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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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49話 かぐやにて 挿絵あり

 検査も終わって部屋に帰りシャワーを浴びてから一旦出来た事を整理したらゲームでもしようかな。まさか水の上で足踏み出来るとは思わなんだ。でも、出来ると分かると色々試したくもある。あるけど、日常生活で戦闘スキルって使う?


 残念な事に現代社会に置いて戦闘スキルって無用の長物なのよね。護身術程度なら痴漢対策と言えなくもないけど、流石に電撃出すのはやり過ぎだろう。と、言うかそのうち『行けツキ!サンダーバレットだ!』『コーン!』とか華澄とやってそう。その場合相手は妖怪とか?


 最近濃ゆい日常と言うか情報量が多いから何と出会うかなんで全く持って分からない。でも、華澄が来たと言う事は川端部長とかもそのうち面会出来る?その前に両親も来そうだけどさ・・・。母さんは多分大丈夫だろうけど、父さんは結構お硬いからどう言う反応を示すやら・・・。


「なんにしてもここからは半分受け身かなぁ〜。配信もしたし、そこの反応次第ではある程度外に出る時期も早まるかもしれない。華澄の反応を考えると初っ端はコスプレって認識になるだろうし、残るは物理的な接触をどうやって回避するかとか?」


 そんな事を考えつつゲームにログイン。16時頃だから朝とは打って変わって割と人が多い。学生組なんだろうけどハロウィンイベント装備をして余韻に浸る人もいるな。そんな人達を横目に見つつ俺もフル装備して何枚か写真を撮っておく。録画はスタートしてるけど、華澄の件を考えると何時でも中断出来るようにしておこう。


 カボチャの交換期限もあるので、レアドロップカボチャと普通のカボチャを1個ずつ領地の家に飾って普通のカボチャは交換して領地戦の備蓄へ。レアドロップの方は露店を開いて販売へ。価格的にはそこまで高くないけど、時間を置いたら置いたで今度は中々売れないのよね。


 コレクターがいつ生まれるかは分からないし、強さに括る人はコレを後から欲しがるとも思えない。ユアンさんなんかは揃えているだろうし、今欲しがる人といえばリアルラックが足りなかったら人くらいだろう。カボチャだけでは目玉商品とは言えないのでポーションと種と肥料も少し置いておく。


「このレアカボチャ貰えますか?」


「いいですよ〜、価格に納得したら購入して下さい。必要なら無料のお祓いもしますよ。」


「無料のお祓い?う〜ん、急ぐんで辞めときます。では、ありがとうございました。」


「はいどうも〜。」


  挿絵(By みてみん)


 売れるには売れるけど稼ぎはそこまでか。レアドロップではあるけど昨日の今日だし、上位陣は自前で揃えた上で既に領地防衛戦の調整に入ってるだろうな。さてさて、防衛はこのままならそこそこ楽しんで終わりだけど・・・。フレ欄を見ると秋ドンさんがインしているな。あの人が真面目にやるなら同盟組んでやるのも楽しそうだ。ただ、今は配信もしてるしそれを嫌うなら同盟は無理かな?


 一応作戦会議とかは映さない方向だけど、配信してるとどうしても読まれる部分も出てくるし、LIVE配信だとその逆に視聴者が他の領地の情報を流してくれたりもする。ある意味場外乱闘の情報戦だけど、それをやり過ぎると面白みが減るからなぁ・・・。そう思いつつメッセージを飛ばすとこっちに来るそうだ。


「儲かりまっ・・・、肥料と種全部くれ!」


「まいどおおきに〜。えっ、秋ドンさんまだ溜め込んでたの?」


「溜め込んどるっちゅうか、ユニット増産と野菜備蓄でスッカラカンや。あん時貰った種達ええ働きしとるけど、ツキさんいけずやわ。あれ買うたらそっちに乗り換えとうなってまう。」


「時間食う分性能は確かですからね。やっぱり領地防衛戦はガチで?」


「その予定やけど純粋なマンパワーは足りひんな。夜間帯は防柵使えば凌げるけど、純粋な闘争は指揮官があと一人は欲しい。流石にAI兵だと博打要素が強すぎるでって、配信始めたん?」


「ええ。色々合って配信者として駆け出しました。いやでした?」


「別にええよ。流石にこのアバターで誰か分かったらそいつエスパーちゃう?もう動画上げてるん?」


「上げてるんで後でアドレス送りますね。そう言えばガチなら同盟組みません?」


「ええよ。ウチも何人か声かけたけど誰も捕まらへん。まぁプレースタイル的にしやぁないけど、こう言う時捕まるフレがおるんはええな。盟主はウチでええ?」


「いいですよ〜。どのみち物資は共有化するにしても秋ドンさんには負けるでしょうからね。使用制限かけるなら秋ドンさんでしょう?一応ヘソクリはいくらか確保しますけど、基本的に全部委ねますよ。」


