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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
219/530

死神の宴 その②

死神は人の血液を酒として


生者の肉を肴とする

2


「はあ・・・、ここはどこなんだ・・・」


響也は、ため息を一つつきながら辺りを見渡した。


少しホコリが降り積もった、茶色の床。


ヒビが入り、黄ばんだ白い壁。


そして、手を伸ばしても届くことない高い天井には、切れた電球がぶら下がっていた。


ここはどこなのか。


見たところ、【学校の体育館】であった。


「ゲートをくぐったら、こんなところに飛ばされてるし・・・」


響也はめんどくさくなり、床に腰を下ろした。


「UMAはいないし・・・、なんか、遠くで架陰の声がしたし・・・」


ちなみに、響也がこの体育館でサボっている間に、架陰と山田は、藤班の副班長である【東堂樹】との交戦中であった。


「めんどくさい・・・」


そういうと、響也は着物の袖からトランシーバーを取り出した。


いつの間にか、トランシーバーにメッセージが送られて来ている。


響也は隈の浮いた目で液晶を眺めた。


「【城之内カレン脱落】?」


それは、響也が班長を務める桜班の副班長の城之内カレンが敗北した。ということの知らせだった。


「なんだ、あいつ、負けたのか・・・」


響也は素っ気なく言った。


「にしても、カレンが負けるUMAって、どれだけ強いんだ?」


ちなみに、城之内カレンは、百合班の班長である、【香久山桜】によって敗北している。


響也は舌打ちをした。


「ああ、もう。考えがまとまらん」


そう言うやいなや、トランシーバーで本部に連絡を入れる。


マイクから、機械的な女性の声が発せられた。


『はい、どうされましたか?』


「支給品を要求する・・・」


『何になされますか?』


「エナジードリンク」


『え?』


機械的な女性の声が困惑した。


『エナジードリンクですか?』


「エナジードリンクだ」


『本当に、エナジードリンクでよろしいんですね?』


言いたいことは分かる。


エナジードリンクなんてものを要求する前に、武器とか、回復薬などの、実用的なものを頼め。と言いたいのだ。


「エナジードリンクだ」


響也はエナジードリンクの一点張り。


『分かりました。では、転移装置を使って、エナジードリンクをそちらに転送します』


その瞬間、響也の足元に、コロンと、エナジードリンクの缶が転がった。


「お、凄いな・・・」


響也はニヤッと笑って、エナジードリンクの缶を拾い上げた。よく冷えて、表面には水滴が付いている。


「ちっ、好きなメーカーじゃないじゃないか・・・」


このメーカーのエナジードリンクの味は悪くないが、カフェインをけちられているせいで、あまり効果が無いのだ。


「まあいい」


響也は缶のプルトップを引いて開栓した。


プシュッと音がして、エナジードリンク特有の化学的な香りが漂う。


響也は、右肩に掛けた【Death Scythe】を壁に立てかけると、腰に左手を回して、ごくごくと飲み始めた。


「ああ、やっぱりエナジードリンクが無いとやっていけないな・・・」


500ミリのエナジードリンクは、一瞬で空になってしまった。


「さてと・・・」


空のエナジードリンクを放り投げる。空き缶は、床の上で盛大な音を立てて跳ねた。


「どう動くかな・・・」


もう戦いは始まっている。


このフィールドに放たれた八十人のUMAハンター達が、ポイントを稼ぐために戦っている。


「こんな埃臭い体育館に引きこもってても・・・、UMAはやってこないからな・・・」


壁の【Death Scythe】の手に取ると、右肩に掛けた。


左手で、体育館の扉を押す。


ギギギ・・・、と、軋みながら、扉か開いた。


その扉の隙間から、忍者の黒装束を身にまとった男が顔を出す。


藤班の人間だった。


「なっ!?」


響也の顔がサッと青ざめた。


その瞬間、扉の隙間をぬるりと抜けて、藤班の男の蹴りが響也の腹にめり込んだ。


「ちっ!!」


響也は反射的に後方に飛んで、蹴りの勢いを弱める。


「ふっ!!」


体重を後ろにかけて、男の顎を蹴りあげた。


ゴリッと音がして、男の顔が仰け反る。


二人は身を捩りながら、同時に床に着地した。


「・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


睨み合う響也と、藤班の人間。


最初に口を開いたのは、響也の方だった。


「お前・・・、何者だ・・・?」


「オレは・・・、【藤班】の班長・・・、【雀部俵太】・・・」


「藤班・・・」


響也はギリッと歯ぎしりをした。


藤班の噂なら知っている。


毒や暗器を駆使して、静かに獲物を狩る集団・・・。


「おい、藤班の班長ともあろう人間が、UMAと人の区別が付かないのか?」


「区別? 付くに決まっているだろう?」


藤班の班長である、【雀部俵太】は、黒装束の奥でニヤリと笑った。


「ハンターフェスが初めてのお前達に教えてやろう・・・」


そう言って、腰に差した短刀をスラリと抜く。


「人間を倒せば・・・、【10】ポイントだということを・・・」


「・・・?」


「藤班はもう後がない。先程、副班長と三席、四席の脱落の連絡を受けた・・・、これで、残るは班長であるオレだけだ・・・」












その③に続く



その③に続く

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