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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
213/530

クロナVS桐谷 その②

虚偽であることに意味がある


虚偽であることに恋をする


虚偽であることにときめいている

2


「さあ、もっと楽しもうぜ!!」


レイピアを構えた桐谷は、低い姿勢からクロナに斬り込む。


「ちっ!!」


クロナは、刀を下段に構えて、その突きを受け止めた。


桐谷は連続で突きを放つ。









キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!










「こいつ、速い!!」


「そりゃそうだろ!! オレの剣術は、西原さん直伝だぜ!! 捉えられるわけがねえんだよ!!」


「西原?」


クロナの、苦悶の表情がピクっと動いた。


西原・・・。


どこかで、聞いたことがある名前。


その名前に気を取られたおかげで、クロナは、足元への注意が散漫になった。


右足が、落ちていた枝を踏みしめ、パキリと折る。


「っ!!」


足裏で、円柱状の枝が滑り、クロナの足元をすくった。


「しまった!!」


「貰った!!」


桐谷が、がら空きになったクロナの胸に、レイピアの突きを放つ。


クロナの左胸に、鋭い剣の切っ先が触れる。


クロナは歯を食いしばると、軸足を左足に変換して、全力で地面を押した。


後方にクロナの身体が飛ぶ。


「っ!!」


間一髪であった。


切っ先が、クロナの胸に刺さるよりも先に、クロナは突きと同じスピードで跳んで、勢いを受け流したのだ。


「あっぶなぁ!!」


かなり危険なギャンブルであったが、何とか無傷で攻撃を防ぐことが出来た。


仕留めきれなかった桐谷は、頬を膨らませ、不平を洩らした。


「ちっ!! 仕損じたぜ!!」


「お疲れ様!」


クロナは地面を蹴って、桐谷の隙を突く。









ギンッ!!!










二人の刀と剣がぶつかり合う。


【名刀・黒鴉】のクロナと、【名剣・甲突剣】の桐谷の相性は悪かった。


片方にしか斬れる部分がなく、変幻自在に戦闘方法を変えることができるクロナの刀に対して、桐谷の武器は【突き特化】。ピンポイントに、相手の弱点を突いてくる。


切り結ぶことも難しく、反応するのも一苦労。


一撃必殺のレイピアか、連撃の日本刀か。


「ちっ!!」


「くっ!!」


お互いに顔を顰めたまま、刃をぶつけ合う。


ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!


「大体!! あんた、何者よ!!」


クロナは桐谷の突きを受け流し、腕に自らの腕を回して固定した。


至近距離で、桐谷へと問いかける。


「いきなり襲ってきて、『架陰を夫として頂く』なんて言っちゃってさ!!」


「ああん? あんたには関係ねぇよ!!」


桐谷は腕に力を込めて、クロナの関節固めから逃れようとするが、クロナはさらに強く力を込めた。


「言ってもらわないと困るわ! 架陰は私たちのものよ!!」


「私のものだあ? 市原架陰は、お嬢様のものだ!!」










ドンッ!!!











桐谷は再び地面を強く踏み込んだ。


腕にしがみついたクロナを引きずりながら、木の幹に叩きつけようと駆ける。


「二度は喰らわないわ!!」


クロナは桐谷が進む方向とは逆方向に踏み込み、勢いを相殺した。


「っ!!」


桐谷の動きが止まる。


「おりゃあ!!」


そのまま、桐谷の首にかにばさみを仕掛け、枯れ葉が積もった地面の上に叩きつけた。


「ぐっ!!」


「終わりよ!!」


暴れる桐谷の腕を押さえ込む。


「ちくしょう!! 離せよ!!」


「こっちだって離したいわよ。知らない男の顔に、股を近づけているんだからね・・・、でも、あんた達の目的を教えて貰うまでは、絶対に離さないわ・・・」


「ああああ!! 執事には守秘義務があるんだよ!! お嬢様の命令は絶対だ!! お嬢様が市原架陰に一目惚れしたから、市原架陰を誘拐して婿にしようとするなんて、絶対に言えるわけがねぇだろ!!」


「なるほど、そういう事ね」


「あああ、言っちまった!!」


クロナはふっとため息を吐いた。


この桐谷という男、馬鹿で助かった。


話の整理をすればこういうことだ。


この男が仕えている家のお嬢様が、市原架陰に一目惚れをした。


そして、市原架陰を欲しがっている。


そのため、市原架陰を誘拐するために、このハンターフェスに参加。


邪魔者となりそうなクロナから狙ったという訳だ。


クロナは名刀・黒鴉の刃を、桐谷の首筋に当てた。


「ひい!」


冷たい感触に、桐谷は悲鳴をあげる。


「とりあえず、架陰はつい最近も変な輩に誘拐されたばっかりだから・・・、あげる訳にはいかないのよ・・・」


「なんでだよ!! 市原架陰はお嬢様の婿になって貰う! あんたには関係無い!!」


「関係あるんだな。これが・・・」


クロナは声を潜めた。


そして、キスをするんじゃないかって言うくらい、桐谷に顔を近づけた。


そして、言う。










「架陰は、私の彼氏だから・・・」











その③に続く




その③に続く

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