 同盟組んで盟主が決まれば物資は共有化される。でも、その盟主も人間なので急な用事でどうしてもいない時がある。サブリーダーに全権譲渡してればいいけど、してなかったら制限付けられたまま戦い抜くことになりかなり厳しい。そんな時に活躍するのがヘソクリと言う名の隠し物資。


 本来は共有化しない物資なんだけど、この物資は共有化してないだけで個人使用のみ許される。コレを利用して長距離斥候したり伏兵として配置したり出来るんだけど、大規模同盟相手に割とゲリラ戦は効果がある。


 イメージとしてはソロモン攻略する連邦軍とか?全方位から逃げ道なくゲリラ戦を仕掛けられれば、いくら大規模同盟と言っても物資の消費は無視できなって来る。


「おおきにな!取り敢えずコレで2人。盟主としてウチは領地全般の防衛と管理してツキさんが遊撃兼切込み隊長か。もう何人か欲しいけど2人でもどうにかなるか。」


「う〜ん・・・、秋ドンさんの知らないフレでよければ篝火って人とフロムて人を紹介出来るかもそれませんよ?性格は・・・!配信見てもらうのが早いかな?」


「一応お願いしとくわ。ウチももう少し声かけて見るとして・・・、暇ならちょっと種取りいかへん?」


「いいですけどどこ行くんです?」


「かぐややで。無理くりルート通してマップ解放したんはええんやけど、あそこソロはきつない?」


「種族的には供物族はかなり有利ですよ?射撃対応しやすいし狙撃も通りやすい。逆に亜人は魔法主体にでもしてないと近寄るのが結構面倒。」


 天空城塞都市かぐや。ファンタジーSFと言いつつドラゴンと殴り合ったり死霊を焼いたり、バイオプランなんて言うキショい植物を伐採していた中でプレーヤー達はある疑問を抱いていた。曰くSFどこ?と。


 確かにバイオプランはSFっぽかったからここかな?とか、ゾンビ系のモンスターでもウイルスによるゾンビ化と術によるゾンビ化、或いは死体に幽霊が取り憑いた等々変な所で芸が細かく対所間違うと尾を引く部分もあるのだけど、ゲームのログイン画面にはロボットっぽいモノなんかも描かれていた。


 当初供物族がSF世界の住人と言う話で落ち着いていたのだけど、結果から言うとそれは間違いでSFは天空城塞都市から。フロムさんが使った様な拡張鎧やらビームガンやらがここから解放されるし、出て来るモンスターが外宇宙の悪夢と言うエイリアンやら、狂った機械兵士なんてのがでてくる。


「クリスタル・ビットは当たりやったけど、重力低下は結構動きにくいねん。思ったよりも突っ込んでまう。」


「あ〜、アレはパイク使うといいですよ。射撃時やら急速旋回する時にパイルバンカー地面にぶっ刺すとくるくる回れます。」


「それって緑のアレやない?」


「嫌なら重力ブーツとか装備します?重力効果無効化してくれますけど。」


「アレ駄目やったんや。変に変数入るんかスライドしながらの射撃もきっちり止まってまう。まぁ、その代わりええもんドロップしたからそれつこうとるよ。」


「ええもん?何にせよかぐやへ行きましょうか。」


 ポータルに向かい起動してかぐやへ。天空城塞都市と言いつつここはコロニーである。住民が全員宇宙服っぽいモノを着たNPCに様変わりし、移動時にはムービーが差し込まれ何やら宇宙船っぽいモノで飛んでいく映像が流れる。


「ツキさん装備はええか?」


「いいですよ〜。サイバースーツに着替えましたし。」


  挿絵(By みてみん)


 装備も変えていざマップへ!かぐや周辺のマップは基本的に星空と岩場となっている。ダンジョンは廃棄コロニーやら廃棄大型宇宙船で採掘出来る場所と採取出来る場所が明確に別れているけど、それよりも重力低下と言う継続的な変化が付与されていて、感覚的には1.5倍くらいジャンプするしアバターが滑る。なので、実弾主体で戦っていると反動でどんどんずり下がる。


「それが・・・、ええもん?」


「そや!ええやろ!チャリオットやで!」


「見た目だけならモンスターなのかプレーヤーなのか間違われそうですね。ちゃんと死にました?私はまだ今日死んでませんけど。」


「PKされたらそれはトラブルや。死んだら死んだでしやぁないし、復活アイテムも持っとるやろ?」


「ありますけどアレ高いんですよね・・・。絶対死なない戦いでもないからOFFとくか。」


 身代わり人形、正式名称はナイトメアキャッチャーと言う1個だけ所有出来る個人用復活アイテム。値段にすると10万とゲーム内マネーでも高額で、課金するにしても500円と微妙な値段。基本的にゲーム開始時に1個配布され、以降は自分で調達するしかなく報酬としても並ぶ事もない。


