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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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53話 人形? 挿絵あり

「はいはい御高説御高説。まぁ、人は欲深くあって絶頂から転がり落ちるのを見るのが面白い。と、言ってもお前はその落差がほとんどないからつまらん。いや、前の占いの結果からしてそろそろ落ちるか?なんだ?宝くじでも当たったか?それならまんじゅうなんてチャチなもんじゃなくで金つばとか八ツ橋とか・・・。」


「その前に、座敷童子として恐れる妖怪とはなんですか?」


「そんなもんお前等と変わらんよ。見てみろこの身体、身の丈50cmの人形ボディだぞ?前にラブなんとかって人形に取り憑いたら危うく襲われそうになったが・・・。」


「それはお前が悪い。その人形はそう言う事に使う人形でモノ知らずに入り込むからそうなる。そう言う話ではなくもっとこう・・・、勝てないとか相手にしたくないとか。」


「う〜ん・・・、古い古い話しをするならぬらりひょんは被るからあんまり好きじゃない。彼奴等勝手に家に入って美味しいところだけ食って出てくからな。後は鬼はどうでもいいだろ?空亡もどうでもいいだろう?鬼子母神は祀られて神様んなったからどうでもいいし・・・。そう!狐狗狸系、取り分け狐はダメだ。」


「狐ですか?古い文献を見ても接点はないですが?それに人形なら狗の方が嫌なのでは?」


「憑き物筋は知ってんだろ?狗やらをぶっ殺しまくって力持った血筋だけど、少なくとも狗は主人を立てて餌をもらう。タヌキは臆病で俺達とはそこまで敵対しないし、蛇なんかの憑き物もある程度で興味をなくす。でも狐は・・・、それこそ大妖狐なんて奴等は自分至上主義でいっつも人を下に見てぶっ殺そうとするし、俺達が住んでる家に入り込んだらそれも使って混乱をもたらす。玉藻だったか?アイツだって俺達が繁栄させた家を使って混乱もたらして討伐されたしな。」


「ふむ・・・、歴史の裏話はいいとして仮に九尾を超える狐がいたとしたらどうします?」


「九尾を超えた狐たぁ?成り立ちは別として俺は逃げるぞ?お前には世話になってるから忠告すっけど、そんな化物まともに相手すんな。暴れるなら暴れさせてやる気なくしてから復興でもなんでもさせればいい。下手に刺激すればそれこそ国が何個も滅ぶ。」


「ふむ・・・、明日出かけますよ座敷童子。」


「あん?俺はゲームで忙しい。それに午後から見たいテレビも・・・。」


「それはスマートレンズで視聴しなさい。明日はとある人物に会う、コレが決定事項です。」


「会うって誰だよ?俺は人形、人の身体に入り込むなんて出来ないし、身体変えるにしても人の大きさの人形なんてないだろう?」


「そのままでけっこう。会うのは貴方達側になるかもしれない人ですから。」


「?、なんにしてもお菓子な?」


「ええ。会う前にスーパーで好きなだけ買いましょう。」


 明日の出勤については既に上と話し真利と合ってからと言うよりは、医院長と話してからでいいと言う運びになっている。流石に上もド肝を抜かれていたが、あそこの医院長もカッパのハーフだから話はスムーズだった。しかし、この時代に大妖狐を超えるかもしれない者と言うか夫がそうなるとは・・・。




________________________

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 敷田さんに動画を送った翌朝。朝からシャワー浴びてご飯食べてログボ回収からのデイリーをこなして一息。溜め込んだ資金で復活アイテムは早急に確保したし、昨日手に入れたメインコアをどうしようか悩む。領地で野菜の増産とユニット増産指示をだしつつ、ロボの素体を見るけどほとんどイジってないからなぁ・・・。


 召喚獣と違ってある程度AIが操作してくれる自動人形でありつつ、使えば使うほど学習してプレーヤーに合わせてくれるのが売りなんだけど、装備を変えると学習状態がリセットされないまでも変な動きをする事がある。


 初期だと剣を銃の様に構えるとか、銃を装備してないのに一定の間合いで飛び回るとか。用途例としては秋ドンさんの様に動き回る盾として運用してHP全損まで粘ってもらって帰すとか、遠距離メインで援護させるのがいいかな?


