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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
292/530

四天王動く その③

擦りむけた手を握る

3


幻影がスフィンクス・グリドールの周りを取り囲んだ。


四方八方、炎。炎。炎。炎。炎。炎。炎。


「おやあ、これは大変」


スフィンクス・グリドールは、至って冷静。それどころか、この幻覚を楽しんでいるように見えた。


「まあ、僕の能力には、【幻影】は通用しないんだけどね・・・」


そう言って、手刀を作り出すと、虚空に向かって一閃した。










ザンッ!!










斬撃が放たれる。


そして、幻影の先にいる、狂華の背中に直撃した。


「がはっ!!」


狂華の背中の布がぱっくりと裂けて、血が噴出した。


赤黒い血液が飛び散る。


「くっ!!」


苦痛に足を止めた瞬間、スフィンクス・グリドールが狂華の頭を掴んで、地面に叩きつけていた。


「はい、捕まえたよ」


素早い。


「くっ!!」


狂華は、地面に顔面を押し付けられたまま、目をスフィンクス・グリドールの方へと向けた。


まずい。


かなりまずい状況だ。


「さてと・・・」


スフィンクス・グリドールは、狂華の髪の毛を掴んだまま、彼女を吊り上げた。


「面白いね。まさか、UMAハンターの中に【悪魔の堕慧児】が紛れ込んでいるとは思わなかったよ・・・」


「や、やめて・・・、放して・・・」


「放すわけないだろ?」


スフィンクス・グリドールがニコッと笑った。


その瞬間、狂華の腹に重い拳が叩き込まれた。


「ごふっ!!」


胃酸が逆流して、喉の奥から溢れた。


ガクッと身体から力が抜ける。


「なるほど、悪魔の堕慧児とはいえ、内臓には弱いようだね・・・」


狂華の苦痛を確認すると、再び拳を放つ。


今度は、少しした。


子宮の部分。









「あぁあああああああぁあああああああああああああああ!!!!!!!」









「この部分をやられて痛いってことは、生殖機能はあるってことだね。なるほど・・・、UMAの姿になっても、人間の基本的能力は持ち合わせているのか・・・。うん、実に面白いよ」


「くっ、そ・・・」


狂華は口の端からだらりと唾液を垂らしながら、スフィンクス・グリドールを睨んだ。


どうにかして、この拘束を解かなければならない。


「げん、えい・・・」


痺れたように動きが鈍くなった手を翳すと、スフィンクス・グリドールに幻影をかけようとした。


しかし、スフィンクス・グリドールは特に表情を変えることはなく、狂華の腹を殴った。


「ああああああああぁぁぁッッ!!」


「もうやめよう。君の【幻影】の能力は、僕には通用しない」


パッと手を離すと、狂華は糸の切れた人形のように地面に伏した。


腹が痛い。


もう、動けなかった。


「とりあえず、君はUMAハンターの名にかけて、【捕縛】させてもらうよ」


「ま、待って・・・」


狂華は、スフィンクス・グリドールに縋った。


「お願い・・・、私は・・・、悪魔の堕慧児だけど・・・、UMAハンターを裏切っているわけじゃない・・・、百合班を、裏切っているわけじゃない・・・」


「ああ、わかってるよ」


スフィンクス・グリドールは、悪意をベッタリと貼り付けた顔で笑った。


「僕が、君に興味があるんだよ」











その瞬間、狂華の意識が途切れた。









「さてと・・・」


気を失った狂華を抱えたスフィンクス・グリドールは、さらりとした髪の毛を揺らし、上空を飛行するヘリコプターを見上げた。


「この検体は、とりあえず回収するとして・・・、次は他のUMAハンターだな・・・」


ニンマリと笑う。


「もう、基本的なデータは取れた。面白い逸材が四人いたな。桜班の、【市原架陰】と、【城之内カレン】。【雨宮クロナ】に、【鈴白響也】・・・」











最強格の男が、動き出す瞬間だった。










第86話に続く




第86話に続く

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