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【アニメ放送中】レベル1だけどユニークスキルで最強です  作者: 三木なずな
カーボン編

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606/611

606.姫様のはじめて

.606

 サトニウム(仮)、地上二階。


 そのエレベータホールに、俺はマーガレットと一緒にいた。


「あの人達は?」

「いますわよ。ラト、ソシャ、プレイ、ビルダー」

「お呼びでしょうか、姫様」


 マーガレットが呼ぶと、いつもの如く何気なく現われて、彼女の前でひざまずく四人の忍者騎士。

 現われるのが速すぎて、俺でも分からなかった。


 いや、速いのかどうかすらも分からない。

 本当に「パッ!」と瞬間移動の如く現われたからだ。


「いましたわ、リョータ様」

「ああ、ありがとう。ごめん、特に用はないんだ」

「もういいですわ」

「御意」


 現われた時と同じく、パッと消える四人。


 あれと真剣に戦ったらどうなるんだろうな、なんてちょっとだけ興味をもった。


「それにしても……嬉しいですわ」

「うん、嬉しい?」

「はい。リョータ様の大事な所にまた入れてもらえるなんて」

「いや、それはこっちの台詞だ。協力してくれてありがとうな」

「とんでもありません! わたくしの今があるのはリョータ様のおかげ。リョータ様のためならなんでも致しますわ」

「ありがとう」


 さくらが居れば「ん? いまなんでも」とか茶々を入れてきたところだろうが、今日は俺とマーガレットの二人っきりだ(あの四人もいるけど)。

 俺はさっそく話を進めることにした。


「今日は、モンスターを倒してみて欲しいんだ。いわばテストみたいなものだから、あまり気負わないでいい」

「頑張りますわ!」


 マーガレットはそういい、大剣を持ったまま意気込んだ。


「じゃあ……よろしく」


 俺はそう言うと、モンスターを召喚した。

 それはスーツをビシッと決めた、若い新入社員だ。


 スーツはパリッとしてて、髪型もちゃんとしてる。

 何より、目がきらきらしている。


「半年と持たなかったけどな」

「はい? なにかおっしゃいまして?」

「いや、なんでもない」


 苦い想い出がつい口をついて出たのを苦笑いでごまかして、マーガレットに向き直る。


「とりあえずこいつと戦ってみて? 勝敗は気にしなくていいから」

「分かりましたわ」


 マーガレットは大剣をいつものように重そうに引きずりながら、新入社員に向かっていく。

 慣れない先制攻撃をしかけて――それを避けられ、カウンターをくらう。


「ひゃあ! ……あ、あれ?」


 新入社員に攻撃を食らって吹っ飛んだマーガレットは、不思議そうに自分を見た。


「どこも痛くありませんわ?」

「ああ、そいつは魔法攻撃だから、見た目は殴ってるように見えるけど、属性は魔法だから」

「ああっ、そういえば今日は強めの魔力嵐」

「うん」


 俺は深く頷いた。

 そう、今日の天気は魔力嵐。

 しかも強めで、ダンジョンの中まであらゆる魔法が効かないレベルのものだ。


 それは冒険者側だけじゃなくて、モンスター側にも適用される地形効果。

 魔力嵐を利用して、モンスターを魔法攻撃にしたことで。

 マーガレットにダメージが出ないようにした。


「これで怪我の心配はゼロだから」

「さすがですわリョータ様」

「ということで、安心してもう1回おねがい」

「はい!」


 マーガレットは大剣を持って、果敢に新入社員へと向かって行った。

 それを眺めながら、ちらっとまわりを見る。


 あの四人……まったく出てくる気配がなかったな。

 俺がやってる事を完全に読み切っていたのか、すごいな。


 その一方で、マーガレットは新入社員と戦っていた。

 まだ、戯れている、というレベルだ。


 戦闘能力がオールFのマーガレット、もともと戦闘には向いていなくて、ドロップオールAを活かしたトドメ特化型の冒険者だ。


 それが最初から戦って、圧倒的な不利を強いられた。


 それでも、徐々になれて来た。

 戦闘経験がまったくないわけじゃないのだ。


 戦う事自体になれてるし、経験もある。


 その上で、ノーダメージで戦い続けることができる状況。


 マーガレットは徐々に新入社員の動きについて行けてきた。


 それは、動きは遅いけど、「こう来たあとにはこう来る」という、覚えゲー(、、、、)的な動き方だ。


 それは俺がやろうとしている、能力の弱い冒険者でもモンスターを倒せるガイドムービーのコンセプトそのままの動きだ。


 無傷で戦い続けて数時間、マーガレットは、新入社員の動きを全部覚えて、独力でそいつを倒す事ができた。


「やった! やりましたわ!」

「お疲れ」

「ありがとうございますわリョータ様!」

「え?」

「こんな風に一人でモンスターを倒せたの、初めてですの!」

「ああ」

「本当に、ありがとうございます!!」


 マーガレットは俺の手を取って、熱烈な目とともに、強い感謝の言葉をかけてきたのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「はい。リョータ様の大事な所にまた入れてもらえるなんて」 「いや、それはこっちの台詞だ。強力してくれてありがとうな」 ...強力?協力では?
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