。
「もう、驚かせてくれるわね、レン。空気を良くしたんだから感謝しなさいよ」
「良かったぁぁぁぁ。お仕置きは嫌だもん」
と2人は安心している。
「いや、お仕置きは後でやるからな?」
と最後にレンが呟き、2人の顔が青くなるのだった。
「というわけで、レンさんとご一緒させてもらって色々とお勉強させてもらいました!」
とアイリがしっかりと内容を説明してくれる。
「なるほど、放っておくことが出来ないのはレンらしいね。だから私も助けられた」
とエリアスは、言ってくれる。怒っていないようで安心する。
「それにしてもここまで1人で来たの?」
とルティアが聞く。
「はい、そうです!」
「それは凄いなぁぁぁ。ソロってカッコイイ!」
1人で攻略していることにミラは、尊敬しているようだ。
「彼女が良いのなら、一緒に登るのはどう?」
エリアスが提案する。
「ああ、そうだね。アイリ、どうだろうか?人数が多い方が安全だろうし」
「良いんですか?それはとてもありがたいです!よろしくお願いします」
レンが聞くと、アイリはペコッと頭を下げて感謝する。ソロで迷宮を探索するのは、大変なものだ。レン達の提案はとても嬉しいものだった。
5人になったレン達のパーティは、早速進むことにする。前衛に盾を持ったアイリ、しんがりをレンが務める。
「レンがいるだけでも強いのに……これは、今最高階層の50も超えられるんじゃない?」
ルティアは、28階層までソロで来ることができるアイリが入ったので元々強いチームがさらに強くなったように感じていた。
そこからさらに階層を上り、30階層に突入する。雪が降り積もる雪原となっていた。
「これは、戦いにくそうだな」
雪原に足を踏み入れながらレンは呟く。
「きゃあ!」
ルティアは、雪に足を取られ転ぶ。雪に盛大に顔を突っ込んでしまう。
「これは、大雪だね。慎重に……おわぁぁぁぁ」
ミラはすごい声を出して雪突っ込んでしまった。
「みんな大丈夫?本当に気をつけないと、魔物とかが出たら大変だね。あ……しまった!」
エリアスがみんなの心配をしながら歩き出すと同じく足を取られてしまう。
「大丈夫か、エリアス?あーーー!」
すぐさまレンが振り返ると自分に向かってエリアスが倒れてくる。エリアスを受け止めようとしたが慣れない雪にレンは足を取られエリアスと一緒に雪にダイブする。
「ごめん、レン!」
エリアスが顔を赤くしながら上の方からレンの顔を覗き込んでくる。エリアスがレンの上に覆いかぶさってる状況だ。
「ああ、大丈夫だ!」
と言いながらエリアスと起き上がる。
「私達と扱いが違うなぁ」
「ヒュー、熱いわねぇ。雪も溶けちゃいそう!」
ミラが悔やみ、ルティアは、からかってくる。
「あわわ、修羅場です!」
とアイリが言っているので慌てて弁解するのだった。
トラブルもありつつ、進んでいると魔物に遭遇する。
「あれは、アイスフィッシュです!」
前を進むアイリが声を出す。その名の通り氷の魚だった。氷がまさに凶器といった感じで、レン達を指し貫こうかと向かってくる。
「私の出番か、ファイヤウォール!……嘘!効いてない?」
ミラが炎の壁を作り出す。しかし、アイスフィッシュは、その炎をくぐって向かってくる。
「いえ、効いてますが完全には倒し切れてません」
盾でアイスフィッシュを跳ね返しながらアイリが答える。30階層ともなると魔物もしぶとくなるようだ。
「やっぱり魔物が強くなっていくよな、楽しみだ」
とレンはニヤッと笑うのだった。




