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魔道具エンジニアによる異世界革命〜魔改造済みにつき魔王はご主人様に逆らえません〜  作者: マシナマナブ
第三章 強国編

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エルマ対ジンクス

「それでは、両陣営の出場者をご紹介いたします!」


 デルピュネが、軽やかな手振りとともに声を張る。


「まず、アースベル代表――エルマ・フェリル! その職業はなんと、超高難易度の『賢者』。そして、アースベル唯一の学び舎、グラーズアカデミーの校長を務めているのです。しかもぉ、アースベルの法務大臣と文部大臣も兼任しているのです!」


 ーーえ、あの若さで校長先生なの!

 ーーしかも大臣二つも担当してるって!?

 ーーこーちょーせんせーがんばってー

 ーーエルマさーん、勝負が終わったらお茶を用意して待ってるなの!


「対するは、サリオン帝国代表――ジンクス・サリオン! 職業『哲学者』にして帝国の法務大臣。長年帝国の司法を支え続け、『生きる法典』とも呼ばれる重鎮なのです。その実力と影響力から、『五大老』とも呼ばれているそうなのです!」


 ーー貫禄えぐい。

 ーーこの二人、法務大臣被ってるやん…

 ーー裏の実力者きたな!

 ーー若さvs老獪、これは見もの。


 場内にざわめきが広がるなか、ふたりは中央へと進み出る。


「まさか、サリオン帝国の重鎮自らが出てくるとはの。意外じゃったわ」


 エルマはジンクスに向け、静かに口を開いた。

 対して、杖をつきながら現れたジンクスは、にこやかに一礼。


「ふぉっふぉっふぉっ……相手が『賢者』と聞いてな、わしも老骨に鞭打たずにはおられなんだぇん。知恵の手合わせ、お手柔らかに、頼むぇん」


 ーーなんか変な語尾……

 ーーこのじいちゃん、只者じゃない感。

 ーー可憐なエルマちゃん、負けるなー!


「それでは、『知』競技のルールをご説明いたします!」


 シレーヌが声を張ると、場内が一瞬静まり返る。


「この競技は、両者の知恵比べでございます。出場者のお二人には、次々と出される五つの問いにお答えいただきます。そして――どちらの回答が正しいかを判定するのは――会場の皆様、でございます!」


 ざわっと観客がどよめく中、デルピュネが怪しく笑いながら補足を入れる。


「皆様のお手元にはぁ、青と赤の判定カードが配られているのですぅ! 青がエルマ様、赤がジンクス様を表しているのです。正解だと思った方のカードを、こうやって、ピュネっと上げてくださいなのです!」


「なにぶん今回は、どちらも一国の知を司る大臣にして、最高の頭脳をお持ちのお二方。もはや運営側でも、いや、おそらく世界のどこにも、どちらの答えが正しいかを判定できる者などいないのでございます。ゆえに、やむなく、今回は民意による判定を採用させていただいた次第でございます!」


 ーー確かに、某などにはどちらが正しいかなと、皆目見当もつかんにて……

 ーー民意に委ねるの、それはそれでいいじゃんwww

 ーー自分が審判とか緊張する。


「また、公平を期して、出題される五問はすべて――世界中の皆様に事前に募集し、厳選した質問でございます!」


 スクリーンには『協力:アースベル新聞』『協力:サリオン魔法大学』『協力:よいこ小学校』など、さまざまな協力先が映し出されていた。


 ーーえ、子どもからの質問もあるの……それが一番手強そうw

 ーー色々な問題がが混じってる予感…


 会場のあちこちでざわめきと期待の声が広がる。


「そして、審判役となる皆様。今回、判定の公平性を保つため――この審査会場には、申人、寅人、子人、巳人、酉人の各種族から、それぞれ二百名ずつ、を厳選してお招きしております!」


 ーー確かに公平そうだな。

 ーー色んな価値観がありそうだな。

 ーーウル様ーもっと映ってー


「それでは――一通りご説明も終わったところで、お待たせいたしました! 第一問!」


 魔道スクリーンに、第一問の文字が浮かび上がる。


『人はなぜ生きているのでしょうか?』


 一瞬で会場が静まり返る。あまりにシンプルで、あまりに深い問いだ。


「では、出場者のお二人には、回答用紙に書いたうえで、順にお答えいただきます」


 ーーいきなり哲学www

 ーーありがたやありがたや……


「まずは、アースベル代表――エルマ・フェリル様!」


 壇上のエルマは、迷いなく口を開いた。


「……何じゃこの簡単な問題は。なぜ生きているかって? 生き物だから生きているのに決まっておるじゃろう」


 場内が凍るように静まり返った。


「生き物は、生きているモノ。生きていなければ、ただの『モノ』じゃ。それ以上でも、それ以下でもないわ。この問い、誰もが一度は考えるかもしれん。じゃが、儂は――四十の頃に悟ったわ」


 ーーえ、なにそれ…

 ーー突き抜けてるな。

 ーーてゆうか、彼女、何歳?


 エルマはそう言い切ると、清々しい顔で退いた。


「では続いて――サリオン帝国代表、ジンクス・サリオン様。お願いします!」


 杖を軽くつきながら、一歩前へ出る老人。口元には余裕の笑み。


「ふぉっふぉっふぉ……なんとも、いきなり究極の問いだぇん。エルマ殿の答えはあまりに安直ぇん。ヒトの生をそう簡単に割り切れるものではないぇん」


 ジンクスの肩をすくめる仕草に会場がくすっと笑った。


「我々がなぜ生きるのか――その問いこそが、生きる意味そのものぇん。人によって答えは違うぇん。誰かの役に立ちたい者、ただ楽しみたい者。一度見つけた答えが、後で変わることもあるぇん」


 そこでジンクスはカッと目を見開き、力強く言い放った。


「つまり、生きるとは――その答えを探し続けることぇん。それこそが、わしの思う『生』の本質ぇん!」


 ーーおお! なんかカッコいいぞ。

 ーーさすがジンクス様…

 ーー深すぎるわー。知らんけど。


「それでは皆さま! どちらの回答がより正しいか、――札を挙げてください!」


 一瞬の沈黙ののち、青と赤のカードが一斉に上がる。これは……まずい! 明らかに赤が多いぞ……

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