 PKされても自動発動して生き返るけど、そんな無駄な所で使うよりはボス戦なんかで生き返る方が有効なので、復活アイテムの使用は基本的にOFF。死にやすい分デスペナが緩いから、アイテム使うよりは死んだ方がマシな場面はあるのよね。


 そんな操作をする横で下半身が戦車っぽくなった秋ドンさんがエンジン音を響かせる。マッドマックスかな?固定銃座っぽいのもあるし。色々とチャリオットもあるけど、わざわざその形を選ばんでも・・・。


「ヘイマブイ彼女!乗ってかない!」


「乗れと言われたら乗りましょう!この銃座って使えます?まぁ、亜人だから当たらないんですけどね。」


「いや、これウチの装備品扱いやから命中率はウチのを参照するで?」


「と、言う事は供物族基準の命中率が私も得られると?」


「そやな。固定銃座なんてサブアームでウチが扱うくらいしかないから、どこまで効力あるか分からへんけどそのはずやで。」


「うぉぉーーー!!!行きましょう秋ドンさん!コレで私も射撃の名手に!」


(アレ重機関銃やから両手装備なんやけど、喜んどるし水ささんとこ。)


「ほな行こか。」


 チャリオットが爆速で進みつつ秋ドンさんが弾幕を張り、俺もその後ろで銃をブッパ!凄い!missがほとんど出ない!銃身が焼き付くまで撃つのを辞めない!まぁ、焼き付く事はないんだけどさ。


「クリスタル・ビット射出!隠れてもあぶり出すでぇ!」


『生命体の接近を確認!周辺機アクティブ!迎撃開始!』


「そこそこ!狐火!雷獣招来!突っ込め!って、挟み撃ちか!」


「任せとき!グレネード背後射出!汚ねぇ花火だぜ!前の集団にはドリフトクラッシュ!」


「おいでませジャック・オー・ランタン!命を刈り取れ!って、ドリフトぉぉぉーー!!吹っ飛ぶ!この運転吹っ飛ぶ!」


「シートベルトっちゅうか腰ベルトはめとき!ボーリングのピンみたいにモンスター吹っ飛んだで!迎撃!」


『トリック・オア・デス!』


『カボチャを迎撃する!キシャーー!!!』


「うっわきっしよ!何度見てもあれきしょいかわ〜。」


「人型っぽいモンスターから一気に触手と目玉が生えますからね。蜂の巣にしておきましょう。ん?上から来てますよ!」


「見えとるけどあれ嫌いやわ。なんなんスタンス電撃攻撃標準装備て。集団で来られて何回ハメられたか!」


「アクセ使えばそこそこ対応出来ますよ。スタンス防御よりも電撃防御上げると、相対的にスタンスしても問題なくなります。」


「スタンス耐性やかなったか。でも、ソロだと生殺しやあらへん?」


「そこは呼吸法やらでスタンス時間削って動いて下さい。と、上空弾幕上空弾幕。双子の雷神招来!下じゃなくて4方に雷を放てー!!更に狐火に雑霊撃!」


「ウチも弾幕張るで〜!ミサイルランチャー発射!装備緊急換装!大型ミサイルラック強制転移して死にさらせ!」


 いいなぁ〜。緊急換装と言うスキルは秘伝書から覚えられるけど中々出ない。効果としてはインベントリではなく領地の倉庫に収納してある装備品を呼び出せると言うもの。ゲーム的に装備品が壊れる事はないものの、相性的によろしくない場合やインベントリがパンパンでドロップ品が回収出来ない時もある。


 しかし、緊急換装を使うとインベントリの中身をどこからでも、領地に繋げて整理したり預けたりする事が出来る。今呼び出した大型ミサイルラックも多分緊急換装を前提とした装備品だろうなぁ。


「さてと、フィールドを走ってますけどどこまで行きます?」


「この先・・・、も少ししたらダンジョンあったんよ。そこを狙おう思うとる。場所共有するで。」


「他の人に攻略されてません?」


「どないやろ?なければしゃあないけど、あんまり見つからんと思うで?地面に埋まっとったし。」


「あ〜、廃棄船のダンジョンか。埋まったタイプなら色々とありそうですね。」


 秋ドンさんから送られて来たマップ情報には目的地の場所にピンが立ててあり、進路的にはそこに向かって爆速で近付いている。宇宙船のダンジョンとなると結構狭めだと思うけど、大丈夫かなぁ〜・・・。

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― 新着の感想 ―
ツキさんがポケモンに?! 悪い妖怪とか出て来たらワンチャンあり得る??
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