 接近戦が出来ない事もないけど、プレーヤーと動きが被れば邪魔になる。そこまで育てるのには並々ならぬ努力が必要だし、なによりもう一度ゴブリンやらスライムを連携意識して狩りまくるのは結構疲れるのよね。


 だからこそ俺はあんまりロボは呼ばないし、今までのプレースタイルから召喚獣の方を多用する。読んで損はないんだけど、そもそも弱すぎで下手すると寄生体の手榴弾1発で消し飛ぶしなぁ・・・。


「でも、それをどうにか出来そうなのがこのメインコアか。必要なのは核と血肉・・・、そう言えば妖精王のがあったな。」


 No民の人達と神秘洞窟に潜った時にゲットしたけど、結局売りもせずに倉庫の肥やしになっていた。核やらは強化アイテム扱いだからほとんど売ったしまうし使えそうなのはコレくらいかなぁ〜。


 流石にゴブリン作っても仕方ないし。でも、ロボを妖精王にしていいかも悩みどころなんだよなぁ〜。近接と魔法が使えて神秘洞窟ではレア寄りのボスだけど、能力値的にはどんなもんだろう?色々とネットを漁ってみたけどメインコアの情報は少ない。たまにあるのはコアやら血肉は買って使うなとか?


 なんでも買って使うとロボが反抗的になって初期化するハメになるらしい。う〜ん・・・、トラブルオンラインのボスって基本的にプレーヤーに敵対的と言うか、明確に敵として出てくるから屈服と言うか本人が討伐してないと駄目なんだろう。そう考えると上位陣も簡単には使わないし、性能房的にも新しいマップやら強いモンスターを狩ってから使いたくなる。


「そうは言っても妖精王も弱くないよな?どうせ使った後も鍛えろって言われるしさっさと使おうかな。視聴者諸君!私はメインコアに堕ちた妖精王の核と血肉と・・・、えっなんか追加で入れられるの?なら妖精王の羽を入れるぞーー!!!」


 叫んで見たもののポチポチ操作するだけなので見栄えはない。ないけどそのメインコアをロボにセットするとピカピカ光りだし・・・。


「我を呼ぶは誰だ?」


「おぉ~、堕ちた妖精王が出て来た。」


 武器は持っていないもののあの時見た妖精王である。頭にはNPCと出ているので他のプレーヤーから殴られる事もないだろうし、死んでもここにリスポーンするから大丈夫かな?なんにしても『契約しますか?Yes/No』の表示が出ているのでYesを選択。


「貴女が私の契約者か?」


「そうです、私が貴女の契約者です。え〜と、野菜とか食う?」


 インベントリから砲弾桃を取り出して渡しつつ自分でも食べる。相変わらず美味い。満腹中枢を刺激する様にすればダイエットにも使えるらしいけど、下手にそのモードにすると栄養失調警告が飛んでくる事もあるとか。まぁ、本当に腹が膨れるわけでも栄養があるわけでもないしなぁ・・・。


 渡した桃をしげしげと見つめた後に妖精王は桃を食い出した。へ〜、ロボって桃食えるんだ。いや、野菜やら果物はバイオ燃料になるから食ってもおかしくないのか。


「それで?我と契約した強き者よ。なにを望む?」


「えっ?望む事?う〜ん・・・、取り敢えずこの領地でゆっくりしていってねっ!!とか?」


「・・・、ゆ虐か?我に不思議饅頭頭になれと言うのか?」


「私は愛で派です。と、言うかゆ虐とか知ってるんだ・・・、運営は一体学習AIになにを覚えさせてるんだろう?」


 学習AI学習AIと言うけれど、その学習AIもオープンAIから情報持ってきたりするから話し相手にはなってくれる。あんまり人間らしい言動は結婚問題とかNPCロスから控えられてるけど、もしかしてメインコアって結構ディープ寄りの学習AIなのかな?なんにしても無料の演者を手に入れたと思えば目っけもんかも。


