10.まとめと雑感
私は「ポイント=人気度の指標」と捉えており、更に正確に表現するなら「どれだけ多くの人に読んでもらえたか」のモノサシだと考えています(もちろん、あくまで私個人の捉え方です)。
どのくらいの人が読んで、どのくらいの人が気に入ってくれたか、表すもの。
だけどジャンルや題材で差はあるし、全てを同じように計るなんて無理。
何年も『なろう』で活動した人もいますし、今日登録したばかりの人もいます。仮に全く同じ作品を発表しても、発信力の差でポイントは変わるでしょう。
ですが同じ作者……つまり自分自身が同じジャンルの作品を書いたら、出来の良し悪しも多少は量れると思います。あるいはジャンルの平均値からの乖離で、何らかの違いを読み取れるかもしれません。
あまりに予想と違ったら、何か理由があるのだろう。
多ければ良かったところがある? それとも単に人気ジャンルだった?
少なければ反省点を探そう。次回の参考にできるかも?
そんな感じです。
そして今まで見てきたように、作品の総文字数や一話ごとの文字数でも明確な差はあります。これは自身でコントロールできるから、なるべく良い選択をしたいと思っています。
たとえば「百人に読んでほしい」として。
『なろう』に登録しない利用者もいますから、ブックマークのみで読者の数は計れません。しかし手軽に読者数を知る手段はブックマークのみですし、ここでは「ブックマーク100」とします。
ブックマークのみで200ポイントですが、何人かは評価をしてくださるでしょう。ですから総合評価ポイントは少し上、240ポイントとします。
表17: 割合ごとに見るポイントの下限(総文字数範囲別)
上記の表では、ポイントが240を超えたところを赤字にしています。
また参考情報として、範囲ごとに総文字数の中央値を記載しました。
これで見ると、明らかに長い作品ほど有利です。
もちろん長い作品は何らかの手応えがあるから書き続けたはずです。
つまり「文字数が多いからポイントがある(読者がいる)」より、「ポイントがある(読者がいる)から文字数が多い」のでしょう。
ただ、「長い作品を書く」ことに利点がありそう……それは否定できないと思います。
これは大きな問題です。もちろん「多くの人に読んでもらいたい」場合ですが。
『なろう』に登録したばかり、これから作品を書く。さて短編にするか、長編にするか。
こんなとき、どちらを選べば良いのでしょう?
表18: 単位文字数(1万字)あたりのポイントの下限(総文字数範囲別)
厳密に計算するのは大変ですので、ここでは表17のポイントを一番下に付けた「総文字数 中央値(万字)」で割った数値を乗せました。
つまり表18の左上、「総文字数1万~10万」の「2.5%」であれば、
ポイント下限=6,884
総文字数 中央値(万字)=4.1
6,884÷4.1=1,675.4
を一万字あたりのポイント数としています。
つまり「中間的な長さが非効率」なようです。
もちろん、上記を鵜呑みにして良いか疑問はあります。
ただ、総文字数10万文字以上は完結済みの全12,018作品を全て対象にし、「総文字数1万~10万」も21,866作品中の1,792作品、8%以上を抜き取った結果です。したがって、それなりの信頼性はあると思います。
これは……正直なところ「好みで選んで!」としか言えないですね。
一作品ごとの絶対的なポイントで言えば、表17で示したように長いほうが有利です。しかし同じ文字数を書いてのポイントだと、表18のように短い作品にもメリットがあるようです。
どちらか好きなほうを取るか、あるいは大長編を書きつつ短編も連発するか。しかし、短くても構想には時間を掛けた、という例もあるでしょうし……。
ただ、どちらの場合も話数は一定量あった方が良さそうです。
図16a: ポイントと一話文字数の相関、作品数の割合の区分別積み上げ(総文字数範囲別,上位5%)
図16b: ポイントと一話文字数の相関、作品数の割合の区分別積み上げ(総文字数範囲別,上位25%)
上記のように、総文字数が増えるほど一話の文字数も増えていきます。
ただし「総文字数1万~10万」だと総文字数の中央値は4.1万字、これで仮に一話6000字にしたら7話で終わってしまいます。
これから始めるなら、目立つ手段は「更新された連載中小説」への掲載のみ、それが7回だけというのは少なすぎます。ならば一話3000字にして14回、あるいは一話2000字で21回など、少しでも目に付くようにすべきでしょう。
実際「4.参考情報:完結済み1万~10万文字の場合」で掲載しましたが、上位25%以上の作品に限った場合、話数の平均は17、中央値は13でした。
逆に全体が長い作品だと、半分以上が4000字を超えます。
「総文字数30万~60万」の総文字数の中央値は39.8万字、一話4000字で100回です。こちらは「7.データ集:完結済み30万~60万文字」で示したように、上位25%以上の話数の平均は114、中央値は104でした。
100回もあれば、第一作目だとしても充分にアピールの機会はあると思います。
そのため一話ごとの描写を増やして読み応えを増す、あるいは一話ごとに山と落ちを作る……次も読みたいと思える作品作りが大切なのだと思います。正直なところ全くの推測でしかないし、仮に正解でも自身にグッサリ突き刺さるブーメランですが……。
分析から外れてしまいますが……。
あるいは100メートル走からマラソンなど、距離別競技に例えても良いですが。
現在あるのは短編小説(200字~7万字)と連載小説(200字~)の二つです。しかし一巻くらいが得意な人、三巻くらいがちょうど良い人など、色々あると思うのです。
スポーツなら条件別の区分があるか、同一の競技でも野球の投手成績や打者成績のように様々な視点での表彰があります。創作のコンテストでもジャンルや主題以外にも小説であれば字数の制限、絵画であれば号数の指定をすることがあります。
『なろう』は総作品数55万を超えました。それに一日あたり300や400の新作が投稿されているようです。そろそろ短編小説と連載小説の他に、新たな区分を設けるべきではないでしょうか?
読むときでも、「一巻以内ランキング」「一巻~三巻以内ランキング」などあれば好みの作品を探しやすい……ような気がします。
長いのは嫌い、あるいは大好物。今は忙しい、逆に時間がある。そういうとき、望みの作品を簡単に発見できそうです。
「そのために検索がある」という意見もあると思います。ですが検索から探す人は少ないらしく、エッセイでもランキングでの見つけにくさを訴えた作品を目にします。
表18(単位文字数あたりの分析)から思うに、現状なら一発ネタの短編(連載小説でも短いもの)を書いて目を惹くか、逆に超長編を書いて露出回数を増やしていくか、その二つが良い……のかもしれません。自信はありませんし、個人的には外れてほしい推測ですが。
陸上競技に例えるなら100メートル走とマラソンしか注目されない……だから両極端に走る。それでは多くの才能が埋もれると思うのです。
10万文字以上の全完結作品を調べた結果、千差万別だと改めて認識できました。
最小は200文字、最大は今のところ約1200万文字、より探しやすい書店があったら……そんな妄想レベルの言葉で恐縮ですが、ひとまず締めさせていただきます。
次回は閑話めいた内容、その次から「連載中の作品も含めた場合」に移ります。




