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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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46話 居候先?

「この姿がねぇ〜・・・。ちょっと触っても?」


「別にいいけど乱暴にはしないでよ?」


 そう言って華澄の手が伸びてくるけど視界は胸いっぱい。上を向くわけにも行かないし、仕方ないんだろうけど相変わらずデカい。と、言うか伸びてくる手も大きいので若干ビビる。確かに身長縮んだけど、意識ある時に直接耳触られるの初めてだもんなあ。


「ほうほうほう・・・。暖かくちょっと引っ張っても抜けない。髪もサラサラで・・・。」


「尻尾も触る?」


「触る前に・・・、香水?真利が?」


「付けたくて付けてるわけじゃないんだよ。虫避けには月桃がいいらしくてそれを使ってる。尻尾触るなら立とうか?」


「美少女が背伸びした感じが大変いい・・・。待って!今の上目遣いはそのまま!背が高くて得したのって、可愛い娘から上目遣いして目で貰えるくらいしかないんだから!ほ、ほらぁ〜、怖くない怖くないよ〜マリ〜。」


「既にその発言がこぇ〜よ!中身は俺って分かってんだろ?華澄。」


「分かっててもその姿は私に効く・・・。青いお目々に金髪、お人形さんみたいな出で立ちなのに中身は真利なんでしょう・・・。真面目な話、退院したらウチに来ない?色々大変だろうし、知らない中じゃないしさ。さっきの愛の力って言葉も・・・。」


「嬉しかった?」


「嬉しいしその姿をウチに飾りたい。」


「おいっ!そこは素直に嬉しかっただろ!って、その話は前向きに検討かな?前住んでた所も解約したし。多少身の危険は感じるけど、ずっと病院ってなわけにもいかないだろうしな。それに部屋片付けてないだろ?」


「ちゃんと汚部屋じゃないわよ。最近忙しくてあんまり掃除は出来てないけど。」


「なに?なんか事件?あんまり突っ込まないけど。」


「頻発してた停電の件で色々ね。」


 確かに事故前にも珍しく停電は起きてたし、俺が事故に合った原因も停電だったな。警察が動いてるって事は何かしらの事件性があるのだろうか?なんにしてもその原因を知った所で俺にはどうしょうもないかな?


「私はいいとして、真利自身は本当に大丈夫?なにか足りないものとかない?下着とか洋服とかコスメとか化粧道具とか衣装とか。」


「後半の部分は置いておくとして、下着やらは一応買ったよ。ただ尻尾が中々曲者でね。ローライズの服と言うかズボンやらと下着がメインになるし、それも面倒ならスカートかなぁ〜と。実際スカート楽なんだよね。捲れてても後ろは尻尾出見えないし、座ってもパンツがそのまま椅子に当たる事もないし。って、いつまで尻尾モフモフしてるの?」


「えっ?私が癒されるまではモフリ倒すつもりだけど?こう見えても心配したのよ?高速で事故発生って話は聞いたけど、私は違う部署だからかなり後から耳に入ったし、その被害者が真利って言うのは更に後から知った。そんな中で可愛い配信者でも見て癒やされようとしてたら・・・、ツキ姿の真利が演技してるのかしてないのか微妙なラインで配信してるんだもん。」


「あ〜、LIVE配信から見た感じ?」


「そう!過去配信もチェックしたけど、結局真利は何がしたいの?」


「なにと言われると困るけど、この姿で表を歩いている受け入れられる事とか、退院した後も何かしらの仕事が出来て日常生活が送れる為のリハビリだよ。触ってみての通り、耳も尻尾も本物だから取り外せないし、日常生活では目立つ。だからコスプレ配信って体裁を作れれば普段でもプロ意識でコスプレしてるって言い訳出来るからね。」


「そんな行動原理か。なら、ウチに来たらやめる?か・・・、同棲なら家事してくれればそれでいいし。買い物はネット注文でいいわよ?」


「今飼うって言いそうになっただろ?多分配信者もゲームも辞めないかな?」


「なんで?いやいやって訳ではないと思うけどそんなにネタもないでしょう?芸人とかでもないんだし。」


「いや、案外配信者って言う体裁はありがたいのよ。外を歩くにしても小型ドローンとか飛ばしてれば撮影者って分かるし、この姿でも納得させられるだけの材料になる。まぁ、その外を歩くのも等分先になりそうなんどけどね。」


