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鋼鉄のアイ  作者: 大紀直家@パブロン
スキルアップ
11/90

本日の成果

 パシュンとガスの抜けるような音が耳元を通り過ぎる。


 緑色の肌をした生体兵器が300メートルの向こうで倒れる。リザードッグだ。


『ないっしゅー』

「おう、さんきゅーな」

 観測手スポッターたるアイが言い、タクムが応じた。その声に先ほどの暗さはない。喉元過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもので、一度、重たいナニカを飲み下したら随分と楽になった。


 その後は、続々と現れる生体兵器を一体一体、丁寧に仕留めていく作業となった。


 狩りは順調の一言に尽きた。


 死骸を回収せず、放置するというアイのアドバイスに従ったのが功を奏したといったところか。


 アイ曰く、最初に倒したのがスカトロベンジャーだったのが大きいとのこと。このウンコ上の生物が美味であることは知られているが、生体兵器の中でも周知の事実であるらしく、その匂いに誘われたリザードッグやその亜種であるホットドッグ(生体燃料による火炎放射攻撃をしてくるらしい)などの小型生体兵器が次々に姿を見せるようになったのだ。


 仕留めた獲物をまた放置→血の臭いが更に濃くなる→新たな生体兵器が誘い込まれる→狙撃で仕留める。

 そんなサイクルを一時間繰り返しただけで、9体もの小型生体兵器を仕留めることに成功した。


『じゃあ、マスター、そろそろ帰ろうか?』

 アイの言葉に従い、隠蔽を解除。岩場を走って戦車に近づく。


 隠蔽用の迷彩シートを外すと、ちんまい戦車がのそのそと穴から這い出てくる。


 タクムは戦車の砲等まで登ると、手早くハッチを空けて中に乗り込んだ。


「ふ、うぅ……ッ」

 嗚咽。タクムは胃が逆流するような感覚を必死に飲み込む。たったそれだけのことが、わずか一時間にタクムが感じたストレスの膨大さを物語っていた。


 一時間に8体とはいっても、一定感覚で敵が来たわけではない。血の臭いに応じて後半に行くに従って、出現頻度は高まっていったからだ。


 ラストは小規模ながらもリザードッグの群れであり、こちらの存在に気付かれないうちに3体もの敵を始末する必要があったのだ。

 隠蔽はアイが太鼓判を押すぐらいに完璧だし、サイレンサーのおかげで銃撃音が届くことはない。よしんば聞こえたとしても正確な位置を割り出すのは不可能であっただろう。


 それでも位置を特定されるかもしれない、反撃を受けるかも知れないという恐怖心からミスを連発し、十数発の銃弾を無駄にすることになったのは苦い思い出だ。


 ブローニングM2で使われる12.7ミリ×99ミリ弾であれば、どこかに一発でも当てれば戦闘不能に追い込むことが出来たが、破壊力に劣る.30-06スプリングフィールド弾――7.62ミリ×63ミリ――では、頭部などの急所に直撃させなければ死に至らしめることが出来ない。


 ちなみに12.7ミリ×99ミリ弾は発射された際に発生する運動エネルギーが18000ジュールを超えるのに対し、.30-06スプリングフィールド弾では3800ジュール程度しか発生しない。四分の一もないのである。

 まあ、攻撃力は、弾丸の重さや形状、材質、着弾時の速度など様々な要因が関わってくるため単純にマンストッピングパワーが4分の1しかないとは言い切れないものの、対物ライフルなどにも使用される銃弾とは比べるべくもない。


 そういった安心感の違いもミスを誘発する原因になったのは紛れもない事実であろう。


 ――もしも、直前に弾装を変えてなかったら……。


 狙撃中に弾切れを起こし、パニックに陥っていたかもしれない。


 そんな未来が容易に想像できてしまい、タクムの背中からべっとりとした嫌な汗が吹き出す。


 小型生体兵器程度に12.7ミリを使うことは明らかなオーバーキルである。しかしタクムは上等じゃないかと思ってしまう。確実に、安全に、お手軽に敵を殲滅出来るならそれを実行しない理由はない。


 重機関銃やロケットランチャーに人気が偏るのも頷ける。あの圧倒的な威力、暴虐なまでの安心感を覚えたら元には戻れないだろう。


 ハッチを空ける。車体の背部ではワイヤーアームによる、回収作業が行われていた。回収といっても、マイクロ戦車の後ろには自走する貸しコンテナが繋がっており、そこに死体をぶち込んでいくだけだ。

 小型の中でも更に小さなリザードッグでも体重250キロを超える。人間の手では持ち運ぶは出来ない。


 視線を前へ。下手すれば軽自動車にも劣る華奢な車体に繋がった、恐るべき兵器を見る。無骨で頑丈、なにより巨大な二門の兵器。106ミリ無反動砲とブローニングM2重機銃。これが傍にあると思うだけで、荒れた心が落ち着いていくのを感じる。恐怖心を万能感で上書きできた。


『マスター、死体とカードの回収は終わったよ。出発してもいい?』

「ああ、頼んだ」

 タクムはハッチを下ろし、シートに深く体を埋めた。


『じゃあ、シートベルトして。はい、それでは出発しま~す』

 どるるるとエンジンを吹かし、マイクロ戦車はゆっくりと走り出す。


 心身ともに疲れ切っていたタクムは、数分もしないうちに眠りについていた。



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氏名:タクム・オオヤマ

年齢:18

性別:男性

職業:丁種 開拓者

兵種:拳銃使い(ガンスリンガー) Lv6

弾幕屋(ガンナー) Lv2

狙撃手(スナイパー) Lv7

ミサイル特兵(ランチャー) Lv1


HP:300/465↑65

SP:105/455↑85


能力値

STR:3.65↑0.60

VIT:3.00↑0.45

AGI:3.70(+0.10)↑0.30

DEX:5.80(+2.97)↑0.80

MND:3.50(+0.61)↑0.60


技能

ハンドガン:1.19

Hマシンガン:1.50

Sライフル:1.10↑0.10

CQC/CQB:1.24

フットワーク:1.02

精密射撃:2.64↑0.20

急所撃ち:3.34↑0.20

擬装待機:1.02 new!


スキル

弾道予測

ダブルショット(HG):SP10

バウンドショット(HG/SMG/AR):SP20

フレイムショット(HG/MG/R):SP30 new!

ピアシングショット(HG/HMG/SR):SP10 new!

エアカッター(CQC):SP30

エアシールド(CQB):SP50

ステップ:SP10

ハイジャンプ:SP10

ダッシュ:SP15

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