56話:初日の出と抱負
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初日の出を見終えた樹と天宮の二人が下に戻って少しすると東、楓、菜月の三人が起きてきた。
時刻はまだ朝の7時を回ったところであった。
「おはようございます。東さん、楓さん、菜月ちゃん」
「おはよう天宮さん」
「おはよう~」
「おはよう……」
順に東、楓、菜月である。菜月は目を擦っておりまだ眠そうにしていた。
「二人で初日の出見てたのか?」
「まあな」
東にそう返した。
「さて、朝食はおせちだからみんなで準備しましょうか」
「は~い」
菜月の気の抜けた返事を合図にみんなで準備を始めた。
準備とは言っても前日のうちに作ってあったので取り皿などの準備だけである。
それからすぐに朝食の支度が整い全員が席に着いた。
「では改めて……」
東がそう口にし皆の手には飲み物が入ったグラスが握られている。
「「「あけましておめでとう!」」」
乾杯をした。天宮も遅れて「あけましておめでとうございます」といって乾杯した。
「新年なんだ。一人づつ今年の抱負か願いでも言っていこうか」
「いいわね東さん」
東の提案に楓が賛成する。
「では俺から」
言い出しっぺである東は今年の抱負をくちにする。
「今年も楓さんと仲良く」
「東さん……」
バカップルかい! まあ、仲が良いのは昔からだが……
樹はそこはいつまでも変わらないだろうと思った。
続いて楓である。
「私もやっぱり東さんといつまでも仲良く、かな~」
「楓さん……」
誰かこの夫婦をどうにかしろ、と樹は思ったが口には出さない。
「じゃあ次は私かな~。私は――早く彼氏が欲しい!」
「「それはダメだ!!」」
樹と東の声が重なった。
菜月はというと、「え? どうして?」と困惑していた。
「「可愛い娘(妹)をどこぞの知らぬ男にやれるわけがない! 彼氏にしたいならお父さん(お兄ちゃん)に紹介しなさい!」」
息ぴったりである。
菜月は「お兄ちゃんシスコンだ……」と呟いていた。
天宮はそんな樹に尋ねた。
「樹くん……そんなに菜月ちゃんが?」
「大切な妹だぞ! 将来を心配しないでどうするんだ……」
「あ、うん。そう、だね……」
半ば諦めかけていた。そこに楓が。
「いい加減にしなさいよ東さんに樹」
「「すみません……」」
シュンとするふたりであった。
「ほら。次は樹の番よ」
楓に言われ樹は抱負を口にする。
「今年は真白との思い出を沢山作りたいかな」
そんな樹の言葉に天宮は「はぅ~」と顔を赤く染めた。
「妬けるわね~」
「わかるぞ!」
「イチャイチャして!」
三者三様である。
「いいだろ別に……ほ、ほら。最後は真白だぞ」
「ふぇ? は、はひ!」
急に言われ天宮の返事が裏返ってしまう。
「わ、私は……その、樹くんと居られれば……」
ボンッという効果音が付きそうな勢いで天宮は顔を真っ赤にさせた。
樹も天宮の事簿を聞いて頬を紅潮させた。
そんなこんなで会話に華をさかせ食事を楽しむのだった。




