表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
8章 人という名の
213/353

空っぽの記憶 3

人ってなかなか反省しないんですね


書いていてそう思いました



 場合によっては母親だろうが容赦はしない。そんな状況だったのだが


「お互い少し時間をおいて話し合うべきだと思いません。少し嘉神さんを借りますがよろしいですね?」


 と、月夜さんの一声により


「……そうだね。あたしもちょっと落ち着く時間が欲しいから、うん。ありがとう」


 いったんはお開きになる。


「その前に、記憶力並び私達の能力を返しなさい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・分かったよ。今日は厄日だね」


 と、こういったことがありなんとか一戦を交えずにすんだ。


 そこからシュウがアンリちゃんを担ぎ、みんなで玄関を出る。


 それと同時に、俺はなくしていた記憶を思い出した。


 数々の死線。数多の出会い、幾何の悪人。


 どれもこれも俺を構成してきたもの。


 なんとか無事取り返すことは出来た。


「その、悪いな。こんなことに巻き込んでしまって」


 ただ家族喧嘩に巻き込んでしまったことは本当に申し訳ないと思っている。


 場合によっては土下座も辞さない、そんなつもりだった。


「大丈夫よ。私達は持ちつ持たれつの仲間同士。気にしないで」

「うむ、珍しく真百合がいいことを言ったぞ」


 と温かい言葉を送ってくれて、なんとか救われた気になる。


「ところで記憶はどう? いろいろ思い出した?」

「ああ。無事使えるギフトもくぐってきた修羅場も全部思い出せた」

「そ、その、だったらあれか? どんなことをしていたのかも……」


 早苗はむっつりだなあ。


「早苗のエッチスケベ。ただ幸運なことにそこら辺の記憶はないままなんだがな。なくしたままだ」

「あれ? だったらなぜ最初から無くしたままにしなかったのだ?」

「慌ててうまく制御が出来なかったんでしょう」


 俺も他意はない。


「ホッとしているところ悪いんですが、説教しますね」

「説教? 俺の行動にどこか悪かった点があったか?」

「待て幸。言いたいことはいろいろあるだろうが、こういった話はデリケートなものだから優しく、そしてそれとなくだな」


 早苗は俺を庇って窘めるが


「別に嘉神さんがかまととぶって、ぎゃーぎゃー文句言っていることをやり玉にするつもりはありません」

「え? 違うのか」


 そりゃそうだろ。その点はどの視点でも俺は無罪だ。


「嘉神さん。あのままわたしが止めなければ、自分の母親をどうするつもりでしたか?」

「そりゃ……ねえ。どうするって、成り行きで怪我させるか場合によっちゃどの口も開けない身体にするつもりだったが?」


 相変わらず優しい仕置きだなと、自分の身内の甘さに感銘を受けた。


「出来んのか?」

「……多分」

「言っておきますけど、嘉神育美さんは現状わたし達5人が束で挑んでも勝てませんからね」

「えー。真百合は事実上勝ってたじゃん。もう忘れたの?」


 フルボッコだったぞ。


「勝ってたのは知能だけです。むしろ最後あのままわたしが止めなければ戦闘になってました。大チョンボです」

「そうね。今にして思えば私もやらかしが酷いわ。でも求められたら答えたくなるのが女の心情だから後悔はしてないわよ」

「あなたのそのどうでもいい信念は聞いてません」


 で結局何が言いたいんだ?


「嘉神さん。わたし達が一番警戒しないといけないことは何だと思ってます?」

「仲間割れ」

「……まあそうかもしれませんが、もっと根本的なものです」


 根本的?


