51話 1デス 挿絵あり
大麻も振り終え残すはボス部屋のボスのみ。勝てれば生還負ければ死亡。その上時間縛りがあると言う事は、負けた瞬間このダンジョンは崩壊する。くそ〜、AIが優秀でマップ構築も楽だからって名もなきダンジョンを使い捨てにするなよ〜。テキスト読んでなきゃ再アタックも出来たんだろうけど、読まないとボスも出ないからどの道感はある。
強いて言うならメンバー増やして装備整えての安全なボスアタックが望めるとか?ただメンバー増えたら行動は変わるし、火力も上がるからあんまり逃げ場はない。と、言うか大体トラブルオンラインのダンジョン攻略なんてまともな攻略をさせる気がないから何時も最高の装備持って、インベントリには入れれるだけの武器や回復アイテムを突っ込んでおくのがお約束なのよね。
それで足りなかったらって?当然プレーヤーが悪い。毒の回復やらのスキルや魔法は修練すれば誰でも皆伝まで行けるし、皆伝まで行かなくてもカウントを減らせる。つまり、鍛えてないプレーヤー側に問題が合って運営の悪意を見抜けがなかった事が問題になる。
たまに新規で騒ぐ人もいるけど、そういう人程課金ばかりで育成がお座なりなんだよなぁ〜。まぁ、チームで役割分担して回復やらを全部チームメイトに任せて火力育てる人もいるけどさ。でも、上位陣になればなるほどマルチ化するのよね。
「そろそろ残り7分だから行きましょうか。長期的なバフ盛りはしましたけど途中で切れるから気を長けて下さいね?」
「種族的に状態異常耐性高いからええけど、レーザーゴーグルとアクセのワイパーで暗視は防いどこか。コレなら1カウントで回復するし。ウチからもバフ盛り盛っとくで〜。ただ、射撃メインのバフやからツキさんにどこまで効果あるか・・・。アキンド1号は突入してから呼ぶさかい、そっからやな。」
「了解で〜す。さて、なにが出るやら。」
秋ドンさんと話しながら扉をくぐると簡単なムービーが差し込まれる。中央にはこの船のマザーと思われる機械があり、それに脈打つ根の様なものが張り付き、周囲には壊れたロボの残骸やら死んだ寄生体の亡骸が転がっている。そんな中で、鼓動する様に中央に光を抱いた戦闘メカが・・・。
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Warning! Warning! Warning!
寄生戦闘メカ ガンマ弐式 襲来!
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「秋ドンさんガンマ知ってる?」
「知らへん。アレってベータまでやないん?てか弐式って何やねん?」
「私も知らない秋ドンさんも知らない・・・、撮れ高!きっと撮れ高になる!さて、ぶっ殺すぞ〜!」
「現金やなぁ〜御狐様。まっ!ぶっ殺すのは賛成や!いてこませアキンド1号!」
『警告、ここを爆破しデータを・・・、データ・・・、デー・・・。キシャーーー!!!』
秋ドンさんがロボを呼び出しけしかける。室内様に換装したからか大きさは2mくらい?両手に盾を持ち背中にはキャノン砲を付けた遠距離仕様だけど、脚が浮遊脚と中々豪華だな。多分キュウリやら集めててパーツが集まったんだろう。
「バフ切れる前にイケイケドンドンですね!」
「そやそや!MPドンドン持ってけ!」
秋ドンさんが射撃を行いアキンド1号も砲撃する。その射線軸から外れつつガンマへ肉迫って、こいつ飛ぶのかよ!確かにボスモンスターで飛ぶ奴はいるけど、そう言う奴ほどセコい攻撃したり時間稼ぎしたりしてくるんだよなぁ〜。まぁ、取り敢えず撃ち落としてみるか?
