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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
309/530

寄生悪魔恢恢 その②

紅の


散りゆく紅葉


朗らかに


我が衣手は


風に揺れつつ



2


「体内に・・・、悪魔を飼っている・・・!?」


精神の世界の中、悪魔とジョセフによって知らされた驚愕の事実に、架陰は動揺を隠せなかった。


「って、どういうことですか? 悪魔は僕の身体の中に・・・」


「馬鹿カ・・・」


架陰の目の前に立っていた悪魔は、そう吐き捨てた。


「悪魔ハ一匹ダケカト思ッタカ?」


「え・・・」


「つまり、こういうことらしい」


悪魔のもったいぶった言葉を、隣で聞いていたジョセフが要約した。


「【悪魔】と呼ばれる生物は、UMAに分類される。そして、その数は一匹だけじゃないんだよ。蝉の中にもアブラゼミとかミンミンゼミがいるみたいに、様々な種類がいるんだ。そして、架陰。君の精神の中に住み着いているこの悪魔とはまた別の個体が、あの【スフィンクス・グリドール】に取り憑いているんだよ・・・」


「別個体・・・!?」


架陰が理解を始めたのを見て、悪魔が裂けた口角をにまっと上にあげた。


牙が覗き、鈍く光る。


「ソウダ・・・、悪魔ノナカ二モ様々ナ種類ガアル。サシズメ、ヤツハ【DVLウイルス】ヲ餌ニシテ本物ノ悪魔ヲ呼ビ寄セタンダロウヨ・・・」


「どうしてそうする必要があるんですか?」


「ソウシタ方ガ、【有利】ダカラダ・・・」


「有利?」


「アア。架陰。貴様ノ能力ノ【魔影】ハ、イワバ【借り物】ノ能力。ワシノ【悪魔】ノ能力ト、ジョセフノ【影】ノ能力ガ融合シタモノダ」


悪魔はそう言ったあと、「つまりこう言うことだ」と続けた。










「【悪魔】ノ能力ハ、主ニ【能力の強化】。ヤツガ元ヨリ持ッテイタ能力ヲ強化スルノニ役ニタツンダヨ・・・」










そのタイミングで、隣にいたジョセフが口を開いた。


「架陰・・・、僕が生きていた頃の能力は、【影】だったんだ。なんてことの無い能力だ。自分の身体を影に変身させて、あらゆる物理攻撃を無効化する。というものだ。だけど、悪魔の能力と融合して以来、その【影】と触れ合った瞬間に衝撃波が発生するようになったんだ。これが、今君が使っている【魔影】の能力の原型だね」


「じゃあ・・・」


「ああ。恐らく、あのスフィンクス・グリドールという男は、悪魔を体内に取り込むことのメリットを理解している男だ。君みたいに、望まぬうちに取り憑かれていたのではなく、自ら、悪魔と契約を結んだ男・・・」


ジョセフが手を伸ばしてきて、架陰の肩をぽんと叩いた。


「とにかく、スフィンクス・グリドールは危険だ。放っておけばどんな事態になるか分からない」


その点については、悪魔の方も同感だったらしい。


「安心シロ。ヤツニ取リ憑イテイルノハ【下級悪魔】ダ。ワシノ実力ニハ及バナイ・・・。ダガ・・・、本体ノ実力ハ確カナヨウダナ・・・」


赤黒く光る視線を向けられた。挑戦的な目だ。


「貴様ニ倒セルカナ?」


































































「今、悪魔の世界に向かってたでしょ?」


スフィンクス・グリドールの飄々とした声で、架陰は我に返った。


「・・・・・・」


顔を上げる。


一秒と掛からない一瞬の気絶だったが、スフィンクス・グリドールにはおみとおしだった。


「あーあ。しくじっちゃったなぁ・・・」


スフィンクス・グリドールは天を仰いで頭を抱えた。


「だから、君に会いたくはなかったんだよ。対峙してしまえば、僕が【悪魔】を飼っていることが、君の中に住み着いている【悪魔】にバレてしまうからねぇ・・・」


「・・・・・・、はい。いまさっき、悪魔が僕に教えてくれました・・・」


スフィンクス・グリドールは、顔を覆った指の隙間から鋭い目を覗かせた。


「ねぇ、君の悪魔はどんな形をしているんだい?」


「っ!」


「いいだろう? 教えてくれよ。ただの好奇心なんだ・・・」


架陰の耳元で、ジョセフが「答えるな」と囁いた。


架陰は息を深く吸い込んで口を閉ざした。


「言いたく、ありません・・・」


「そうか」


スフィンクス・グリドールは肩を竦めた。


「じゃあ、こうしよう。僕の悪魔の形を教えてあげるよ」


「・・・・・・」


架陰の耳元で悪魔が「聞イテオケ。情報ハ有益ダ」と囁いた。


「ギブアンドテイクといこうよ。僕は僕の悪魔を君に教える。君は僕に悪魔について教えておくれ」


「・・・・・・いえ・・・」


架陰は錆び付いたように固まった首を横に振った。


刀を中段に構える。


「ギブアンドテイクではこちらの都合が悪い。このままぶっ飛ばして、あなたについて教えてもらいますよ・・・!!!」


「へえ・・・」


スフィンクス・グリドールの口元が裂けるように笑った。











「じゃあ、僕も君をぶっ飛ばして、悪魔について教えてもらおうか・・・」















スフィンクス・グリドールVS市原架陰。


開戦。











その③に続く




その③に続く

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