表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UMAハンターKAIN  作者: バーニー
136/530

ガーゴイルと風 その②

風の神と


雷の神が


取っ組みあって争った

2


カレンの翼々風魔扇が放った竜巻が、笹倉の背中より生える羽を貫いた。


「ぐっ!!」


翼を失った笹倉は、バランスを崩し、落下する。


ドンッ!!!


砂を巻き上げ、胴体ごと地面に叩きつけられる。


「コノヤロウ!!」


笹倉が叫んだ瞬間、穴が開いていた翼が直ぐに塞がった。


翼をひと仰ぎして、再び空中に浮かぶ笹倉。


「油断したぜ。お前のその武器、能力持ちなんだな・・・」


「ええ、そうよぉ」


カレンはニコニコと笑いながら、翼々風魔扇の周りに風を集め始めた。


「とても不利だとは思わないかしらぁ? あなたが空を飛べば、私の風が、あなたを撃ち落とすわよぉ」


笹倉は「そうだな」と、口から垂れた血を舐めた。


「その能力、空飛ぶおれにゃ、厄介だ!!」


翼を仰ぎ、カレン目掛けて疾走する。


「先にお前から片付けさせてもらう!!」


「あらぁ、怖い」


カレンは翼々風魔扇を持ち替えると、空気に切り込むようにして振った。


「風刃!!」


風の刃が三枚、接近する笹倉に放たれる。


「しゃらくさい!!」


空中に飛散する砂煙から、鎌鼬の起動を読んだ笹倉は、空中機動をして攻撃をかわした。


カレンの懐に潜り込み、名刀・雷撃丸を振り上げる。










ギンッ!!!










硬い感触。


鉄平が鉄棍を滑り込ませ、刃を防いだのだ。


「オラァッ!!」


鉄平はカレンを突き飛ばすと、笹倉の前に立ち塞がり、連続で鉄棍を振った。


「ちっ!!」


笹倉は雷撃丸で防ぐ。


下半身が無いせいで、踏ん張りが効かず、少しずつ押され始めた。


(オレの能力は、空を飛べるのは便利だが、近接には不利だよな・・・)


さっさと空中に逃げようとした瞬間、笹倉の頭を誰かが掴んだ。


「っ!?」


「逃がしませんよ・・・」


身長二メートルはあろう大男。椿班副班長、山田豪鬼だ。


笹倉の頭をむんずと掴んだ山田は、剛腕に力を込め、笹倉を顔面から地面に叩きつけた。









ドンッ!!!








地面に蜘蛛の巣状の亀裂が入り、笹倉の頭がめり込む。


「くっ!!」


笹倉は瓦礫の中に顔を突っ込んだまま、歯軋りをした。


(この男、なんて馬鹿力だよっ!!)


直ぐにこの男の手から逃げ出そうとするが、山田の握力は凄まじく、全く動くことが出来ない。


「雷光丸!!」


刀の柄を握りしめ、四方八方に雷撃を放った。


「っ!!」


山田は手を離すと、直ぐに引き下がった。


あの雷撃に少し触れただけで、手のひらが黒く焦げ、赤スーツの袖から煙が上がっていた。


山田は涼しい顔で、丸メガネを押し上げた。


「やはり、あの雷撃に触れるのはまずいようですね」


「ああ、そうだな」


鉄平も少し食らったらしく、肩口から血が滲んでいた。


山田の拘束から逃れた笹倉は、翼を羽ばたいて空中へと逃げた。額から血が垂れていた。


「危ねぇ、危ねぇ」


褐色の左手で傷口を拭うと、傷が一瞬で消え去る。


その様子を見た鉄平は、舌打ちを一つ打った。


「あいつ、治癒能力も持っているのか・・・」


「少々、いや、かなり厄介ですね」


山田が指の関節をバキバキと鳴らしていく。


天井付近に浮いている笹倉は、名刀・雷光丸の鋒を三人に向けた。


(さあて、どう戦うかな。一番厄介なのは、あの風を操る能力を持つ女だ。それから、あの大男。あいつに掴まれたら、簡単には抜け出せねぇ。あの鉄平って野郎は、接近戦になると戦いにくいな。あの棒術は警戒しなけりゃならねぇ)


やはり、一番警戒すべきは、翼々風魔扇を装備するカレン。あの女が放つ風にさえ気をつければ、空中からでも十分戦える。


「よし、行くか!」


笹倉は名刀・雷光丸の能力を発動させた。


刃に電撃が走り、バチバチッ!! バチバチッ!!と眩く光る。


「【雷撃】!!!」


天井から刀を振り下ろすと、雷撃が龍のような形となって、カレンに目掛けて落とされた。


「翼々風魔扇!!」


カレンは翼々風魔扇の竜巻を放って対抗するが、エネルギーの塊である雷撃にかき消される。


「っっ!」


カレンは飛び退いた。


足元に雷撃が落ちる。


身体中の神経を狂わされるような衝撃波が発生して、カレンの身体を吹き飛ばした。


「きゃあっ!!」


「カレン!!」


飛んできたカレンを鉄平が受け止めた。


踏ん張りが効かず、二人揃って地面に倒れ込む。


「さあて、風は封じたぜ!!」


厄介なカレンの動きを封じた笹倉は、刀を下段に構え、翼を羽ばたいて二人に接近した。


「鉄平さん!!」


山田が立ち塞がる。


「素手で何ができる!!」


「できますとも!!」


笹倉が振り下ろした雷撃丸の刃を、山田の素手が掴む。


「っ!?」


その時の感触に、笹倉は背筋が冷たくなるのを感じた。


「この男!!」


山田は、笹倉の刃を受け止めた。素手でだ。だが、全く切れていない。切れる感触がしない。


「叩き折って差し上げましょう」


雷光丸の刃を掴んだ山田は、ぐっと横に力を込めた。


刀は、側面から叩けば容易く折れる。


「くっそ!!」


すぐ様、雷撃を放とうするが、それよりも先に、山田が笹倉を投げ飛ばした。


笹倉は壁に激突して、地面にベシャッと落下する。


「ちくしょう!!」


やはり、警戒すべきは、あの女だけじゃない。この男だ。












その③に続く


その③に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