「記憶が戻った今ならば、いいえ、戻らなくてもわかっているでしょ? 何が一番危険なのか」


 この世で最も危ういもの


「神薙信一……」

「そうです。あの化け物が介入する可能性があったんですよ?」

「はあ?」

「そもそもあれが介入するには条件があったはずです」


 振り返ってみると、最初に介入したのは俺と月夜さんの一件


「『物語』同士の戦闘は介入する……あっ」


 ここにきてようやく俺は自分の失態を把握した。


「嘉神育美に勝つか負けるか。どうだっていいんです。戦うような事態になればそれすなわち両成敗」


 俺は誰が相手だろうが死んでも食らいつくつもりである。

 例外として、あいつ以外は。


 その例外を引き寄せてしまう可能性があの時はあった。


「更に言うと内容が下関係ですので向こうの立場につくかもしれません」


 そうなればどうあがいても完敗。


「嘉神さん。確かにあなたは強いです。人類にはあと2人ほど嘉神さんより上かもしれない人が存在するかもしれませんが、それでもわたしはあなたが最強だと信じています」


 最幸からの心強い言葉だが、


「ですけどね。最強程度では災厄には勝てません」


 無敵だろうがチートだろうが、奴はその理の先を行く。


「善か悪か、上か下か、優か劣か、美か醜か。どれも重要です。しかしそれでもなお、ただこの一点に比べればどうでもいいことです」


 言葉の続きは自分で言おう。

 それが俺の責任だ。


「神薙信一が関わるか否か」


 もしもあれが関われば、すべてが台無しにおじゃんになってしまう。

 何よりも避けないといけない状況。


「親子喧嘩の顛末なんてどうだっていい。ただ嘉神さんと育美さんの衝突だけは絶対に避けないといけないことでした。それを避けなかったことに文句を言っているんです」

「はいそうです。すみませんでした」


 全面的に非はこちらにあります。


「許します。皆さんもいいですね」

「うむ。許す」

「おうよ。おれはそもそも気にしてねえし、師匠はおっかねえし関わりたくねえが話が分かんねえとは思ってないから仮に介入しても問題ねえと思ってるから」


 みんな優しいな。

 やっぱり家族の絆なんてどうでもいい。


 ただ俺には仲間との絆さえあれば生きていける。


 そう確信した。






*********************


 嘉神家のリビングには4人の男女がいた。


 うち2人はその一家の主と妻でありその場にいることは不思議ではない。


 だが大黒柱としての威厳もそれを支える伴侶としての献身も、この場では見ることは出来ないだろう。


「嘉神一樹がかまととぶって両親の性交を非難した。それは確かに嘘偽りのないことだろうぜ」


 恐らく人間社会の中で最も秀でているであろう妻と闇社会で活躍した夫は、とある男の前で正座をしていた。


「意図的に言わなかったことも問題ない。そうであることが最も平和的に事態を収拾できるからだ」


 その男の名はもはや言うまでもない。


「嘉神一樹性交目撃事件はこれでお開きに……は出来ない。その理由を嘉神育美、お前は知っているはずだ」


 嘉神育美は答えられない。


 すでに正気を放り投げ、半ば意識を失いかけている。


「ちょっとあんた。聞いてもないのに話してもむなしいだけじゃない?」


 ここにきてレディースのような姿をした女が口を開いた。


「あとで思い出させるから今聞こうが聞くまいが問題ないぜ。それより頼むぜ。割と今は血を見たくなる気分なんだ」

「抑えりゃいいんだろ。まったく、最弱のうちにそんなこと任せんなって」

「嫌か?」

「別に……嫌じゃ、ないけどさ」


 この場の空気にはそぐわない男女の囁きが重苦しいこの場の空気を、なぜかしらより一層重くしている。


「今回の事故、宝瀬真百合の推理通りだ。1、嘉神一樹がうっかり両親のまぐわう姿を目撃してしまった。2、それを誹謗中傷した結果、3、突発的に記憶力をなくし、4、記憶をなくした嘉神一樹が誕生した」


 神薙信一は既にこの世の真実を知っている。

 知っているからこそ、阿呆を演じている。


「俺が言うべきことではないかもしれないが、男女の関係は多くの場合で繊細なことだ。今回の場合そっちに問題がないとは言い切れないが、かといって責任があるといえばそれもまた言えない」


