表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
5章 嘉神一樹の同窓会ならび主人公が知ろうとしなかった物語
74/353

参ノ壱 豊穣町の人々

 やっと主人公の話です。


 三話飛ばした方はここからお楽しみください


 飛ばしていない方はお疲れ様でした

 狩生武を殺した次は坂土素子だ。


 彼女はギフトホルダーである。


 能力名は占里眼サウザンドアイズといって、自分がこれから見るビジョンを先取りしてみることが出来る能力。


 そしてその見た結果を本人も変えることが出来ない。


 使い方は明日の試験を受けている時のビジョンを見てその内容を勉強するなどの見た上での対策が取れる。


 後だしの能力と言えよう。


 実に応用性の高い能力だ。


 ただ、対策はある。


 見たものであり見えなければ関係ない。


 一酸化炭素と言った無色の攻撃は見ることが出来ないし、銃弾も見えないので予期できないと言っていた。


 そして重要なのは自分も変えられないということ。


 もし、攻撃される時のビジョンを見てしまえば、それは絶対に実行されてしまう。


 だから本人もあんまり使いたくないと言っていたが、命のやり取りをしようとする今その制約はないと考えていいだろう。






狩生を殺した後そのまま殺しに行こうと思ったが一日だけ延期する。


 最後に殺す林田稟はここにはいない。


 東京にいる。


 電車を使っていくのは疲れたので、飛行機を使えるのなら飛行機を使いたい。


 空港で確認すると水曜の夜なら間違いなくあいているのでそこを予約。


 狩生武の時とは違い、坂土素子のいる場所に見当はついてある。


 急ぐことは無い。それまでこの豊穣町を懐かしむことにする。




 中学校へぶらりと。


 校長先生に会った。


「江頭先生ですよね」

「………………………………」


 硬直。


「お体の具合はどうですか? 」

「すこぶる良好だよ……」


 ぷるぷると震えている。


 トイレでも我慢しているのだろうか。


「君は関西の方に行ったんじゃ……」

「ちょっと私用があってここに来ちゃいました。もしよろしければ入ってもよろしいですか? 」

「そ……そんな面白いものないと思うけどねえ」

「面白いかどうかを確かめたいんじゃないんで。ダメならいいですよ」


 好青年の笑顔を向ければきっとOKしてくれるだろう読み笑顔。


「わ、わかった。分かったから――助けて」


 相変わらず何故か恐れられている俺。


 中学校は二年前と変わらない。


 この壁は素子ちゃんと稟の三人で綺麗にしたんだっけ。


 懐かしい。


 下駄箱は新しいのに入れ替えられており懐かしむ要因は無かった。


 俺がいたころはボロボロで、なぜ変えなかったと不平不満を言っていたが、変わったところを見ると哀愁がおきる。


 続いて教室、ここは変わっていない。


 記憶通りの教室だった。


 最後列右に素子ちゃんがいて、その前に俺、俺の隣に稟が低位置。


「はあ」


 嫌だな……殺したくないな。


 思い出すあの日々。


 たくさん嫌なことはあったけど、その分楽しいこともあった。


 これから俺は自分で壊し消さないといけない。


 今はまだ大丈夫だ。なんとかぎりぎり。


 ただその時になったら自分を保てるだろうか。






 母校探索を終え、そのまま町を徘徊。


 いろいろと知っているひとばかり。


 ただ話しかけても無視される。


 なかには石を投げてくる人がいたので制裁をしないといけなかったのが辛い。


 コロッケ屋のおばちゃんは俺にコロッケを売ってくれなかった。


 俺も死んでいるんじゃないかと思ったが、攻撃されたのを思い出し違うのは確かだ。


 ではなんで無視されるのか、俺にはさっぱりわからなかった。


 朝昼晩の飯はコンビニで買った。


 懐かしめないのがとっても残念。


 銭湯にいき再び公園で就寝。


 しかし、なかなか眠れなかった。


 寝付けなかったというわけではなく多くの人が俺を襲ってくるのだ。


 石を投げるは当り前、鉈や鎌で襲ってくる人もいた。


 だからあんまり眠れなかった。




 そして朝を迎える。


 今日俺は元カノを殺すわけだ。


 いろいろと準備を済ませ、素子ちゃんがいるだろう場所へ。


 案の定彼女はいた。


 三年前と変わらない姿で。


「久しぶり素子ちゃん。変わってないね」

「……あんたもね」


 変わってないというのは撤回する。


 昔はもっと活発だった。


「何しに来たの? 」

「聞く? 」


 彼女に嘘は通じない。


「殺しに来たんでしょ」

「その通りだ。大人しく殺されてほしいんだが」

「……いや。消えたくない」


 そうなるよな。


 仕方ない。


 俺の答えは既に決めているんだ。


「坂土素子、悪いが俺の為に消えてくれ」



 短めですが許してください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