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121/126

121、旦那ちゃんと嫁ちゃんの誰がトイレの蓋を開けたままにしたのか~推理(文芸)~

 確信犯(笑)。


「きゃああああああっ!」

 乙女のつんざく・・・コホン・・・いや、嫁ちゃんの絶叫が部屋中に響いた。

「旦那ちゃん!」

 嫁ちゃんが、旦那ちゃんを睨んで怒りを露わにしている。

「どうしたの?」

「どうしたもこうしたもないわよ!あーたー、便所の蓋開けたまんまにしていたでしょう。危うく便器に尻餅つくところだったじゃないっ!」

「あーた?そんなバナナ。俺って証拠がどこにあるの」

 旦那ちゃんはシラを切った。

「旦那ちゃんが、蓋を開けて立ちションするでしょ」

「ノンノン、嫁ちゃんがオシッコ散らばるから駄目、座りション厳守と言われてから私してませーん」

「旦那ちゃんしかいないでしょ」

「立ちションしてないもーん」

 旦那ちゃんは幼児化して、嫁ちゃんの追求を受け流す。

「寝ぼけてとか・・・やってない?」

(はう・・・身に覚えがある・・・明け方、もよおして・・・やったような・・・だが、しかし、威勢をきって言った手前、認める訳にはいかんのだよ)

「いや~俺じゃないと思うなあ」

「じゃあ、誰がするのよ」

「嫁ちゃんが、夜中に夢で前世男だった記憶を思いだしてやっちゃったとか」

「んなことあるか・・・ん・・・くんくん匂いますな」

 風向きが変わる。

「なにが?」

「ズバリ犯人はやはり旦那ちゃん、あなただ」

「なにを根拠に・・・」

「あなたのそのキレの悪いお〇んちん・・・おパンツに匂いがついてますよ」

 ドキリ。

「そして便所の床に落ちた黄金の雫・・・匂いが完全一致します」

「なな、アッチョンブリケっ!」

 明らかに動揺が隠せない旦那ちゃん。

「めしとったり!」

 嫁ちゃんの右手が唸りをあげ、旦那ちゃんのゴールデンボールを握りしめた。

「ごめんなさーい!」

 ちゃん、ちゃん。



 たまにあるような・・・。

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