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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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2113/2115

イカとタコ発見!

「それじゃあ、俺達は戻らせてもらうよ。楽しい時間と美味い飯をありがとうな。何かあればいつでも声をかけてくれ。ギルドに伝言を残しておいてくれればいいからな」

「ああ、俺も楽しかったよ。それじゃあまた」

 食事を終えてそれぞれの部屋に帰る彼らを見送った俺は、一つため息を吐いて広い部屋を見回した。

「じゃあ、一旦俺達も部屋に戻るよ。今日はどうするんだ?」

 立ち上がったハスフェルにそう聞かれて少し考える俺。

「一応、例の鎧海老ってのを買いたいからさ、入荷するとしたら午後からかな? でも、朝市も見てみたいから、俺は少し休憩したら出かけるつもりだよ。何かいいものが手に入ったら、また料理してみようかと思ってもいる。それに、恐らくギルドマスターからジェムの買い取りの連絡があるだろうから、俺は出掛けない方がいいと思うぞ」

「ああ、そっちもあるのか。じゃあこうしよう。ケンはその予定で行動してくれればいい。俺達は、ちょっと周囲の地脈の吹き出し口の状況確認を兼ねて、一通り見回って来るよ」

「了解。それならマックス達も連れて行ってやってくれるか」

 従魔達のストレス発散には、外で思いっきり走ったりジェムモンスター退治をするのがいいからな。

「おう、了解だ。じゃあそれで行こう」

 手を振って一旦部屋に戻るハスフェル達も見送った俺は、振り返って側にいたマックスに抱きついた。

「じゃあ今日は、お前達はハスフェルと一緒に出掛けてくれるか。スライム達は俺と一緒に留守番な」

「はあい!」

 ご機嫌な従魔達から揃って元気な声が返る。

「じゃあ、ジェムと素材集めはよろしくな。でも、無理はしなくていいからな」

 うん、ジェムも素材も腐るほどあるから無理に集めなくて構わないぞ。

 でも、こう言っておくと張り切って出掛けてくれるからな。



 って事で、従魔達としばしのスキンシップを楽しんだ俺は、ハスフェルにマックス達を預けてから先に出かけた。

 まずは、昨日聞いた朝市の通りへ行ってみる。

「おお、なかなかいい感じに色々あるなあ。よし、ちょっと買っておくか」

 そろそろ夏野菜も出始めているみたいなので、適当にぶらついては良さそうなのがあれば買い込み、一通り見て回った後は魚市場の方へ行ってみた。

「あれ。やっぱり鎧海老はまだ出ていないみたいだな。じゃあ午後からかな?」

 パッと見たところ、並んでいる品物に特に変わりは無さそうだ。

 とはいえ、新鮮な魚介類が山盛りになった光景はちょっと嬉しい。

 そして、ここで俺は嬉しい発見をする。

「ああ、イカとタコ発見! そうだよなあ。絶対にあると思ったんだ」

 パロットさんから教えてもらった、朝市の通りの横にある、ちょっと変わった品揃えのお店を見てみたところ、何と、イカとタコが並んでいたんだよ。しかも、やや小さめのからめっちゃ大きいのまで、何種類も!

 イカの身は透き通っていてもうこれ以上ないくらいに新鮮そうだし、タコはもう茹でてくれてあって、なかなか良いサイズが丸ごと一匹単位、デカいのは半身や足だけ、みたいな感じで売っている。

 よし、これでイカとタコの寿司も出来るぞ。

 あ、たこ焼きが食べたいけど……あの丸く焼く鉄板は、さすがにないかなあ?

 まあ、それを考えるのは後だ。とりあえず買おう。



「あの、これ、欲しいんですけど、どうやって調理するのがいいんでしょうか?」

 ここはお店の人に聞くのが一番!

