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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
168/530

精神の激闘 その②

コツコツカツコツ


迫り来る革靴の音


カツカツコツコツ


遠ざかる蹄の音

2


「ワシは死なん!!!」


悪魔はそう叫ぶと、両腕で手刀を作った。


その予備動作を見た時、対峙する三人の背筋がスっと寒くなった。


本能的に悟る。


あの一撃が来るのだと。


「【魔影刀】・両刀!!!」


漆黒の魔影が、悪魔の黒い腕に纏わりつき、黒い刃と化した。


架陰が攻撃時に使用する魔影の形態の一つである【魔影刀】を手刀で再現したもの。


だが、その鋭い見た目から察するに、架陰のものよりも威力が高いのだと分かる。


「はあっ!!!!」


悪魔が地面に向かって手刀を振り下ろした。


「【悪魔大翼】!!!!」


その瞬間、腕から放たれた魔影が、蝙蝠の翼のような巨大な斬撃と化して、三人に迫った。


「こいつは夜行を倒した技だ!! 喰らってただで済むと思うなよ!!!!」


斬撃は、岩盤を割り、辺りの瓦礫を撒き散らして三人に迫った。


攻撃範囲が広すぎる。


「全員退避!!!」


鑑三の支持で、アクアと味斗は地面を蹴って大きく回避した。


空振りをした魔影の斬撃が、誰もいない奥の壁に直撃する。轟音と共に壁が真っ二つになり、土や岩が飛散した。


「なんて威力なの!?」


全神経と気力を捧げて躱したアクアだったが、こんな恐ろしいもの、何発も防ぐ自身など無かった。


それをいいことに、悪魔は再び手刀を振る。


「【悪魔大翼】!!!」


今度は横薙ぎの一閃。


約百八十度に広がった斬撃が三人に迫る。


このままでは、胴体と下半身が分裂してしまう。


「上に飛べ!!」


一斉に上に飛んで回避。だが、悪魔の思う壷であった。


「上なら身動きがとれまい」


間隙を縫うようにして、空中の鑑三との距離を詰めた。


「ちっ!!」


迫り来る悪魔に身構える鑑三。


右脚にエネルギーを蓄積させ、悪魔が放った拳と衝突させた。











ドンッ!!!!












互角に思えたのは一瞬。


空中では踏ん張りが効かない。だが、悪魔は足裏に魔影を纏わせ、常時空気を反発させていた。


うち負けたのは、鑑三だった。


「くっ!!!」


瓦礫の山に墜落する。


目を開けた瞬間、上空から悪魔が襲撃してくるのが分かった。


「くくく!! これで終わりだ!!」


鋭い爪を、鑑三の心臓部に突き刺そうとした瞬間、横からアクアの水砲が飛んできた。


「っ!!」


水の塊が悪魔を吹き飛ばす。


直ぐ様、味斗が【コールドミントタブレット】を口に含み、冷気を吐き出した。


「【氷息】!!!」


氷点下の冷気が、悪魔に直撃して、周りのアクアの水ごと凍り付かせる。


(舐めるな!!)


悪魔は氷の塊の中で力を込めた。


こんな氷で、足止めが出来たと思ったか? 直ぐに破壊して、脱出してやる。直ぐに、貴様らの頭をねじ切ってやる。


悪魔を閉じ込めた氷の塊に大きな亀裂が入った。


(あと少しだ・・・)


悪魔はさらに力を込める。


亀裂が広がり、塊全体に行き渡った。


(よし、抜け出せる!!)


その瞬間、悪魔の身体に、ピキッとした衝撃が走り、全身の力が抜けた。


(何っ!?)


身体が動かない。腕が動かせない。この氷を、破壊することが出来ない。


氷越しに、アクア、味斗を見る。二人とも、突然抵抗を辞めた悪魔に不思議そうな表情を見せていた。


不思議に思いたいのはこちらの方だ。


(なぜ、身体が動かない!?)


あの二人がやっている訳ではないようだ。当然、鑑三もやっていない。


では、悪魔の身体を動かないようにしたのは、一体誰なのか。


(まさか・・・)


悪魔の脳裏に、先程自分が精神と身体を乗っ取ったはずの男の顔が浮かんだ。


(架陰が、内側からワシを攻撃しているのか!?)













「そうだ、架陰!! その調子だ!!」


暗闇の世界。正確には、架陰の身体を乗っ取った悪魔が、放り捨てた架陰の精神が辿り着いた場所だった。 そこで、架陰と、ジョセフが必死の抵抗を見せていたのだ。


「悪魔が、氷漬けにされて力が衰えた!! 狙うなら今だよ!!」


ジョセフの合図で、架陰は元の身体に戻るために抵抗を開始する。


暗闇に向かって、必死に精神を統一させるのだ。


「僕は僕。僕の名前は、市原架陰・・・」


自分は自分であると言うことを、必死に自分の脳に身体に言い聞かせる。


こんなもので、悪魔に奪われた自分の身体を取り戻し、魂もその身体に戻ることができるのか。



架陰は、最初は信用していなかったが、思いのほか効果を発揮したようだ。


悪魔の動きを封じることが出来た。見ていないのではっきりとは分からないが、そんな気がした。なんせ、悪魔が操っているのは、自分の身体なのだから。


「僕は、元の世界に戻る!! 悪魔!! 君には絶対に邪魔をさせない!!」











その③に続く







その③に続く

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