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【第27話】テレポート

「界王なんかがなぜここに!?」


 海龍が心底驚いたような大声で問う。

 だが、これが当然の反応だろう。三大界王というのは、竜の中でもトップ3と言われている者達の総称。竜の中の竜とも言われる存在だ。

 そのような存在が、わざわざ下界に来ているのも驚くべきことだ。しかしそれよりも海龍には驚かずにはいられないことがあった。


 ──アデスは、もう既に……。

 ──いやその情報自体が嘘ということか。


「俺がここにいることが、そんな変か? んー、ファンロン様の家臣としてはけっこう有名な部類だと思ってたんだけどな。それとも、天空界が消えたことを知らないのか?」


 なぜ三大界王たるものが竜王の下についているかというと、三大界王にも序列がある。竜王と呼ばれる天界王ファンロンをトップに、魔空界王(黒龍)天空界王アデスと続く。

 加えて、アデスが君臨する天空界というものは消滅している。


「……そのくらいの常識は知っておる。だがまさか……九死に一生でも得たか? まぁそんなことはどうでも良いか。死に損ないの界王なら私にも勝機がありそうだしな」


 海龍の目が赤黒く光る。

 が、アデスは表情一つ変えない。


「おいおい。てめぇの相手は俺じゃなくて──」


 アデスがそこまで言ったところで海龍は気がつく。結月と呼ばれる少女のもとで気絶していた少年が消えていることに……。


「──てめぇの後ろにいる契約者だろうが」


 う、しろ?

 そんなはずはない。確かにアデスが姿を現したことに驚き、朝霧から注意を逸らしていたが、背後に回られるほど無警戒ではなかった。

 だが、そんな海龍の考えを打ち消すかのように背中に痛みが走る。同時にビリビリという音が聞こえた。

 なんの変哲もない電撃であった。


「──っ!!」


 いきなりのできごとに女は水柱から足を滑らせ、海に落下する。少し大きめの水柱がぼしゃんという音と同時に上がった。

 なぜ、背後に回られた!?

 なぜ、あそこまで早く的確に攻撃ができる!?

 なによりもなぜ、気絶していない!?

 そんな考えが海に落ちた海龍の頭のなかで巡る。もはや痛みなど感じない。


 そしてまた上空でも。痛みなど忘れ、目には強い敵意を宿らせ浮かんでいる少年がいた。

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