39話 ヘイトが!
Q:フィールドで戦闘中に他のプレーヤーの攻撃に
巻き込まれました。これは迷惑行為ですか?
A:オープンフィールドではトラブルが付き物です。
他のプレーヤーからの攻撃を嫌うなら
PK無効機能を使って下さい。〜運営より〜
打ち上げ花火ではなくて打ち下げ花火の様にフィールドに衝撃波エフェクトの花が咲く。バフモリモリのロマン砲はキル数と巻き込まれて死んだプレーヤーの名前を滝の様に流してくる。経験値はやっぱりあんまり美味しくないな・・・。割り振りポイントと交換するにしても全然足りないし。
そんな事を思いつつ隕石だらけになったフィールドに敬礼。MPオールインしたから250カウントはダメージ発生物体として残る。まぁ、ちゃんと5回死んだ人にとってはただの足場だな。
「無茶しやがって・・・。ちゃんと準備してないから巻き込まれて死んでしまう。」
450 >> やった本人がなんか言っとる
451 >> オープンフィールドで粘着PKはダメだけど
それの回避方法があるのに行わない
方が悪い
452 >> ちゃんと死んだ人にとっては援護
怠けた奴にとっては地獄w
「さてと。結構カボチャは集まりましたが、足りないので強欲に集めましょう!」
少し休んでMPもMAX。既に足場と理解したプレーヤーは隕石に登って迫るモンスターがスリップダメージ貰ったし所を料理していく。ハイエナでもカボチャが集まるし、これはかなりアイテム交換出来るのでは?
489 >> 大魔法連発で焼畑せんの?
490 >> したくても出来ない
フィールド中にヘイトばら撒いてるから
連続でやろうとするとモンスターの
総攻撃に合う
「豆知識として、大魔法は結構制約が多いです。今使った大魔法は洞窟やら屋根のあるダンジョンだと詠唱は出来ません。代わりにクイック発動で使うと鍾乳石とかが落っこちてきます。」
運営の判定的に屋根は隕石よりも硬いらしい。まぁ、狭いフィールドを隕石だらけにしても困るし、強制的に安地作られても困るからね。覚えた当初はコレで高レベルモンスターも洞窟で狩り放題と思ったけど、そんな優しい話はなかったな・・・。
「双子の雷神に朱雀舞、も1つおまけに百鬼夜行!よし、妖怪軍団と行くぞー!!」
カウントの残っている隕石の上に飛び乗って頂上から魔法連発!繋ぎの初期魔法もマシンガンの様にどんどん撃ち込みカボチャヘッドにヘッドショット!
「ハーッハッハッハ・・・!圧倒的ではないか我が軍は!」
852 >> 盛大にフラグを立ててらっしゃる
853 >> 美少女の笑顔は俺に効く
854 >> あら?でもなんか光ってない?
『何人目だ・・・、敵のエースを発見した。これより交戦に入る!援護を!』
隕石の残りカウントも少ない中でAI音声がフルオープンで木霊して地面一面が光る。コレってもしかして・・・、もしかしなくてもマーキングだ!それも連続銃弾爆撃タイプの!猛ダッシュ+緊急回避を使って一気に距離を取る!隕石のカウントは!?
「間に合えーー!!」
『ピンポイントフルファイア』
無常にも流れる攻撃宣告で一気に尻尾が全損し、召喚したモンスターも消し飛んだ。ヒール掛けながらも削られるHPはかなりヤバイ。ただ、隕石消失でギリギリ攻撃範囲から逃れ死亡は免れる。ヘイト集めすぎたな・・・。アレって多分イベント温いとか言う人用のボス系モンスターだし。倒すの面倒な癖して旨味は確定レアドロップとか?けどレアドロップはモンスター倒してたら勝手に手に入るし、手間を考えると誰か欲しい人に押し付けたい。
『対象まだ健在!これより掃討する。』
カボチャ頭のロボットとか誰得!?Zザクじゃないんだよ!いや、まぁ、ヘッドショットしろと言うならカボチャにしなきゃならんのだろうけど、ボディがカッコいい分イロモノ感が目立つ。
「えぇい!倒せない事もないけど鬱陶しい!イフリートハンマー、雑霊撃!雷獣招来!」
「そいついらんなら貰っていいか?篝火任せる事になるが。」
「フロムさん?見ない間にメカニカルになっちゃって。欲しいならどうぞ。ただ、ヘイトは私に向かってるので生半可には引っ剥がせませんよ?」
「拡張骨格装備だからな、近未来戦闘ならコレが似合う。それにヘイトぐらいならいくらでも操作しちゃる。決闘の誓い!ミスか。ならもう一度、何度でも。振り向くまで誓ってやろう。」
銃弾飛び交う中で颯爽とロボットが現れた。まぁ、フロムさんなんだけどね。いつものドワーフから拡張骨格と言う、平たく言えば近未来風な一括装備鎧を纏った状態である。
これもリハビリと言うか義手や義足に慣れるのに使われるし、もっと生活に密着した話なら工事現場なんかで使われるパワーアシストスーツの取り扱いにも慣れられる。自分の身体が延長された感覚って中々掴めないのよね。そう言う俺は縮んだのだけれども・・・。
「フロムさん早い・・・、ここにもザコが!抜刀一閃!」
「篝火さんさっきぶり、フロムさんがアレとやり合うらしいから私達は他に行きましょうね〜。」
『待て!エースは落とす!』
「飛翔撃!お前さんはワシの獲物だ。通りたくばワシを落としてから行けぇ!」
光属性の光剣・・・、ぶっちゃけビームサーベルとかヒートソードとか、或いはライトなセーバー?そんな剣で斬撃を飛ばしつつカボチャロボにフロムさんが密着。サブアームとか仕込んで・・・、仕込んでるな。
亜人は射撃が下手。しかし、それでも高速ショットガンなら弾幕は張れるし、至近距離ならギリギリ運用レベルになる・・・、のかなぁ・・・?サブアームのショットガンから散弾が吐き出されるけどmiss表示とダメージ表示が重なってわけの分からない事に。
「フロムさんに任せていいんですか?」
「聞こえてなかったなら言うけど、あれフロムさんが欲しいんだってさ。何気に供物族と亜人で迷った挙げ句、決闘なら殴り合い、パワー・オブ・ジャスティスって話で亜人選んだらしいよ?さて、篝火さんカボチャは集まってる?」
「終了時間考えるとギリギリですね。やっぱりこのイベントは刀より銃かなぁ〜。でも、ハンドガンだとダメージが低すぎるんですよね、スキルもそこまでないし。」
「ならこれ貸してあげるよ。」
取り出したのは一丁の突撃銃。名をオペラ・メテオラと言いワントリガーで3発弾の出る3点バースト銃。名の通りかん高い音と共に吐き出される弾は高火力なのだが、反動が大きく亜人だとほぼミスるかジャムる。なら、なんでこんなもんを持ってきたかと言えば銃剣を装備して突撃するため。
この銃の覚醒ボーナスはジャムしない事で、確率論だけで言えばゼロ距離でジャムらないなら残りはミスだけ。まぁ、そのミスを連発するのでやっぱり銃は両手持ちしか使えないな・・・。
「いいんですか?」
「いいよ。モンスタードロップだし、何より亜人に銃はね・・・。イベント終わったら返してよ。」
篝火さんに銃を渡して装備したのを確認し、コンクリートジャングルをモンスターを倒しつつひた走る。他のプレーヤーからハイエナされる事もあるけどそれは仕方ない。誰しもがカボチャ頭にヘッドショット決めたいしね!




