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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
506/530

一代目鉄火斎動く その②

煮える油に手を入れて


真実を暴き出す


「ただいま戻りました」


山道を抜けて、架陰とココロは、二代目鉄火斎の住む山小屋に帰ってきた。


架陰の声を聞いて、小屋の扉を開け、アクアと二代目鉄火斎が顔を出す。


「ああ、おかえり。何体倒せた?」


「すみません、異常事態が発生したので、途中で切り上げて帰ってきました」


「異常事態?」


アクアが怪訝な顔になる。


すぐに水浴びをして、身体の汗を流したいところだったが、架陰は息を整えて、先ほど起こったことをアクアに説明した。


「実は…、笹倉に襲われました」


「え…、笹倉に?」


アクアの顔が強張る。


「どうして、悪魔の堕彗児がここに? 交戦したの?」


「はい、刃を交えました」


「勝ったの?」


「いや、まだ【名刀・夜桜】をうまく使いこなせなかったこともあって、倒すには至りませんでした、撃退には成功しましたが」


「笹倉は一人で?」


「はい、他に敵はいませんでした」


「うーん、何がしたかったのかしらね?」


アクアが首を傾げる。


架陰は「それのことですが」と言って続けた。


「最初は、いつものように、悪魔を宿す僕を誘拐しに来たのだと思いました…」


架陰は一呼吸置いてから、隣のココロを見た。


「ですが、笹倉のやつ、ココロの【名刀・秋穂】を持って逃げようとしたんですよ」


「秋穂を盗もうとしただと?」


二代目鉄火斎が眉間に皺を寄せて、架陰の話に食い入った。


「おい! それで?」


「ああ、大丈夫です」


架陰は鉄火斎を宥めるように言った。


それから、ココロがそれを示すために、腰に差した刀を抜いて見せた。


ココロが言う。


「実はな、あの背中に翼が生えた野郎が、ボクの刀を掴んだ時、やつの手の中に、電撃のようなものが走ったんだ。おかげで、やつは刀に触れられなかった」


「電撃だと?」


鉄火斎の眉間の皺が深くなった。


「そりゃ、どういうことだ?」


「知らねえよ」


名刀秋穂が見せた「拒絶反応」のことは置いておいて、架陰は、笹倉の目的について考察した。


「アクアさん、多分あいつ、ココロの【名刀・秋穂】を狙って、僕たちを襲撃したんだと思うんですよ」


「なんで?」


「だって…」


架陰が、アクアの横に立っている二代目鉄火斎を見る。


鉄火斎はもどかしくなって首を横に振った。


「いいぜ、言えよ」


「その…、悪魔の堕彗児側には、鉄火斎さんの師匠…、【一代目鉄火斎】さんがいるじゃないですか」


「ああ、そうだな」


二代目鉄火斎は察しがついていた。


「その…、ココロの秋穂の製作者も、【一代目鉄火斎】ですよね?」


「そうだな」


「ってことはつまり、笹倉に指示を出したのは…、一代目鉄火斎なんじゃないかって…」


「………」


二代目鉄火斎の瞳が曇ったような気がした。


すぐにそれを悟られまいと、彼は首の後ろをポリポリと掻いた。


「ったく、あの馬鹿師匠、一体何を企んでいるのやら…」


「でも…、変な点があるぜ」


ココロが口を開いた。


「お前らの事情は知らないけど…、この秋穂の製作者が、あの笹倉ってやつに指示を出したのなら…、おかしな点がある」


「おかしな点?」


「ああ、一代目鉄火斎は、秋穂の製作者だぞ? だったら、秋穂を持った時に、電撃のような防護結界が発動することくらい、知っていたんじゃないか?」


ココロはそう言いながら、腰の秋穂を抜いたり、鞘に戻したり、落ち着きのない動きをした。


ココロの考えに、一同が押し黙る。


架陰は顎に手をやって静かに考えた。


(確かに…、秋穂の製作者なら、あの電撃のことを知っているはずだ。それなのに、わざわざ、笹倉に奪わせようとした? 持てるはずがないのに?)


何か、別の目的があったのではないか? と勘繰らずにはいられなかった。


ココロが「それに」と言って続ける。


「【名刀・秋穂】を奪うことが成功したとして、何に使うんだよ」




その③に続く


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