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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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1955/2115

魚料理は大人気!

「よし、じゃあ今日釣った魚も全部まとめてギルドに預けて捌いてもらおう!」

 街へ到着したところで、俺がそう提案してそのまま冒険者ギルドへ向かった。

 ちなみに、今回の釣った魚も全部まとめて俺が引き取っているよ。

 皆からは刺身やお寿司だけでなく、もっといろんな魚料理が食べたいとのリクエストをいただいているので、何から作ろうか頭の中でワクワクしながら考え中だ。

「すみませ〜〜ん。また色々釣ってきたので捌いて欲しいんですけど、大丈夫ですか?」

 エルさんは見えるところにいなかったので、受付カウンターに座っていたスタッフさんに声をかける。

「ああ、ケンさん! はい、もちろん大丈夫ですよ。では受付いたしますので、そのまま奥へどうぞ!」

 にっこり笑ったスタッフさんの案内で、前回と同じ部屋に通された。

 手前側にある受付用のテーブルの奥には、巨大な水槽が段になっていてとうとうと水が流れているし横には大きな金属製のテーブルが並んでいるから、多分、ここは魚を捌くのを依頼する時専用の部屋なのだろう。

 ちなみに、肉を捌くのを依頼する時は、地下にあるこことはまた別の広い部屋に通されるんだよな。



 満面の笑みで出迎えてくれた前回と同じ顔ぶれのスタッフさん達に、俺の手持ちの高性能の収納袋と一緒に今日の釣果をまとめて渡す。

 本マグロやトラウトをはじめ鰹やブリなんかもあって、今回の依頼もかなりの量になった。まあ、今のところ魚の食材は、前回捌いてもらった分の手持ちがまだまだあるから、今回捌いてもらった分は急がないので後日引き取りでお願いしておく。

 カルーシュ山脈に行けばすぐには帰って来られないだろうから、一応その事も説明しておいたよ。



 その際に聞いたんだけど、何でも今スタッフさん達の間で魚料理が大人気らしい。

 実は前回、俺が大量の魚を捌いてもらった際に、薄切りにした生魚に少量のわさびと醤油をつけて食べると美味しいんだって話をスタッフさん達にもしておいたんだよ。

 最初は驚いてドン引きしていたスタッフさん達だったらしいんだけど、俺が料理上手なのはクーヘンから聞いていたらしく、それならばとスタッフさんの数名が刺身にチャレンジしてみたらしい。

 当然、その美味さに大感激したらしく、最近はスタッフさん達の間で、食材の自力調達の為に釣りが大ブームになっているらしい。

 もちろん長雨の後だから近場でマッドフィッシュ釣りをする人もいれば、大きな釣り竿を用意して港の端っこで川釣りを楽しむ人、そして郊外へ出て渓流釣りをする人まで現れ始めたらしい。

 なんでも、冒険者ギルドのスタッフさんの多くは元冒険者で、怪我や色んな事情で冒険者を引退して街に住むようになった人が多いんだって。

 だから、普通の街の人なら単独や数名程度では郊外へ出るのを躊躇うけど、そういう部分は皆平気らしい。うん、さすがだね。

 スタッフさん達が預かり票を書いてくれている間中、手の空いたスタッフさん達から他にどんな魚料理があるのだと真顔で聞かれて、海鮮丼や鰹のたたき、あとは酢飯の作り方に始まり、握り寿司の作り方や巻き寿司の巻き方なんかを説明しながらもう笑いが止まらない俺だったよ。

 でも、生魚の美味しさを知ってもらえて嬉しいよ。

 ちなみに、シャムエル様に前回寿司を作る前に確認したんだけど、この世界に寄生虫自体はいないわけではないんだけど、生魚に付くアニサキスみたいなのはいないらしい。

 なので、生食も安心だ。

 これに関しては、設定が色々と大雑把で良かったなと密かに安堵したのは内緒だ。



 ギルドで魚を預けた俺達は、そのまま別荘へ戻った。

 一旦解散して各部屋に戻る皆を見送り、俺はそのままリビングにあるキッチンへ向かった。

「さて、夕食は何にするかなあ。せっかくだから、カルパッチョとかマリネみたいなのも作っておくか。それと俺が食べたいから、今夜は魚のフライにしよう。タルタルの作り置きはまだたっぷりあるからな」

 とりあえず取り出したマグロの赤身の部分とトラウトの大きな切り身を前に腕を組んで考えてそう呟く。

 俺の周りでは、スライム達がワクワクしながら指示待ちしているよ。

「よし、まずはマリネを作って、それからフライだな。カルパッチョはすぐに出来るから欲しいなら食べる前に用意すればいいから今回は作らなくてもいいな」

 そう呟いて、サクラに鯛の切り身も出してもらった。

 マリネは、マグロとトラウト、それから鯛があればいいだろう。

「ええと、まずはこれを全部、刺身よりももう少し薄めに切ってくれるか。俺は調味料の用意をするからさ」

 まずはマリネ用のお魚の準備をスライム達に頼んでおき、俺はマリネ液の準備をしておく。

 これは、砂糖と塩コショウそれからお酢とオリーブオイル、それから香り付け用のレモンがあればあとは混ぜるだけだから簡単だよ。

 鼻歌まじりに大量のマリネ液を作り、用意してくれたお魚の切り身を順にマリネ液に浸していく。あと、ちょっとした味変でがっつり黒胡椒を利かせたのや、レモンの輪切りも入れたのも作っておく。

「あ、この前買ったオレンジはめっちゃ酸っぱかったから、あれを使ってもいいかも」

 思わずそう呟き、追加でサクラに出してもらって酸っぱいオレンジでのマリネも作っておいた。



 一通りのマリネの仕込みが終わったところで次はフライの仕込みだ。

 スライム達に手伝ってもらい、マグロの赤身とトラウト、それから白身の魚が欲しかったので鯛とブリもフライにしてみた。

「へえ、ブリのフライはあまり作った事なかったけど美味しいぞ」

 ちょっと衣がはげたのがあったので、シャムエル様と半分こして味見してみたけど、意外なくらいにサクサクジューシーで美味しくて驚いたよ。

「よし、これだけあればいいな」

 山積みに出来上がったフライ各種を見て笑った俺は、もう一切れブリのフライをつまみ食いしてから、高速ステップを踏んでいたシャムエル様にも渡してやったよ。

 ご機嫌でブリのフライを齧るシャムエル様のもふもふ尻尾を、俺はこっそり後ろから突っついて楽しんでいたのだった。



 リビングに集まってきた全員に、魚のフライも大好評だったのは言うまでもない。

 今日揚げた分は、まあ見事なまでにかけらも残さず全部駆逐されたから、次は倍量で仕込んでおこうと思ったのだった。

 でもまあ、この世界に魚料理が定着したみたいで、しかも人気みたいでちょっとドヤ顔になった俺だったよ。



挿絵(By みてみん)

2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となりました「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。

ついにもふむくも二桁の大台に突入です!

改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!

到着早々色々と騒ぎが起こります。

そして貴重な女性キャラも登場しますよ!

その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!




挿絵(By みてみん)

「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」

コミックアース・スター様にて、コミックス第四巻が2025年3月12日に発売となりました!

もちろん今回も作画はエイタツ様。


ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!

いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!

そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!

盛り沢山なもふむくコミックス第四巻を、どうぞよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます。 ウチでは白身魚フライorスモークサーモンでマリネを作るので、ケンさんにも作ってほしいですね~ でも、大食漢な仲間たちが相手だと、バケツ1杯作っても、何一つ残らないかも………
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