「イフリートハンマー!更に伏龍:絶刀!って、魔法耐性高!えっ?寄生されてますよね?コレ。」
「知らへん!追尾ミサイル発射!って、ビームシールド!?あかん、実弾ダメかなり抑えられる!緊急換装、アクアカスタム装備や!」
『レレレーザーザーブレブレード展開、マルマルチコンバートライフル連続換装、リフレクタータービット射出。』
初撃は完全にモンスター有利か!弾幕も魔法もガンマが上手く捌く。確かにダメージは入るもののビームシールドに対して実弾は溶けるらしくダメージは半減するし、寄生されてるのに装甲のせいか魔法の効きも悪い。結構カチカチタイプ?ただ様子見するほど時間もない。
ビームやレーザー系の攻撃してくるなら相性的には秋ドンさんがやる様に水系が有しだな。ウォーターエンチャントで大麻に水属性を付与しつつ、十字砲火する様に射撃に気を取られているガンマに斬りかかる。ただ、レーザーブレードとビットってセコくない?
水属性が付与された弾は反射しない代わりにビットの攻撃でいくらか相殺される、そのビットの攻撃を囮に斬り掛かってくる。ロボだからか高速起動してきてかなり早い!
「ツキさんどれくらい持つ!?」
「しぶとさが売りですけど結構キツイ!あっ!尻尾飛んだ!」
「毒弾発射!状態異常行けるか!?さっき拾った重粒子砲も発射や!」
大麻は杖/剣である。なので、棒の様にも使える。ゲーム的なのだが、モンスターを殴り切ると言う話らしい。だからこそやれる事も多い。持つ場所を中間部分に変え双頭剣の様に扱い、レーザーブレードを受け流しつつ回転しながら胴を薙ぐ。しかし、その軌道上にビットがあり斜め上に誘導されてミス、そのまま背後に回るように足を運び今度は斜め下へ切り下ろすけど、それをガンマはジャンプして躱しつつ射撃!尻尾全損分のジャストガード反射ダメージで少しはHPが削れるけど、このままだとジリ貧だな。
「百鬼夜行!雷獣招来!ほら突っ込め!妖精召喚!ビットを足止めー!」
「回復間に合うか?ダメなら突撃してタゲ取るで!」
「一旦下がります!」
「おっしゃ!なら行くでーー!!フルバースト!マズルバースト!緊急換装、モードパイルバンカーや!」
スイッチして下がりヒールとポーションで尻尾全損以上に貰ったダメージを急いで回復!突撃した秋ドンさんのパイルバンカーは何本かクリーンヒットしつつマズルバーストのダメージ入ってるけど・・・、おっ!装甲が一部吹っ飛んだ!残り時間はは200カウントくらいか・・・。
「ぐへっ!コイツの攻撃痛い!アキンド防御任せたで!」
「ヒール!ハイヒール!ハイヒール!秋ドンさんHPガリガリ削れてる!下がって!」
「漢にはやらなあかん時があるんや!」
「もっかいバフ盛りますよ!」
牽制射撃しつつパイルバンカーを打ち出したり、銃剣でレーザーブレードをいなしたりしてるけど確実にお互いのダメージは積み重なっている。流石に不味いので回復を挟みつつ秋ドンさんを援護って!なんで雑魚の寄生体が援護射撃と言うか手榴弾投げてくるの!?
「秋ドンさんスイッチ!雑魚先に黙らせて!私じゃ時間がかかる!」
「分かったで!コレがギミックかいな!雑魚は引っ込んで退場しとき!ガンマは触手増えとるから気をつけやー!」
「了解ー!影走りからの無拍子三段!」
一瞬だけ消える影走りからの三段斬り!1発は防がれたけどなんとか残りを当ててダメージを重ねる。しかし、触手が邪魔!ウネウネと鞭の様に打ち据えられて少し回復した尻尾はまた全損へ。緊急回避を組み合わせながら魔法を使いつつダメージを重ねるけど、やはり1発が重い!HPはレッドゾーンへ突入し、召喚した妖精やらも殆ど倒されてしまった。MP的には一旦仕切り直したい。
けど離れれば今度は秋ドンさんが狙われてどの道復活魔法を使えばMPは消し飛ぶ。仕方ない、死ぬ気で削って死んだら生き返って削るか。残りは100カウントを切って倒しきれるかは微妙だけどさ!
