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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
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感染する時 その②

悪魔の子を孕む死神

2


響也は、「しまった」と、己の行動を後悔した。


思わず、頭に血が登ってしまったのだ。


だから、能力持ちの西原に、考えもなしに斬りかかってしまった。


案の定、顔面に結界を張られて、姿勢を崩す。










次の瞬間には、西原の神速の刃により、響也は切り刻まれていた。


身体中がカッと熱くなり、生暖かい血液が噴出する。


視界の中で、赤いものが広がり、白い火花が弾けた。


身体の力が抜け、地面に墜落する。


出血の量が酷すぎて、ぬるりと地面を滑った。










「く・・・、そ・・・」


響也はDeath Scytheを握ろうとしたが、力が入らなかった。


一気に血液が抜けたおかげで、意識が定まらない。


まるで地震の中にいるかのように、小刻みな揺れが響也を襲った。


「はあ・・・、はあ・・・」


ダメだ。気を失う。


(ちくしょう・・・!!)


響也は、歯を食いしばった。










負ける。


いや、負けたのだ。


自分は負けた。


西原に、負けた。


圧倒的に負けた。


(嫌だ・・・)


響也は、何とか血まみれの手を着いて立ち上がろうとした。


だが、血で滑り、倒れる。


「はあ・・・、はあ・・・」









薄れゆく意識の中、響也は、カレンのことを思い浮かべていた。









最初から気づいていたさ。


カレンは、「他と少し違う」ということに。違う。ということは、「性格」はもちろん、「常人」も含める。


自分で「私は城之内家の時期当主よ」とは言いながらも、金持ちの御屋敷に住んでいる様子はない。


従えているのは、西原のみ。


リムジンには乗っているものの、食べ物や服装は至って一般的。


言葉と、行動が一致していない。と表現すればいいのだろうか?


上品な振る舞いとは裏腹に、庶民的な彼女の姿に、響也は人知れず違和感を覚えたものだ。


そして、心のどこかで、「カレンには、秘密があるんだろうな」と思っていた。


案の定、このザマだ。


西原は、何かを隠している。カレンに対する、重大な何かを、ひたむきに隠している。


響也は、それが何かを知りたかった。きっと、「悪いこと」ということは目に見えている。


西原が、カレンの親友である響也にまで隠し通す。ということはそのためなのだ。








だからこそ、響也は知りたかった。









(なあ・・・、カレン・・・)


響也は、カレンのことを愛していた。恋愛感情では無い。家族のような、慈悲の心を抱いていた。


(私たち・・・、ずっと一緒だったじゃないか・・・)









あの時から・・・。


響也が、喧嘩に明け暮れていた時から・・・、カレンと一緒だった。


そして、二人でUMAハンター採用試験を受けた。


二人で、桜班に配属された。


二人で、UMAと戦った。


分かる。わかっている。


二人で時間を共にする度に、彼女の「嘘」が見え隠れしていることなど、わかっていた。


だけど、響也に向けるカレンの笑顔が、優しさが、愛おしくて・・・、響也は、気にしなかった。








カレンは、カレンなのだ。









たとえ、その正体が、誰であろうと、カレンと過ごした時間は本物であり、誰にも改変することはできない。


(そうだろう?)


カレンは、響也の存在証明だ。


響也が、桜班・班長として刃を振るうために、なくてはならない存在。


そして、響也は、カレンの存在証明でありたかった。


私がUMAの首を刈るから、カレンは、サポートをしてくれればいい。


二人で助け合いながら狩るから、そこに、お互いの存在が証明される。







そこに、命が宿る。








(なあ・・・、教えてくれよ・・・)


響也は、もう一度Death Scytheを強く握りしめた。


(カレン・・・、お前は・・・、何者なんだ・・・)










その瞬間、響也の身に、異変が起こった。













































場面は移り変わる。


響也と西原が死闘を繰り広げている頃・・・、市原架陰と、城之内花蓮は、森の中を次なる獲物を求めてさまよっていた。


突如、架陰の身体から、黒いオーラが湧き出した。


「あれ?」


架陰の能力の【魔影】だ。


普段、この物質は、架陰が能力を発動させる。という意思が無いと発生しない。


(どうして急に、魔影が?)


意志とは関係なく発生した魔影を見て、架陰は、不思議に思いながら、魔影を引っ込ませようとした。


しかし、魔影は、じわじわと架陰の身体から出ていく。


「・・・、何があったんだ?」


架陰は、意識を集中させる。


そして、架陰の精神に住み着いている二人の人物に話しかけた。










(あの・・・、勝手に能力が・・・)


そういうと、架陰の中に住み着いた男の一人であるジョセフが反応した。


「ああ、そろそろ、生まれるみたいだね・・・」


(生まれる?)


架陰が心の中で首を傾げると、ジョセフの隣に胡座をかいて座っていた悪魔が言った。


「子供ダヨ・・・」


(子供?)


ますます意味が分からない。


ジョセフは、「まあ、見てなよ」と言って、困惑する架陰をなだめた。










「今に、次の能力者が生まれるからさ・・・」











その③に続く

その③に続く

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