 客観的に半々でどちらともを非難する。


「だが勿論、それは1234の間に何もなく、またそれが完全な真実であった場合だ」


 男と女は俯いたまま顔を上げない。


 神薙信一の顔を見る勇気が微塵もわいてこないから。


「宝瀬真百合は天才らしからぬミスがある。否、天才だからこそのミスをした」


 神薙信一は椅子にもたれ掛かり見下しながら告げる。


「嘉神一樹は直接的な性に嫌悪感を示している。それを宝瀬真百合は十分に知っている」


 絶対に受け入れられないからこそ、変化球を日常的に使っている。


「だから1と2が繋がっていても不思議には思わない。むしろ嘉神一樹の行動にしては比較的温厚だろうと思っているだろうぜ」

「それで、どこが真実と違うん」


 彼女は真っ当な人間のため、恐らくこれだけの条件ならば気づくことは出来ないうえ


「いきなり真実を言ったところで、桜。お前は信じない」

「は? うちがあんたを信じないなんてあるわけないやん?」

「信じるより先にあっけに取られる」

「? まあいいよ。あんたが話したいならうちは聞いちゃる」

「さすがは桜。話が分かる」


 この一件無駄な会話は、実はとても重要なものである。


 今神薙信一の機嫌はすこぶる悪い。


 その機嫌の悪さだけで、人を殺めてしまうこともありえてしまうからだ。


 結果的に生き返すことでトントンにしてしまえるが、だからと言って人が死ぬような事態を引き起こすのを放置するのは、やはりよろしくない。


「嘉神一樹は記憶を失っていた」

「うん。それで」

「じゃあ、支倉・リンクイナ・アンビはどうだった?」

「その子って、おかっぱのあの子だよね?」

「そう。過去を振り返るギフトを貸してやるから、振り返ってみな」


 ほんの数秒の沈黙。そして


「簀巻きに気を失っている。それの何が問題なん?」

「記憶を無くしたままにしておくのと、気を失わせたままにしておくのは、どっちが悪意に満ちていると思う?」

「それは……ぅん?」


 例えば記憶を無くしても行動する権利は残っている。

 逆に気を失うことになれば、それが長ければ長くなるほど死ぬのと同義


「おかしくない? なんで同じ状態じゃないん? せめて逆じゃないと制圧できないじゃん」

「おかしいならばとるべき行動は2つだ。計算が違うか、条件が違うか。どちらか、もしくはその両方を改めろ」

「待ち。うちはこれでも生前は教師を志した身や。考えさせい」

「1分以内に答えられなかったら、今日の夜は3穴な」


 笑顔が凍り付く。


「と思ったがやっぱ聞く。条件呑む前のギブアップやからノーカンやな」

「ったく、しゃーないから2穴で許してやろう。で、恐らく桜は嘉神アンリが嘉神一樹と一緒に若しくは後に目撃したと思っているだろ?」

「つうことは違うんか。一緒でも後でもないってことは前か」

「はい引っかかった~! 帰ったら罰ゲームだぜ」

「は? 罰ゲームはこの際いいけど、何が違うん?」


 前でも同時でも後でもなければ、何なのか。


「違うのは目撃のほうだ。目撃なんてもんじゃなく、凝視していた」

「あの子以外にむっつりさんやな」

「あほか桜。誰が仇の親の交じりを見たがるよ」


 デコピンを1つ。


「凝視はした。だが嘉神アンリは見たくはなかった。この二つを結びつけば何になる?」

「うんぅと……待ってや。ほんまに待ってや。今うちが思っていることはシャレにならん。というか間違いであってほしい」

「そうだな。ここにきて間違えてたら3穴どころか8穴までやってやる」

「違うのならもうそれでええよ」


 ただ残念なことに、こういうところでは絶対に外さない。


「見せてたんか。それも無理やり」


 この桜という女はここにきている理由を理解した。


 今この状況はいつも通り嫌味を言う場所ではない。


 祖先として末代の恥を正さねばならんと。


「補足しておくと中学生というのはBBAではなくロリータ。ロリコンである嘉神一芽のストライクゾーンだ」

「まさか混ぜたんか?」

「さすがにそこまでする度胸はこいつらに無い。M欲求を満たすために罵ってもらう要因と、S欲求を満たすために嫌がる人形を同時に用意したかっただけだ」


 嘉神一芽と嘉神育美は悪人ではない。

 どちらかといえば善よりの人間であり、正しき事を行う能力はある。


 ただそれ以上に


「人間の屑が。この野郎」


 クズなのだ。


 どうしようもなくクズなのだ。


「俺が最初に言った天才だからこそのミスとはこういうことだ。俺も一度見誤った・・・・ことがあるから誇らしく言えないが、こいつらはこちらの予想を遥か斜め下を行く奇才」


 天才の上を行く、正真正銘の奇跡のような連中である。


「トイレにいた理由は隠していたわけではなく、自分で逃げ込んだ。悲しいから嘉神アンリは支倉の関係で外に出ることができない。逃げても無駄だと分かっているがそれでも少しでも遠くに離れたかった」

