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もふもふとむくむくと異世界漂流生活  作者: しまねこ


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1932/2115

ジェムの委託と今夜の予定

「じゃあ、クーヘンにはこれを預けておくからよろしくな」

 追加で用意した収納袋に、相談して決めた数の大型水棲恐竜のジェムを突っ込んでリストと一緒に預けておく。

 渡したリストを見て乾いた笑いをこぼしたクーヘンは、収納袋を軽く撫でてから俺達を振り返った。

「本当にありがとうございます。では、このジェムの扱いに関しては、我らにお任せいただけるという事でよろしいでしょうか?」

「おう、全面的にお任せしますのでどうぞよろしく。じゃあ、このジェムは他の街のギルドでは売らない方がいいですかね?」

 適当に一つ取り出した大型水棲恐竜のジェムを見せながら困ったようにそう尋ねると、苦笑いしたエルさんは俺達を見てから首を振った。

「冒険者が手持ちのジェムを販売するのを止める権利は、例えギルドマスターであってもありませんよ。それは冒険者の持つ権利です。ですが売られる際には、出来ればこちらのギルドに一声かけてもらうように販売先のギルドなり商人なりに伝えてもらえると嬉しいですね。販売先について相談しますので」

 俺の持つジェムをそっと叩いたエルさんが、そう言って大きく頷く。

「了解です。一応俺は、ジェムや素材はクーヘンのところ以外は各街のギルドにしか売らない事にしていますので、直接商人に売る予定はありません」

 個人で商人に直接ジェムや素材を売る事も出来るらしいんだけど、この場合、闇取引とまでいかなくても結構危険な場合が多いらしい。

 要するに、買い叩かれる危険があるって事。

 よほどジェムの市場価格に詳しければそんな事もないだろうけど、冒険者のほとんどはそこまで気にしないからね。もちろん俺だってそうだよ。ってか、俺は街でジェムを買った事が無いから、そもそもの基本となる価格が分からないんだって。

 ちなみにクーヘンから聞いた話によると、彼の店の場合は、定期的に毎朝ギルドと連絡を取り合ってその日のジェムの相場価格を聞いて、その上でその日に店で販売するジェムの値段を決めているんだって。

 そんなの、聞いただけで面倒になった俺は、絶対に商売人には向いていないタイプだね。

 ここでアルバンさんとシルトさんがそれぞれのギルドへ戻り、俺達は場所取りをして待っていてくれたシェルタン君達と合流して、クーヘンも一緒に休憩スペースでのんびりと昼食を取ったのだった。

 ランドルさん達は、バッカスさんのところで食べるんだって伝言がきていたらしい。




「それじゃあまた後で!」

「ええ、では後ほど。どんな料理なのか楽しみにしていますね」

 大満足の食事を終え、イグアノドンのチョコに乗って店に戻る笑顔のクーヘンを見送った俺達は、待っていてくれた新人さん達と合流してそのままバッカスさんのお店へ向かった。

 クーヘンとお兄さん一家、それからバッカスさん達もお招きしてもう一度寿司パーティーを開きたいのでそのお誘いの為だ。

 とりあえずクーヘンは今夜でも構わないとの事だったので、お店を閉めたらそのまま別荘に来てもらうようにお願いした。

 バッカスさん達は、もしも何かの仕込みをしていて手が離せないようなら後日改めてお招きするか、あるいはお弁当を作って差し入れしてもいいかと考えている。



「ああ、ケンさん。お久し振りです」

 従魔達を厩舎と裏庭で待たせておいて人だけで店の中に入る。ここへ来るのは前回ヴェナートさんのサイン色紙を届けた時以来だ。

「ご依頼いただいていたナイフの研ぎ、終わっていますよ」

「ああ、そうなんですね。ありがとうございます」

 笑顔のバッカスさんにそう言われて、慌てて自分で収納していた預かり票を渡す。

「はい、ではこちらになります。どうぞご確認ください」

 渡されたあのナイフは、そりゃあもう見事なまでのピカピカ。

 軽く触れてみたけど、見事なまでに傷ひとつなく研がれた鋭利な刃先は怖いくらいだ。

「おお、素晴らしい。ありがとうございます」

 今は胸元には別のナイフを装着しているので、ひとまず受け取ったナイフは自分で収納しておく。

 それから改めてバッカスさん達の予定を聞いて、今は仕込み途中の作業がない事を確認してこちらも今夜で別荘にお招きしたよ。

 せっかくなので新しいスタッフさん達にも来てもらうように言って、後で一緒に来るのだというランドルさんを店に残して俺達は一旦その場を撤収して別荘へ戻ったのだった。

 さて、戻ったら夕食の準備だな!




挿絵(By みてみん)

2025年3月14日、アース・スターノベル様より発売となります「もふもふとむくむくと異世界漂流生活」第十巻の表紙です。

ついにもふむくも二桁の大台に突入です!

改めまして、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


今回も引き続き、れんた様が表紙と挿絵を最高に素敵に可愛らしく描いてくださいました。

連載開始当初からの目的地であったバイゼンに、ようやくの到着です!

到着早々色々と騒ぎが起こります。

そして貴重な女性キャラも登場しますよ!

その貴重な女性キャラを描いた今回の口絵も大爆笑させていただきましたので、どうぞお楽しみに!




挿絵(By みてみん)

「もふもふとむくむくと異世界漂流生活〜おいしいごはん、かみさま、かぞく付き〜」

コミックアース・スター様にてコミックス第四巻が、2025年3月12日に発売となります!

もちろん今回も作画はエイタツ様。


ハスフェルに続きギイも、それからフランマもコミックスに登場です!

いつもながら最高に可愛いもふもふむくむく達と、美味しい食事!

そして、地下洞窟と恐竜達とテイム!

盛り沢山なもふむく第四巻を、どうぞよろしくお願いします!


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