「外出許可が出ないの?健康なら外出申請すれば医者としても断れないでしょう?」


「いや、色々とこの身体分からない事が多いんだよ。それにここにいるのも仕事の一環だからね。病院側からも手当って形でお金貰ってるし。」


「なんにしても元気そうは元気そうね。なら妻として、ファン1号として応援しつつまたお見舞いに来るわ。」


「ん?もう帰るのか?って、本気で妻って言ってる?」


「寂しいならお持ち帰りするわよ?それに元々別れた理由が子供どうするだからね。別に女性同士でも子供は作れるし、女性同士だから作らないって言い訳も出来る。それに最近見合いの話とか多いのよ。なら、まだ真利と結婚したとまでは言わなくてもよりを戻したって言う方がいいわ。」


「持ち帰りはやめとけ、本当に色々とこの身体は分からない事が多い。詳しくは今はいないけど三枝先生達と話した方がいい。よりを戻した話は・・・、好きにしてくれ。虫除け程度にならいくらでも使っていいよ。」


「分かったわ。なら、写真使わせてもらうわね。」


 そう言ってスマホをドローンモードで浮かせて2人でパシャリ。虫除けの写真って昔の写真を使うんじゃないのかよ!まぁ、でも今の姿の写真を使えば男性からのアプローチを断る理由にはなるか。大体の人は男女どっちでもいいって考えだけど、付き合ったらどちらかに傾いていく。


 華澄の場合面倒なのは男のアプローチかな?元々仕事絡みで知り合ってから付き合い出しだした、その頃も男からのアプローチがウザいから虫除けにしたいって話も合った、なら、俺を使っていいと言って付き合う形を取ったら、今度は付き合ってる事実がいるとデートしたり旅行したりと・・・、もしかして外堀埋められた?まぁ、嫌いでもなかったしお互い好きになってたからいいと言えばいいんだけどさ。


 そんな話が終わり華澄はまた来ると言い残し病室を出て行った。初めての部外者との接触は概ね成功なのかな?華澄と言う元カノフィルターを考えても驚きこそすれ忌避感はなかったと思う。他の人が全員そうとは思わないけど、少なくとも1人は俺の事を奇異の目で見ずに接してくれる人がいるって事だよな。




________________________

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「どうぞ。」


 ノックの音がする。多分柊刑事だろう。私と敷田さんは部屋を出て研究室に戻り、敷田さんには検査の準備を進めてもらっている。ゲームのスキルが使えると言う事は、それに対応した人体構造になっている可能性が高い。マリちゃんはよくよく身体が柔らかくなったと言っていたが、それはゲーム的に言えばフレームレートが高くなったとも言える。


 高くなれば高くなるほど滑らかに動き、動きそのものに違和感やツギハギ感、行動間の映像が飛ぶ事はなくなるが、それを現実的に考えるなら、どこまでも柔軟性を出して柔らかさを演出した方が動きの不自然さもへる。


「三枝先生の部屋はコチラで宜しいですね?」


「ええ。柊刑事とお呼びしても?改めて、主治医の三枝 時子です。色々と話さなければならない部分もありますが・・・。」


「ええ。それは話しを聞いて正式にデータとして頂きたい。しかし、その前に1つご質問を。先生はどの程度の位置にある方ですか?」


「質問の意図する所が分かりにくいですね。ここに勤務する医師。その位置でご満足ですか?」


「先に話すなら私は宮内庁所属です。」


「なるほど、なら妖怪も正確な意味でご存知ですか。」


「ええ。ここの医院長や理事の話も聞いていますから。単刀直入にお伺いしますが、真利はそちら側になったわけではありませんよね?」


「不明です。ただマリちゃん本人の心は人としてあります。その点を考えるならマリちゃんは人側です。」


「ふむ・・・、先ずはそのマリちゃんと言うのは?」


「可愛いのでマリちゃんと呼んでいますが?元カノさんとしても気になりますか?いきなり妻発言に困惑したいた様ですが。」


「私としても困惑しているので仕方ないですね。あの可愛い3次元物体が元カレと言うか、よりを戻したので今カレ?今カノ?なんにしてもああも姿が変われば誰でも困惑する。まぁ、可愛いのでお持ち帰りしてこのままでは保護したいのですが。」


「柊刑事、それは困惑じゃなくて拉致です。マリちゃんと言うのは性自認の一環としてちゃん付けを行い緩やかに女性体であると言う事を認識してもらっています。」


 食えない刑事だ。発言こそイカれた様だが、その中のイカれた部分だけを抜けば至極真っ当に要求を突き付けている。今は彼女である。本人に承諾させて身柄を渡せ。妻と言う発言もマリちゃん本人が嫌がれば引っ込めるだろうし、健康と言う話も聞いているのだろう。

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ガチの人ですねぇ
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