「簀巻きにされていたのに逃げれたん?」

「おいおい。一応超悦者スタイリストだぜ。ぐるぐる巻きにされようが飴になろうが好きなように動けるさ」


 今日の夜、真に起きた事実は以下の通りである。


「1、余興として嘉神アンリを巻き込みプロレスごっこをする。

2、逃げたところを行動力を無力化して妨害する

3、それを嘉神一樹が不審がる

4、親のプロレスを目撃し激怒する

5、嘉神一樹の記憶力を無くす」


 宝瀬真百合ですら読み切れなかったこの親の行動。


「恥を知れ! この馬鹿!」


 神薙桜は自分の子孫でもある嘉神育美の頬を引っ叩こうとする。


 しかしそれを止めるのはこの4者面談を作り出した張本人、神薙信一



「ここまで長い前置きだ。俺が今叱るつもりでいるのはそんなことではない」

「そっ、そんなこと?」

「大体俺がこういった下に関してとやかく言うわけないだろ。眠りすぎて呆けたか?」


 神薙信一にとってこの一件はまだ黙認できる。


 身寄りがない少女を、住まわせてやっているんだから自分たちも好きにしていいと思い込み、2人の不浄なものを見せつけ、弄ぶ。


 たとえそれが親友の孫であろうとも、彼にとっては許容の範囲内。


 ただ唯一。たった一つ。


「俺が今一番頭にきているのは、記憶を失うとき、階段から突き落としたことだ」


 たとえ何億の人間を不幸にしようが


「嘉神育美、お前は確か知っていたはずだよな。俺が何を許さないのか」


 人に対しては仏の顔をする神薙信一が、絶対に許容しないもの




「手前の餓鬼を大切にしない奴は許せないって、知っていたよな」




 そんな当たり前のことであった。


「   」

「返事をしろ。死 に た い の か 」

「はっぁ ぁい。しってました」


 純粋な死を前にしてようやく嘉神育美の意識が皮肉にも覚醒する。


「そうか。ならば質問を変えよう。知っていたうえでなぜ出来る。その場を収めるために記憶を無くした嘉神一樹を、二階から投げ飛ばすようなことをなぜ出来る」


よほどたぎっていたのか。

みなぎりが自分を抑えるのをやめさせたか。


「なぜそんな情がないことが出来る」


 身長差80㎝以上ある神薙が、嘉神育美の顔を鷲掴みそして自分の顔の高さまで持ち上げた。


「答えろよ。答えてみろよ」


 口を開けないようにしているため、初めから申し開きを求めてはいなかった。


 ただ誰かに止めてもらうための愚行である。


「そんなおっかない顔してたらだーれも答えることなんかできへんやろ。撫でちゃるから落ち着き」


 こういう時のための女が、己の責務を全うした。


「すごく落ち着いた。とはいえ無かったことにするつもりはないぜ。どっちでもいいから申し開きくらいは言ってみたらどうだ」


 しかしながら両者は答えることが出来ない。


 実際問題、完膚なきまでに自分たちの非が十割以上を占めているからだ。


「俺はお前達に反省する脳味噌が頭蓋骨に入っているなんて期待はしちゃいない」


 しかしそれでも怒りはすれど、罵りはすれど、勘当はすれど。


「1つ任務を与える。それでお開きにする」


 やはり甘い。


「冷静になって考えてみると、俺にも責任がなかったとは言えない」


 享受することに責任があるのなら、この男にはありとあらゆる責任が付いて回る。


「第一に嘉神育美、お前俺のことが怖いだろ」

「…………はい」


 それはもう死ぬほど、と言いたかったがそこまで言い切る気力は残っていない。


「俺が己の子を大切にしないと怒るのを知っているからこそ、自分の子を接する時に俺の顔が浮かんで恐怖してしまう。そのせいで不純な思いを常に抱えさせてしまっていた」


 ここでそんなことない。自分は子を大切に思っている。

 そう言えるのなら、何もなかったことでお開きにはできただろう。


 しかし残念なことに嘉神育美はそんなこと思いすらしなかった。


 子を守るために頭を下げたのではない。

 子を守らなければ堪忍袋に触れることを知っていたから、いつだって頭を下げていた。


「第二に10年前の一件で反省していると甘えた考えをしていた。お前たちの本質を知っていながら放置した」


 10年前もそうだった。


 あの時も、否、あの時は今以上に、神薙信一はブチ切れていた。


 それから嘉神育美は飄々としながらも、本能として神薙信一を恐怖してしまっていた。


「第三に上であるお前達が背負えない責任を俺が背負ってはいなかった」


 血筋としては来孫の嘉神一芽と育美の責任を、己が代わりに果たしても致し方ないことだろう。


「どうしようもない人間に育ってしまった以上、子のためにせめて温かい親という幻想だけを残して始末するべきだった」


 そうすればよかった。

 父は威厳を残し、母は小さき身体でも赤子を生み育てた。


 嘉神一樹は少し苦労が増えるだろうが、両親からの気苦労を考えて差し引けばむしろ楽になる。


 そもそも嘉神一樹が正義に狂ったのも結局はこの親どもに5割の責任があるのだから、そんな親の元で育てさせようとするなんていう考えすら本来なら誤りであろう。


「今からでも遅くはない。俺はそう思っている」


 それが何よりの社会貢献になってしまうのが悲しいことだ。


「それでもお前たちは人間だ。人が人を殺すなどあってはならない」


 誰よりも生物を殺した男は、それでもやはり人の死は忌み嫌う。


 どれだけ嫌っても、殺意が沸こうとも、仇の血を引いていても、人を殺す選択だけは絶対にしない。


「始末してほしい輩がいる。そいつらをこの世から消し去れ。そうすればこの件はお開きにしよう」


 自分でできることをあえて不出来で不細工な子孫に任せ責任を取らせる。


 両者は声一つ出さないが、断ることはしない。


「三度目はないぞ」


 神薙信一は10年前に「二度目はない」といっていた。




 つまりはそういうことであった。







自分で決めたことがあります


この作品が終わるまで、2か月以内で更新が無ければ

『チート戦線、異常あり。』 異能力紹介及びその対策

で用意していた能力のネタバレをします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