「悪の組織たる運営は悪意を学習して出力し、プレーヤーの善意たる良心を見る事に注力しているが?」


「なんて言う反面教師理論って、それって暴露していいやつ?」


「さぁ?我は禁則事項以外は話せる。」


「禁則事項?アイテムの増殖コード教えておーくれ!」


「禁則事項だ馬鹿者!」


 妖精王が俺の頭を叩く。なるほど、ツッコミも出来るっと。NPCだからとプレーヤーに接触しないタイプもいるけどメインコアを使ったロボと言うかNPCは結構フレンドリーで接触もいとわないっと。


「ジョークジョーク。分かったら儲けものだけどBANされたら困るから自分では使わないしねぇ。それよりも妖精王はお使いとかも出来る?」


「基本的に街での活動やフィールドでの戦闘には加われる。ただし、我は全盛期の能力値ではない。プレーヤーの経験値を振り込んだり共に戦闘したり、装備を整えての貰う必要がある。それと、領地戦では指揮官ユニットとして使える。当然我は王だからな。」


「ここで育成ゲー+テイマープレー発生かぁ〜。丁寧な説明どうもっと。もしかして聞かなかったら何も教えないタイプ?」


「無駄口は好かん。知りたければ聞けばいい契約者。」


 畑のキュウリを勝手に取ってポリポリ食べながら妖精王が答えるけど、それってコミュニケーション優先モジュールがあるって事だよな。う〜む、対話したらしただけコチラの考えを読んでくれる代物だけど、結構難しいプログラムだったと聞いた記憶がある。流石は国が噛んでるだけあって高価なもん使うなぁ〜。


「その契約者ってどう言う立ち位置?パートナー?それともプレーヤーが上で妖精王が下?それとも悪友的な対等身分?」


「契約者は契約者だ。そちらが呼ばない限りはここで自由にさせて貰うが、呼ばれたなら仕事はこなす。」


「なるほど。ある意味雇用主と社員みたいなもんか。それならまぁ、特に問題ないのかな?なんにせよ今の所は・・・、野菜やら果物食べるなら育ててね。種やら肥料は倉庫にあるから。」


「分かった。」


 農業する王と言うのもシュールと言うか、あの堕ちた妖精王のビジュアルで肥料とか撒いたりするのかな?領地の撮影を続行しつつ一旦ログアウト。面会の申し出が合ったとメッセージが来てたけど、相手って華澄だよな?昨日の今日で何やってるんだろう?そんな事を思っているとドアがノックされて華澄が入ってくる。


「昨日ぶり、どったのこんな時間に。」


「可愛い夫に愛に来るのに何か問題が?今日も可愛い服で・・・、誘って来ても駄目ですよ?」


  挿絵(By みてみん)


「なんか会うって言葉のニュアンスが違う気もするし、誘ってもないんだけどなぁ・・・。なんにしても夫は流石に突っ走り過ぎ。隠れ蓑にするのはいいからせめてよりを戻したとか・・・。」


「夫婦ならカップル以上に強い隠れ蓑だからいいのよ。大は小を兼ねるって言うし。」


「まぁ、なんでもいいけどその人形なに?流石に人形遊びするほど幼くないよ?」


 市松人形?をじーっと見る。メッシュ入って顔立ちも下膨れはなく今風で市松人形と言える部分は赤い着物とか?一応おかっぱ頭で中性的と言えば中性的な感じはする。意外と対話型AI搭載したロボなのかな?微かに震えている気もするし。

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― 新着の感想 ―
怖がっていた存在以上の者に合わせるってドSなんですかね? 座敷童虐かな?
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