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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
383/530

灼熱地獄 その②

業火に焼かれた僕達は


骨一片灰になろうとも


砂粒一つつまみ上げ


潮風と共に歩んでゆく

2


「一つ聞こう・・・」


煮えたぎる溶岩が周りを取り囲む中、一代目鉄火斎は悠長に話し始めた。


「僕達【匠】・・・、つまり刀鍛冶は、なんのためにいると思う?」


「あ?」


蒼弥は眉間にシワを寄せるも、答えた。


「武器が必要とされているからだろうが。DVLウイルスの蔓延で、能力者が生まれなくなった世界だから、UMAに対抗するには、武器を持つしかないだろ」


「そうだね・・・。僕達、刀鍛冶の役目は、UMAハンター達に武器を提供することだ。決して、私利私欲、殺人衝動のために作ってはいけない」


「そう、師匠が教えてくれたもんな・・・」


「だけどね、蒼弥・・・」


不意を突くようにして、一代目鉄火斎は刀を斬りあげた。


どろりとした溶岩が、斬撃となって蒼弥に迫る。


「水砲!!!」


アクアが背後から射撃して溶岩を冷却した。


ゴトッ!!と、地面に落ちる溶岩。


殺気のこもっていない一撃だった。ただの牽制のようだ。


「蒼弥・・・、僕は、そう信じていたんだ。刀鍛冶のあるべき姿は、UMAハンターのために尽力することにあると・・・」


「・・・・・・」


「そう信じて、生き続けてきた・・・」


ゴボゴボと溶岩が煮える。


空気が膨張したような感覚に襲われ、頬をちりちりと焼いた。


身体中から汗が吹き出す。


「く・・・」


「だけど、違うことに気がついたんだ・・・」


地面に刃を突き立てる一代目鉄火斎。


引き抜くと、粘性のある溶岩が、糸を引くようにして伸びた。


溶岩で形成された、灼熱の鞭。


それを、体操のリボンを扱うみたいにして振り回す。


「っ!!」


蒼弥は慌てて飛び退いた。


彼の立っていた場所に、うねった溶岩鞭が直撃して、火花を散らした。


「蒼弥・・・、今の僕の姿を見なよ」


ニヤニヤと笑い、連続で溶岩鞭を振り回す一代目鉄火斎。


すかさず、アクアが水砲を放って、溶岩鞭を冷却した。


しかし、一度は黒っぽく固まりかけた溶岩だったが、直ぐに元の赤々とした色に戻り、蒼弥を襲った。


「うわっ!!」


ギリギリのところで回避。


「アクアさん!! 冷却早く!!」


「したわよ!!」


アクアは、指先に水分を集結させると、ピストルのような精密動作を持って射撃した。


水の塊は、一代目鉄火斎が振り回す溶岩鞭に直撃する。


だが、冷やされた溶岩は、直ぐに元に戻るのだ。


「残念!! 確かに君の能力で、ボクの溶岩を冷やすことはできるけど・・・、ボクが能力の出力を上げてしまえば!! 冷却は追いつかない!!」


うねる溶岩の鞭。


彼が刀を振る度に、それは大蛇のように二人に襲いかかった。


「くっ!!」


ギリギリのところで躱す蒼弥。


「アクアさん!!」


「分かってる!!」


アクアは手の中に水を発生させたが、撃ちあぐねていた。


(どうする!?)


溶岩を引き伸ばして形成した鞭が邪魔をするせいで、術者本体に近づくことが出来ない。


だからと言って、水で溶岩を冷却しようにも、一代目鉄火斎は能力の出力を上げているために、一時の時間稼ぎにしかならない。


そして、溶岩に向かって水を砲撃すれば、必ず【水蒸気】が発生する。


蒼弥は「上昇気流を発生させて払う」と言っているが、あまり効率的とは言えない。


(視界を奪われている隙に殺られる!!)


だが、このままでは拉致が明かなかった。


「舐めてんじゃないわよ!!! この餓鬼がっ!!」


アクアは一代目鉄火斎に罵声を浴びせると、上体を引いて、勢いを付けた。


一か八か。


「本体を狙う!!」


水を集結させた右手を、突き出す。


「水砲撃!!!」


水の塊がビームの如く発射された。


「甘いよ!!」


「っ!!」


一代目鉄火斎はドロドロの地面を蹴って後退しようとした。


アクアはすかさず、能力で、水を操る。


「軌道変化!!」


水砲は、アクアの指示の元、軌道を変えて鉄火斎を追尾した。


「私の水は!! 命中するまで止まらないわ!!」


「なるほどね」


一代目鉄火斎に慌てる様子はない。


一度刀を鞘に納めると、指をパチンッ!!と鳴らした。


「せり上がれ!」


その瞬間、一代目鉄火斎の足元から、煌煌と発熱する溶岩の壁がせり上がった。


「っ!!」


「防げよ」


水撃は、その壁に直撃。


ボンッ!!!!


と、爆発音が響き、アクアの放った水は一瞬で白い水蒸気に変化した。


「くっ!!」


アクアはすぐ様、能力で水蒸気を一箇所に集めようと試みた。


しかし、膨張した水分は、彼女の【水操作】の能力をもってしても容易ではなかった。


「二代目鉄火斎!! 攻撃に失敗したわ!! 直ぐに上昇気流で水分を飛ばしてちょうだい!!」


「わ、わかった!!」


蒼弥は地面に炎を放って、立ち込める水蒸気を上空に飛ばした。


霧が晴れた瞬間、溶岩の鞭が飛んできて蒼弥の腕に巻きつく。


「っ!!」


「焼けな」


ジュワッと、彼の着物の袖が焼け消え、肉を焼いた。


煙が発せられ、一瞬で彼の腕を骨まで焼く。


「ああっ!!」


蒼弥はあまりにもの痛みに発狂した。











「あああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁっ!!」











その③に続く


その③に続く

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