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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
488/530

アクアVSココロ その②

雨宿る秋穂の


何と美しい様よ


私は露を一口啜り


鴉の翼を擡げている


「ぶっ殺してやる!」


逆上したココロは、木刀を中段に構えると、アクアを獣のような目で睨んだ。


アクアが「おお、怖い」と肩を竦める。


次の瞬間には、ココロは砂塵を巻き上げて地面を蹴り、アクアに向かって斬り込んでいた。


「死ねや!」


木刀から、肌を這うような殺気があふれ出る。


それを、傍らで見ていた架陰は思わず叫んだ。


「危ない! アクアさん!」


ココロが、「技」を出すことに気が付いたからだ。


目にも留まらぬ四連撃を叩き込み、相手の行動を一次的に封じ込める強力な攻撃。


架陰も、一度彼女と対戦したときに、それを喰らって戦闘不能に追い込まれていたのだ。


「おいでおいで」


アクアは拒まない。


ココロは全力で、アクアに木刀を振り切った。



「心響流! 一の技! 【一条】ッ!」



ボコンッ!


と鈍い音が辺りに木霊した。


ココロの一閃を、胸の前で交差させた腕で受け止めたアクアが、その斬撃に踏ん張ることができず、後方に吹き飛ぶ。


「アクアさんッ!」


「ありゃあ、これはすごい」


アクアは吹き飛びながら、ココロの剣技に感嘆の声を洩らした。


ココロは止まらない。


再び地面を踏み込み、ロケットを彷彿とさせる軌道を描いて、空中に跳び上がった。


「二の技…!」


空中機動でアクアに追いつくと、さらに木刀を振り下ろす。



「【二条】ッ!」



宙に浮いていたアクアの身体が、地面に向かって真っ逆さま。


これも腕で防いだアクア。そのまま、背中を地面に打ち付ける。


そこに、ココロは回り込む。


「三の技…!」


一閃。



「【三条】ッ!」



墜落したアクアが、再び天高くに打ち上げられた。


「さて、これで終わりだよ」


ココロはすうっと息を吸い込むと、腰を落とし、獲物に飛び掛かる獣のような体勢をとった。


ギランッ! と、目が鋭く光る。


「四の技…!」


地面を蹴りだした瞬間、その余りにもの脚力に、土の地面に蜘蛛の巣のような亀裂が走った。


ヒュンッ!


と空気を裂きながらココロが、空中のアクアに迫る。


勝利を確信したココロは、歯を見せてにやっと笑った。


「終わりだよ!」


刀を振る。



「【死条都下】ッッ!」



渾身の一撃だった。


これで、アクアは戦闘不能に陥るはずだった。


腕をしならせ、酸素使って得たエネルギーで放たれた斬撃は、虚しく、空を切った。


「え…」


空中で、ココロの表情が固まる。


「ふ、不発…?」


「甘い甘い」


はっとして目を向けると、アクアがココロの背後に回り込んでいた。


「お前ッ! なんで!」


「私の能力、舐めてもらったら困るのよ」


アクアは、ぽんっと、ココロの背中に手のひらを押し付けた。


そして、ゼロ距離で【能力】を炸裂させる。



「【水砲撃】…」



ボンッ!


と、アクアの手から放たれた強力な水圧が、ココロを吹き飛ばした。


「ぐッ!」


背中に殴られたような衝撃を覚えながら、何とか体勢を整えようとするココロ。しかし、それをゆるまじと、アクアが手を「ピストル」の形にして構えた。


「【水弾】…」


パシュンッ!


空気を裂いて、小さな水の弾丸がココロの肩を撃ち抜いた。


貫通はしていない。


しかし、関節に強い衝撃を受けたおかげで、彼女の手から木刀が零れ落ちた。


「こいつ…、ボクの弱点を…!」


体勢が整えられないまま、ココロは地面に墜落。背中をしたたかに打ち付けた。


「あぐうっ!」


遅れて、アクアも地面にふわりと降り立った。


「はい、私の勝ちだよ」


「ふざけんな」


ココロは水でびしょびしょになった身体を起こした。


木刀を拾おうにも指が上手く動かない。


「くそ…、手が…、動かせない…」


「多分、関節外れてるから、無理に動かさない方がいいよ」


「くそが…! こんなことあってたまるか!」


何とか木刀を拾うココロ。


しかし、すぐさまアクアが水を発射して、彼女の手から弾き飛ばした。


「はい、もう持てないね」


木刀は空中を舞い、乾いた音を立てて地面に落ちた。


「私の勝ちってことで、アーユーオーケー?」





その③に続く

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