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茶道部残留テスト①

 〈茶道部残留テスト〉とは、伝統・歴史ある茶道部が、部員の技術向上を目的に行うテストのことである。年2回の形式で執り行い、学年関係無しに同日に開催。


 体育祭終わってのこの時期は、2回目の時期にあたる。1回目は年度初めに行われるため、入学したばかりの者達は簡易なテストのみ。


 要するに、この2回目こそが本番。偽物は淘汰され、本物だけが生き残る。


 茶を飲み、菓子食うだけの部室にさせないがための決まり事だけあって、皆真剣な眼差し。明日にテスト控えるオロチとタケルとオオクニヌシは、作法の練習に取り組んでいる。



「頂戴いたしますっ」



(えっと、この後は………右手で茶碗持って左手に───って、タケちゃんそれ違うよ!)




 隣のタケルは、運ばれた菓子を何も言わずに食べ始める。


 元々の手癖の悪さが影響しているのだが、作法は作法。間違える度に、2年のタギリから叱られている。


 悲鳴は、畳の部屋に良く響く。



(ほら、言わんこっちゃない)



 他人の心配ばかりはしていられない。


 オロチも落第圏内ではある。体躯に似合わず、繊細なオオクニヌシは問題無しといったところ。



「あいつは駄目だな、見放した方がいい。オロチは丁寧さより、まずは作法手順を覚えたがいいんじゃないか?」

「アドバイスありがと。でも、タケちゃんも受からないと意味が無いんだ」


「そうか、なら猛練だな」

「うん、だね」




 残留テストは1年と2年のみ。3年は審査員。つまり、アマノウズメ部長が審査員となるわけだが、公平性を喫するため、もう一人追加される。


 それが、幽霊部員同じく殆ど顔を見せない顧問、福禄寿。


 2年のタギリやタギツの担任でもあり、かなり年老いた教師。オロチたちも一度しか会ったことが無い。




「先生、厳しいかな?」

「そりゃあ、一応教師だしな」



 オオクニヌシは淡々と返す。タケルの心配もあるが、オロチも今日の時点で及第点に持っていかないとマズい。


 と、そこで、戸が開かれた。


 入室したのは、顧問の福禄寿、ではない。


 華麗に跳躍して着地するなど、老体に出来るはずもない。


 茶室に似つかわしく無い薔薇を口に咥えた貴公子のような男は、自分の名を『カグヅチ』と言った。



「やあ、ハニー達、元気してたかい?」

「ゲェッ!!カグヅチ、あんた何でいるのよ!?」


「何故って、簡単だろう?ボクは───」


「「茶道部員だからさ/幽霊部員でしょ」」



 タギリの横では双子のタギツも同調する。カグヅチの言葉が嘘に聞こえるのは仕方ない。1年衆だって、初めて会ったのだから。



「1年諸君初めまして。ボクの名前はカグヅチさ。君達の噂は聞いてるよ。明日の残留テストで困っているんだって?仕方ないな、ボク直伝の作法記憶術を伝授しようじゃないか!さぁ、そこに並びたまえ。丁寧にじっくり教えてあげよう」


「おいキモいぞ、あいつ」

「タケちゃん、声大きいって」

「幽霊部員が幽霊でないパターンがあるとはな、勉強になる」



 1年衆のヒソヒソ声は、上手い具合に聞こえていない。寧ろ、賞賛されていると信じて止まない。


 部活に出席していなかったのは、他部と掛け持ちをしていたからと言うが、嘘か真か。


 個性強強カグヅチによる、前日レッスンが始まる。



「さぁ3人共、ボクの調子に合わせて薔薇を咥えて───」



(いやこれ絶対違う)









どうも、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おつかれさま(・∀・)

この作品に出会ってくれてありがとう。

更新日は不定期です。

週一程度に更新できたらと思ってます。

長い付き合いになるかもしれません。

少しでも面白いと感じたらブックマーク宜しくお願いします(≧▽≦)


いつもは2話更新ですが、今回は1話のみとなっており申し訳ございません。続きはまた次週投稿します!

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