人類の人類による人類のための会議1
『黒白の悪魔 乱心⁉』
『飢饉、差別、戦争、すべて黒白の悪魔が原因と科学的に判明』
『人口が40億人に。人類の半数があいつによって処理』
・帝 黒白の悪魔は「人類の癌」と発言
・黒白の悪魔討伐 日本以外の全世界同意
・黒白の悪魔処刑デモ 一日で40件
22 名無しの能力者
下衆野郎 とっとしね
23 名無しの能力者
ワイらの生活を返せ
25名無しの能力者
コラ画像つくったったw
xxxxxx.jpg
26名無しの能力者
>>26
臭そうだし見るからに不快
26名無しの能力者
現実になればいいのに
「何で生きてんだ」
「もう生理的に無理」
「最低のクズ男」
○○の狂乱から2週間が経過した。
もうあいつには話し合いは通じない、世界中の人間があいつの滅びを望んでいる。
あいつさえいなければこの世は平和になる、苦痛はなくなる。
それがどうしようもないほどの事実だということを、おれたちは気づいた。
誰一人としてあいつに好意を持つ人はいない。
敵意と悪意を持っている。
そしてこの場はあれをいかに討伐するかの会議だった。
「諸君、このような世の中、集まっていただいたことまことに感謝する」
まずは帝王の発言からだった。
このような場での音頭はとりなれているようだ。
「今回集まってもらったのは、黒白の悪魔を討伐するための戦略会議だ」
おれたちの総意としてあいつには消えてもらう。
これが人類の意思。
「お互い顔は知っているだろうが、知らぬ顔もいるだろう。ここで一度能力の含めた自己紹介をすることを提案するが、意義のあるものはいないか」
場には十人ほどの人間が座っているが、誰も手を上げない。
「反対意見の無いようなら王から……といいたいところだが、ランキングが上の者からするべきだと愚考するが……問題ないか、魔女よ」
「……ええ」
19年1位だった帝王は、遂にその座を明け渡した。
「宝瀬真百合、宝瀬グループ会長代理。異名は群青の魔女。ギフトは反辿世界、『世界』を変える能力だけど、所詮『世界』だから詳しい説明は省くわ。シンボルは私と彼の恋、簡潔に表すなら、好きなものになれ、好きなものにする能力。例えばどんな攻撃でも耐えうる体をもつことができるし、いろいろなギフトを持つことだってできる。ただしできるのは私が興味を持っているもの限定だから、あなた達には使えない」
一切のごまかしをする必要がなくなった先輩が最強。
「順位として次は王だが、同じ所属から回すのがよいだろう」
ならばおれの番。
「時雨驟雨です。博優学園2年で宝瀬と契約してます。異名は雷光の狩人。ギフトは雷撃系でシンボルは混沌回路。能力は性質の付与っす。例えば雷撃に必中や必殺の性質を加えることで攻撃力を強化できます」
殺傷力なら随一だと思うし、なんならあいつにも届くと確信している。
「衣川早苗だ。衣川組組長。異名は鮮血の聖女なんて言われているが、実感はない。ギフトは身体能力と回復能力の向上で、シンボルは速攻悪鬼政宗。有する能力は必中。殴ろうとしたものを目の前に出現させてそのまま殴る。以上だ」
「ちょっといいかい。時雨君の必中の下位互換になるのか?」
「いえ。それは違う。おれのは追尾する形での必中で、衣川のはその場に出現させるタイプの必中」
おれが衣川と同じことをしようとしても無理だとは伝えておく。
外道三輪が終われば、続いて帝国の番だ。
これまではおれが知っている情報だったのでほとんど軽くしか聞いていなかったが、帝国の人たちの能力は具体的にどんな能力なのかを知らないので気を付けて聞く。
「王領君子。異名は紅蓮の帝王。ギフトは百生一生。100回死ぬことができ一度死んだ攻撃に耐性を持つ。シンボルは絶対帝王制。法の制定。誰かをもしくは全体に対して何かを出来なくさせる」
まさしく王の能力。
能力を使えないように禁ずることができるわけか。
19年も1位だったことも頷ける。
「祟目崇。四天王筆頭。モノクロの貴公子。女帝の唐衣裳。他人の力を纏える。纏った力は100%で使える。そして特性としてどのような攻撃でもキャンセルできる」
反則をこえた反則だろ。
理論値最強じゃねえか。
「いろいろできることは多いが、能力の仕様上明確な弱点がある。まず纏える最大枚数は12枚。この数は絶対に越えられない」
想定より強いじゃねえか。
まあ、12なんて言う有限の値を使わないといけないのは明確な弱点なのか。
「シンボルは干渉できないという都合、帝王様や日本の外道達の能力は使えない。どのような攻撃もキャンセルできるが、キャンセルと同時に一枚脱ぐ必要がある。それはLIFO。最後に纏った能力から破れていく」
ああ。なるほど。
連撃がかなりつらいわけか。
そうなると12連撃以上の攻撃を受けてしまうと一気に無能力なるわけで、一長一短か。
「叢雲天狗だっ。四天王の一人。異名は魔術師 ギフトは花魁魔術師 能力は数式の変更だっ」
す、数式?
この見た目で? ジャンパーを肩で羽織るような陽の見た目で?
「例えば速度の公式v=v0+atの公式を自由に弄ってv=v0+a^100tとかにすることも可能だっ。基本数式はほかの数式とつながっているが、あくまで変更するのはその数式のみ。あと切り札が1つあるが、この場で発言する意味はない」
その見た目で随分と面倒で理的なギフトを持っている。
「あとこの見た目なのはっわざとだ! 性格から能力が一致しないようにこういう風な口調にしたっ」
完全に虚を突かれたし、その作戦は成功していたといっていい。
「九曜白夜。自分も四天王の一人です。能力は九一一一 つもりの能力。そうしたつもりでやったことがそうなります。例えば傘を何でも斬れる剣というつもりで振るったら、そういう風に物を斬ることができます」
こいつは以前あったことあるから特に改めて思うことはない。
目つきが少し鋭くなったんじゃねえかってくらいか。
「では次はぼくから行きましょう。天堂御々。SCO局長 銀鼠の裁判長」
この人は面会しただけで詳しい話はした記憶がない。
「唾と蜜、罪を裁く能力。法を犯した相手に罪を裁かせることができる。例えば人殺しは懲役から死刑までを執行できる」
「懲役って」
「簡単に言うと四肢の支配を奪って自由に動かせる。禁固刑だったらその場で硬直、罰金刑なら能力の押収」
対人特化というのも頷ける。
生きている限り何らかの罪が生じるだろうし、それをノータイムかつ発動までを保証しているなら十分に戦力になる。
「あと立場上、犯罪者を自由に動かせる」
白仮面のトップということもありここにいない戦力を自由に使うことができるというのも強みだ。
「嘉神育美。純白の死神。天堂君の部下で、能力は能力の無力化。ここでいう能力は異能力以外にもスキルや物理的な力も含んでいる」
そしておそらくこの場で最も強く、そして最も立場のない人の発言。
当然といえる、なぜならあいつの母親と父親だ。
「嘉神一芽。漆黒の番人。能力はキスをした相手の能力を奪う。保有している能力は50種あるが、実質あいつに使えるのは20種程度だ。それとシンボルは封印する能力がある。オレはこれであいつの能力を封じていたが、今はもうほとんど解放されていると考えてほしい」
これで紹介は終わり。
今いる人間で、あいつを討伐する。
それが人類の宿願で、悲願で、願いだから。