「渾身ストック!打刀:影打ち、崩脚、紫電一閃、更に追撃して・・・、ライトニングバンカー!」
柄打ちして少し下がった所を無理やり崩脚で蹴り、間合いを開けて高速抜刀し、そのまま腰に剣を構え突撃して剣を差し込みつつ電流を流す。渾身が上手く解放されて2倍ダメージだけど、やっぱり足りないかぁ〜。離れる暇なく触手の高速斬撃でHPが全損して1デス。
でもこっちには復活アイテムがあるんだよ!効果はHPとMPの全快と至ってシンプルだけど、安地に復活する訳でもなく本当にその場に生き返る。なのでイマイチ使い勝手は悪いし、下手をすると死亡→復活→高火力範囲攻撃中→死亡とデスループに入る。それでもまぁ、それを見越して動けばいい。なにせ突撃体制の秋ドンさんとアキンド1号が背後に控えてるからね!
「緊急回避!」
「ナイスや!死にさらせガンマ!もう逃さへんで!マグネフィールド展開!ゼロ距離射撃!フルバースト!MPポーション挟んで粉砕無骨!ほらほらぁ!防御無視やで!」
強制的に相手を全身させて互いに距離を詰めるマグネフィールドを展開し、完全にインファイトの構えを取った秋ドンさんがパイルバンカーで防御無視の乱打を叩き込む。フロムさんも使うけどかなりMP食うんだよなぁ粉砕無骨。ただ、それのお陰でガンマは爆発してポリゴンへなり消えていく。残りカウント8とかなりギリギリだったな。それに疲れた・・・。
「秋ドンさんお疲れ様〜。」
「ツキさんもお疲れ〜。アイテムよかったん?どっちか知らへんけど。」
「課金じゃないからいいですよ。次を買ったら資金集めしないといけないですけどね。まぁ、ボス逃すよりはマシですよマシ。」
「そか〜・・・。なら野菜やら種以外のボスドロ譲るわ。多少は資金繰りの足しになるやろ?」
「いいですけど、いいんですか?」
「ええよ。元はと言えばウチが野菜やら種集めるんに来て守ろたからな。さ、はよボス箱開けよか。」
そう促されて宝箱を開ける。中身は寄生されたパーツにメインコア?コアは聞くけどメインコアってなに?テキストを読むとメインコアには核を入れるらしい。それに血肉やら寄生されたパーツやらを使いロボにセットするとロボが核にしたモンスターの姿になるのだとか。
確かにロボイジってないからありがたいと言えばありがたいけど、なんか強そうなモンスターの核やら血肉って合ったかな?帰って倉庫を漁ってみるか。それに、知らないアイテムだから効果もどれくらいあるか分からないし。
「メインコアと寄生パーツかいな。当たりっちゃ当たりやな。」
「メインコア使った事あります?私は初めて見ましたけど。」
「ごっつ高値で売ってるのは見たで。でも、使ったのは見とらんし初見アイテムは生贄コースやろ?」
「う〜ん・・・、かぐや自体謎フィールドですからね。噂ではメインストーリー第2部用のマップなんじゃないかとも言われてますし。」
「ストーリーあるから燃える奴もおるからなぁ〜。なんにしても外でよか。」
その後かぐやへ戻りパーティーは解散。中々濃かったし動画の尺としても十分かな?そんな事を思いつつログアウトして編集していると敷田さんが夕食を持って来たので食べる。なんと言うかドンドン飯が入る。
「検査で疲れました?かなり食べてますけど。」
「いや、検査はそうでもなかったですよ?でも、なんだか食べないといけない気がするんですよねぇ。」
「う〜ん・・・、何か変わったことありました?ゲームも含めて。」
「ゲームも含めて?そう言えば久々に死にましたね。いや〜、最新マップのボスが強いのなんの。復活アイテムで生き返ったんですけど時間制限もあるしかなりヤバかったですよ。」
「復活・・・、ですか?」
「ええ。よくあるでしょう?死んでも生き返るアイテムやら魔法って。下準備として自殺する事はあるんですけど、明確にモンスターに殺されたのは久々ですよ。」




