教皇の凶行
――ウオオォォォ―ッ!
天高く掲げられた銃器が日の光を反射する。
――オオオォォォーッ!!
少年の咆哮が周囲に感染していく。
<狂皇>が<精神操作>。<狂信者>の<精神汚染>の上位互換ともいえる固有スキルである。
<精神汚染>では術者が手ずから対象を精神をいじくらなければならないのだが、このスキルであればそんな手間は必要ない。
一人、たった一人でいい。集団の中のひとりの汚染に成功したなら後は同じ思考、目的を持つ誰かの精神にも訴えかけるのだ。
この場合はカルマの街の住人が対象となる。彼らは虐げられてきた、奪い、犯され、殺され続けてきた。
その脳裏には常に<復讐>の一語があった。
だからタクムは肯定する。
タクムは全てを肯定する。
略奪を、殺人を、復讐を、常人が忌避する、その全てを肯定する。彼等が人であろうとする感情の隙間にするすると張り込み、人が人足りえる最低限の倫理観をも否定する。
何故なら彼自身がそうやって身を切るような喪失感を残虐で埋めているからだ。
――アイ、待っていてくれ。
「はいはい、並んで並んで」
「十分に数は確保してありますから、皆さん冷静になってください」
武器弾薬を満載したピックアップトラックに殺到する群衆。
その瞳は血走っている。額には血管が浮き、口端からは泡が浮いていた。
――もうすぐ、迎えに行くから。
以下、どうでもいい裏話
タ「みなさんに言いたいことはひとつです」
ラ「キャー、スローにゃん! かっこいい!」
タ「奪われたら奪い返す。
犯されたら犯し返す。
殺られたら殺り返す。
――――ばいが」
ラ「それ以上はらめえぇぇぇー!!」




