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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
475/530

名刀・秋穂 その②

一条


二条


三条


死条都下


突如、三人の前に現れた男。


身長は160センチほどで、細身の身体に、学ランを羽織っている。


地毛なのか、それとも染めているのか、焦げ茶の髪の毛がそよ風に揺れた。


猫のようなキリッとした目が、三人を見据える。ニヤッと笑った口からは、幼げな八重歯が顔を覗かせた。


その姿は、以前、真子と八坂が遭遇した【UМA狩り】と同じだった。


「さてと、ハンター狩りと行こうか」


男はそう言うと、腰に装備した刀に手を掛けた。


シュンッ!


と、空気を裂いて抜刀する。


その瞬間、すぐ隣にいた八坂の身体がぐらっと揺れた。


「八坂くん!」


八坂は糸が切れた人形のように、その場に倒れこんだ。


あの学ランの男が何かをしたということは明白だった。


「安心しなって、みねうちだから」


学ラン男はそう言うと、抜き身の刀を架陰に突きつけた。


雨上がりの稲穂のような、金色の刃。鍔には、芝の葉のような文様が刻まれている。


「とりあえず…、ボクの目的は…」


その瞬間、気絶した八坂の身に異変が起こった。


峰を打ち込まれて赤く腫れあがった首筋から、黒い煙のようなものが湧き立つ。


「あれは!」


「こいつは、スレンダーマンの魂みたいなもんだよ」


そう言うと、学ラン男は、煙に向かって刀を一閃する。


黄金の刃に切り裂かれた黒い煙は、シュンッ! とその形を歪め、まるで、刃に吸収されるようにして消え失せた。


「ふふふ…、大物ゲット…」


学ラン男は、刀の刃を眺めてほくそ笑んだ。


気配がしたと思い、目を向ければ、架陰が刀を構えて間を詰めていた。


「おっと!」


学ラン男はすぐにその場から離れた。


すぐ近くにあった木の枝の上に飛び移り、襲い掛かってきた架陰を見下ろす。


「なんだよ、急に襲うなよ」


「ごめん…」


架陰は刀を地面に突きつけたまま謝った。


「でも、僕たちの目的は、君を捕獲して、話を聞くことなんだ」


「話?」


学ラン男は、焦げ茶の髪の毛をかき上げて、ニヤッと笑った。


「ハンターがボクの話を? 笑わせるなよ」


「別に、笑わせるつもりなんてないんだけど…」


「とにかく、そう言うのは御免なんだ」


学ラン男は、枝から飛び降りて、架陰と対峙した。それから、倒れている八坂の方に目を向ける。


「あの男、もう大丈夫だよ。僕が意識を奪って、スレンダーマンを追い出したから」


「うん、それは感謝する…」


架陰は建前で謝った。


もし、あの時、真子の麻酔矢をこの男が弾いていなければ、あの時点で八坂の意識を奪うことができたのだ。


それを、わざわざ邪魔をしたということは、彼も厚意で八坂を助けたわけではないことくらい察しがついた。


「でも、それとこれとは話が別なんだ」


架陰は腰の刀に手を掛ける。


「任務なんだ。出会えて嬉しいよ。だから、僕は、君を捕獲する…」


「へえ、UМAみたいに言ってくれるね」


その瞬間、学ラン男が刀を一閃した。


架陰は状態をのけ反らせて刃を躱す。


「くっ!」


「おらよ、捕まえて見ろよ」


ギンッ!


と、架陰と学ラン男の刀がぶつかり合う。


ギリギリと鍔迫り合いをしながら、架陰は二代目鉄火斎に指示を出した。


「鉄火斎さんは! 八坂くんと真子ちゃんの保護を優先してくれ! ここは僕が食い止めます!」


「お、おうよ!」


二代目鉄火斎は困惑しながら頷くと、倒れている八坂と真子を抱え上げて、走り始めた。


三人は無事に逃げた。


一対一なら、心置きなく戦える。


「さて、本番と…」


さて、本番と行こうじゃないか。


そう言おうとした瞬間、学ラン男が架陰を強い力で押し切った。


ぐらっとバランスを崩す架陰。


(まずい! やられる!)


追撃に身構えた瞬間、学ラン男は、目をギンッ! 見開いたまま、架陰の横を通り過ぎて走り始めた。


「え…?」


突然、勝負を放り出された架陰は、再び動き始めるのに、数秒を要していた。


「お前! 何処に行くんだ!」


慌てて、足袋で地面を蹴り飛ばして走り始める。


学ラン男が走って向かった方向、それは、二代目鉄火斎らが逃げた方向だった。


「くそ!」


架陰は、魔影を使って加速すると、学ラン男の正面に回り込んだ。


「行かせないよ!」


「退けよ!」


学ラン男が刀を振り下ろす。


焦っているのだろうか? 大振りの一撃だった。


ギンッ!


と、刀を使って受け止める。


学ラン男は、目を獣のようにぎらつかせて、架陰に食いついてきた。


「退け! ボクは、あの鉄火斎という男に用があるんだ!」


「鉄火斎さんに?」


こいつ、何を言っているんだ?






その③に続く

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