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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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1980/2115

燻製作りとこれからの事

「いやあ、本当に美味しいしか言葉が出ませんでしたね」

「レシピを教えてくださったご友人にも感謝を。おかげで俺達まで美味しい思いをさせてもらいました」

 満面の笑みのアーケル君の言葉に、こちらも満面の笑みなボルヴィスさんがそう言って手にしていたワインを軽く掲げた。

「燻製がこんなに美味しいなんて、俺も思わなかったですよ。次は他の肉や魚でもやってみるつもりだから期待してくれていいですよ」

「お願いします!」

「あの、何かお手伝い出来る事があればおっしゃってください!」

「何でも手伝います!」

 笑った俺の言葉に、草原エルフ三兄弟がこちらも満面の笑みでそう言って右手を上げる。

「ありがとう。でも、一番手のかかる仕込みはスライム達が手伝ってくれるから大丈夫だよ。手伝ってもらうなら、最後の燻製にする時に燻製箱の中に材料を入れる時くらいかなあ。俺より小柄なアーケル君達なら、多分入れるのも俺より楽だと思うからさ」

 正直言うと、燻製箱の中に屈んで入り、大きな肉を吊るしたり棚にチーズやゆで卵を並べる作業って地味に辛かったんだよ。後で、主に膝と腰にきた。

「ああ、確かにそうですね。じゃあ次は指示してくれれば俺達がやりますね」

「火加減は、また頼んでいい?」

 オンハルトの爺さんに念の為そうお願いすると、当たり前だと言って笑ってくれた。

「じゃあ、火加減について教えていただけますか。私は火の術が扱えますのでお手伝い出来るかと思います」

 笑顔のアルデアさんがそう言って、ワインのグラスと瓶を持ったままオンハルトの爺さんのところへ駆け寄っていき隣に座る。

 笑顔のオンハルトの爺さんが笑顔で頷き、二人は顔を寄せて楽しそうに話を始めた。

「そっか。アルデアさんは火の術が扱えるんだっけ。じゃあ火加減はお二人に任せておこう」

 小さな肉を少しくらい燻製にするのなら、それこそコンロでする簡単なやり方なんかをネットで見た覚えがある。

 だけど、あれだけの量の肉やなんかを一気に燻製にしようとしたら、やっぱり火加減の調整は絶対に必要だろうけど、そのあたりの細かい調整は俺にはちょっと無理そうだからな。

 うん、そこは出来る方にお任せしておこう!

 苦笑いした俺は、来てくれたアクアとサクラを半ば無意識に揉みながら、少し残った冷えたビールを一気に飲み干したのだった。



 この後、新人さん達の講習が終わるまでの間に俺は、スライム達を総動員して大量の燻製用の各種お肉の下拵えを行い、オンハルトの爺さんの指示のもと皆と一緒にいろんな肉や魚、それからチーズやゆで卵、他にもナッツの燻製なんかを量産したのだった。

 おかげで、髪や体に燻製の香りが染みついた気がするよ。

 もちろん、毎日サクラが綺麗にしてくれているからそんな事はないんだけど、何というか燻製の香りが当たり前になった気がしてちょっと笑ったのは内緒だ。



 量産した燻製の中では岩豚以外だと、意外な事にスモークサーモンやスモークマグロあたりが大好評だった。

 またメニューが増えて、魚好きな俺的には大満足だったよ。

 まあ、この辺りはハスフェル達が酒のつまみになると言って大喜びしていたので、新作メニューとしては簡単なサラダや、マリネやカルパッチョみたいな比較的簡単なものが多かったんだよな。

 素材自体が美味しいから、無理に手を加えるよりその方が美味しいんだよ。

 スモークした魚の切り身にスライスした新玉ねぎを合わせて、塩と黒胡椒とオリーブオイルとリンゴ酢を混ぜたのをかけるだけでも、めっちゃ美味しい一品になるんだからね。

 シンプルに、モッツァレラチーズやクリームチーズと合わせてもこれまた美味しかったよ。

 それから、合間にまたがっつり揚げ物を作ったり、サンドイッチや煮込み料理も色々と仕込んでおいた。

 最終的にはここを旅立つ時に一旦解散する予定だけど、まだしばらくは一緒にいるみたいだから、料理は色々と仕込んでおかないとな。

 リクエストをもらった岩豚の角煮を量産しながら、バイゼンを旅立った後にシルヴァ達と別れて四人だけになった時の事を思い出して、割と本気で寂しくなってしまい側にいたシャムエル様を撫で回したら空気に吹っ飛ばされて椅子から転がり落ちたのだった。解せぬ!



 しかし、大人数がすっかりデフォになっちゃっているから、また解散して人数が激減したら、ちょっと本気で寂しくなりそうだ。

 すぐに再会出来るって分かっていても、やっぱり寂しいものは寂しいんだよ。

 仲間の有り難さと大切さを思い知って、ちょっとだけ涙目になった俺だったよ。



挿絵(By みてみん)

2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。

ついにもふむくも二桁の大台に突入です!

改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!

到着早々色々と騒ぎが起こります。

そして貴重な女性キャラも登場しますよ!

その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!





挿絵(By みてみん)

「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」

コミックアース・スター様にて、コミックス第四巻が2025年3月12日に発売となりました!

もちろん今回も作画はエイタツ様。


ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!

いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!

そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!

盛り沢山なもふむくコミックス第四巻を、どうぞよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます。 キャンプ好き友人に「燻製、かなりイイらしいよ?」って、囁いておこう(笑) …………あっ!?第1回 燻製祭り(違う)で、お供えしてるシーンが無い!! だ、大丈夫かな……?…
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