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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
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【第69話】向日葵班 その①

向日葵を枯らす


灼熱の夏休み


秋桜の揺れる


喉かな始業式

1


響也と赤鬼が戦闘している頃。


架陰は、樹海の中を駆け抜けていた。


湿気たカビっぽい臭いを吸い込み、木々を揺らして動き回る影を視認する。


「山田さん!! そっちに行きました!!」


「分かりました・・・」


木々の反対側に回り込んでいた山田の目の前に、ゴリラのような容姿の、巨大な獣人が飛び出した。


体長約三メートル。


身長が二メートルある山田よりも遥かに大きな身体だった。


「来ましたね・・・、【ビックフット】・・・」









ーーーーーーーーーーーーー


UMA図鑑【ビックフット】


ランクA

体長三メートル

体重192キロ


世界的に有名なUMA。全身毛むくじゃらで、筋肉質な身体はゴリラなどを思わせる。

その豪腕から放たれる一撃は、岩をも砕くとされている。


ーーーーーーーーーーーーー










ビックフットは、「ウオオオオオオオオオオオ!!!!」と、地の底から響くような声を発すると、丸太のような腕を振り上げ、山田へと襲いかかった。


「・・・!」


山田は、丸メガネをくいっと押し上げた。


「では、架陰殿。このUMAは私に狩らせて貰いますよ・・・」


言うが早いか、山田はビックフットから放たれた拳を、両腕で包み込むようにして受け止めた。


ズンっと力が加わり、山田の足が数センチ下がる。


山田は額に青筋を浮かべながら、ビックフットの拳を固定する。


そして、雄叫びと共に、ビックフットを投げ飛ばした。


「っ!?」


自分よりも小さな身体を持つ山田に投げ飛ばされたビックフットは、困惑した様子で、近くの巨大な岩に背中を叩きつけた。


「さあ、仕上げです・・・」


山田は身動きが取れなくなったビックフットとの間を詰める。


そして、素手の拳を放った。










グチャッ!!









生々しい音が響く。


山田の拳は、ビックフットの頭をトマトのように潰していて、辺りにはピンク色の脳みそや、砕けた頭蓋などが飛び散っていた。


「終わりですね」


山田はひと仕事した後のように息を吐くと、血まみれの手を引いた。


「山田さーん!!」


木々を避けながら、架陰が近づいてきた。


山田は架陰に一礼する。


「架陰殿。感謝致します。逃亡するビックフットの行動予測を立ててくれたので、無事に先回りすることが出来ました・・・」


「い、いえ。こちらこそ・・・」


やはり、自分よりも位も背も高い者に感謝されるのは慣れていない。


桜班の架陰と、椿班の山田。


二人は、同盟関係にあった。


別れてしまった仲間と合流するまでの間、UMAと遭遇すれば、互いに共闘をする。


架陰がUMAを倒せば、次に遭遇したUMAは山田が倒す。山田がUMAを倒せば、次に遭遇したUMAは架陰が倒す。


これの繰り返し。


これまでに、架陰は、藤班・三席と、BランクのUMA二体を倒していた。


対して山田は、BランクのUMA一体。AランクのUMAは二体討伐している。


「この共闘契約、なかなか便利ですね!!」


「そうですね。強いUMAがやってきても、二人でかかればサクサクと倒すことができます。短時間で、かなり沢山のUMAを討伐しましたね・・・」


架陰にとっても、山田にとっても、有利なギブアンドテイクだった。










「じゃあ、次に行きましょうか!」


「そうしましょう」


一休みした架陰と山田は、再びUMAを探して歩き始めた。


そんな二人の目の前に、一人の男が立ち塞がる。


「つ!?」


山田にも負けず劣らすの巨体。身にまとった白い柔道着の開いた胸元からは、鋼のような胸筋が顔を覗かせている。肩からは、隆々と豪腕が伸び、毛むくじゃら。


白髪で、年齢的にはかなりの歳を行っている男だ。


「・・・、架陰殿・・・」


「はい・・・!」


山田と架陰はピタリと立ち止まり、立ち塞がった男を警戒の眼差しで見た。


男は、ギロリと二人を睨む。


山田が、架陰に耳打ちをした。


「恐らく、この男の方は、【向日葵班】の人間ですね・・・」


「向日葵班?」


「はい。少し遠方の地域の班なので、あまり面識はありませんか・・・」


どうして、向日葵班の人間が、二人の行く手を阻むのか。


理由はただ一つ。


「僕達の、ポイントを?」


「おそらく、そうでしょうね・・・」


ハンターフェスには、裏ルールというものがある。


それは、人間を倒せば【10】ポイントということだ。


先程交戦した藤班三席の男も、架陰と山田の【10】ポイントを狙って攻撃してきた。


つまり、この男も。


(警戒しないと・・・)


架陰は唾を飲み込み、腰の刀に手をかけた。


その瞬間、向日葵班の人間である大男か動く。


反射神経でも捉えられないほどのスピードで、架陰との間を詰めると、その剛腕を、架陰に向けて放った。


「えっ!?」









架陰は、反応出来なかった。










その②に続く

その②に続く

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