 目を輝かせて身を乗り出す俺に、奥から出てきた店主さんらしき大柄な男性は嬉しそうににんまりと笑った。

「おお、兄さん。これに興味を示してくれるとは嬉しいねえ。こいつはイカ、こっちはタコ。見た目はこんなんだが、どれも美味いぞ。あっちの屋台では、焼いたのを売ってるから良かったら見ていってくれ。下処理の仕方はわかるか? 何なら、下処理はするぞ」

 いきなり目の前に、まな板と包丁が登場して思わず吹き出す俺。この店主さん、どうやら収納の能力持ちみたいだ。

「じゃあ、下処理はお願い出来ますか。ええと、色々買いたいのですが、おすすめはどれでしょうか?」

「イカなら、このデカいのは超おすすめだよ」

 そう言って、両手で鷲掴んだのはめっちゃデカいイカだ。これ、北陸で獲れる赤イカみたいな感じだ。

「ううん、肉厚で美味そう! 丸ごといただきますので下処理をお願いします! あ、こっちの小さめのもあるだけください!」

 こっちの小さいのは、まんまイカソーメンに出来そうだ。

「おう、任せろ! おおい、捌くから手伝ってくれ〜」

 店主さんが大声で呼びかけると、店の奥から大きなバケツを掴んだ女性が出てきた。

 どうやらご夫婦でお店をされているみたいだ。

「ありがとうございます。では、下処理をいたしますのでしばらくお待ちください」

 店主さんが手慣れた様子で捌いていく横で、奥さんはバケツに入れた水でザバザバと捌いたイカを洗ってくれている。

「あれ、もしかして水の術ですか?」

 見ていて気が付いたんだけど、足元に汚れた水を流して空になったバケツに彼女が手を差し伸べると、バケツの中に一気に水が増えたんだよ。もちろん、ホースみたいなものはどこにもない。

「そうだよ。俺の奥さんは水の術使いでね。綺麗な水をいくらでも出してくれるんだ。おかげで魚を捌く時にわざわざ奥から水を汲んでくる苦労が無いんだ」

 何故か店主さんがドヤ顔になり、奥さんも得意そうに笑っている。

「しかも俺は氷の術を扱えるんだ。まあ、作れる氷は小粒だけど飲んでも大丈夫。つまり、ここにある氷は全部俺が作っているんだ。な、どちらも魚屋をする為にあるような能力だろう?」

 またしてもドヤ顔になった店主さんの言葉に、思わず吹き出した俺だったよ。



 捌いてもらっている間に、調理法を聞いてみたら、イカは串に刺して焼くか、煮物に使うのが一般的らしい。

 あとは、ご飯を詰め込んだいわゆるイカ飯的なものがあると聞いて、またしても俺のテンションは爆上がりしたよ。

 ここのイカを使っている、イカ飯を売っている屋台を教えてもらったので、ここの買い物が終われば行ってみよう。

 綺麗に下処理が済んだ大量のイカとまとめ買いした茹でたタコを取り出したバットに並べてもらいつつ、俺はもう頭の中で、何から料理しようかワクワクしながら考えていたのだった



挿絵(By みてみん)

2025年11月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」十二巻の表紙です。


もちろん今回も、れんた様が最高に可愛い表紙と挿絵を描いてくださいました!

前巻に引き続き、冬のバイゼンで楽しく大騒ぎです。

どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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インコ組のために『カトルボーン』を手作りして~! コウイカの仲間の体の中にある『甲(こう)』は貝殻の名残りのサーフボードのような形で、姿勢制御の浮きの代わりになってて、硬い発砲スチロールみたいな質感で…
イカ、全部下処理任せちゃったんですねぇ・・・塩辛出せないの残念ですね。酒飲み連中にはもってこいのツマミかな?と思ったのでw ふかしたお芋にバターと一緒に乗せても・・・食べたくなって来た。どんな料理に変…
やっと、イカとタコが出てきたー! イカは、刺身やイカソーメンもいいけど、やっぱり姿焼きでしょ。伸して一夜干ししてから炙るのもいいよね。 タコは、タコ焼きは当然として、出汁で食べる明石焼きもいいよね。串…
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