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第1話 膝枕/カズヒト

「もう5年になるのかぁ……」

 

 俺がこの世界に転移してから早いもので、もう5年の月日が流れていた。


 この国に転移したのは俺が20歳の時……


 身寄りの無い俺がお世話になった施設を出て社会人になった2年目の秋だった。

 

 工場勤務をしていた俺、この日は夜勤明けで睡魔と戦いながら帰宅したが今日から連休ということもあり気が緩んでしまったのか寝室まで行く気力が無くなってしまい玄関先で靴を履いたまま座り込んでしまいそのまま眠ってしまった。


 はずだったんだが……


―――――――――――――――――――――――

『カズヒト……カズヒト……』


 ん? 


『カズヒト……目を覚まして……』


 この声は誰だ……?


『やっとこの時が来た……これで私は……2000年の時を経て……』


 この時? 2000年?

 どういう意味だ?


 聞いたことのない女の人の声だけど、俺の名前を呼んでいるということは知り合いなのか?


 でも知っている人にこの声の人はいない……


 だけど、とても聞き心地の良い優しい声だなぁ……

 何だか今の声に懐かしさを感じてしまう。



「う、うーん……」


 俺は何時間眠っていたのだろうか? 


 さっきの謎の声は聞こえなくなり今は鳥の鳴き声がしている。


 あの謎の声は……おそらく誰かが声をかけてくる夢でも見ていたんだろう。いずれにしても早く起きて顔を洗って着替えないとな。


 ん? 


 何だか後頭部に柔らかい感触を感じるのだが……


 でも俺は帰宅してそのまま玄関先で眠ってしまったという記憶はある。だから板の間の上に後頭部があるはずだから普通は硬くて痛い感覚になるはずなのに……


 もしかして俺はあれから起きて寝室に移動したのだろうか?


 しかし寝室に移動したとしてもこの感触は俺が使っている枕よりもとても柔らかくていつもより寝心地が良いような……それに凄く良い香りもするような気がするんだが……


 そんなことを思いながら俺はゆっくり目を開けた。


「えっ!?」

 

 目を開けると目の前に優しい眼差しで俺の顔を見つめている知らない女の子がいた。


 だ、誰だ!?


 それにその見ず知らずの女の子はミニのワンピースのような服装だったので俺の頭は彼女の柔らかい太ももの上にあったのだ。


 お、俺はこの子の太もも……いや、膝の上で眠っていたのか!?


 っていうかこの子、めちゃくちゃ美人なんだが!

 年齢は14、5歳くらいだろうか?


 色白で黒目が大きく長い黒髪が風に揺れて……こんな美少女に人生初めての『膝枕』……もしかして、さっきの声の主はこの子だったとか……ゴクリ……


 って喜んでいる場合じゃないな!

 俺はまだ眠っていて夢を見ているだけの可能性が高い。


 どう考えても見ず知らずの美少女が俺なんかを膝枕するはずがないじゃないか。

 男の俺に都合が良すぎるシチュエーションだ。


 こんな夢を見てしまうなんて……毎日仕事仕事で忙しく彼女もいない、友人と遊ぶ暇も無い生活だった俺は知らず知らずのうちに欲求不満になっていたとか……


 はぁ……夢で欲求を解消するなんて、なんだかむなしくなってきたぞ……


 数秒の間に色々なことを考えながらも動揺している俺に対し美少女はニコッと微笑んできた。そして可愛らしい小さな口を開け俺に話しかけてきた。


「"#%$~&'&%。$$'、()))="%&()?」


「……へっ?」


 今の言葉はなんだ!?

 全然、聞き取れなかったぞ!


「"#%$~&'&%。$$'、()))="%&()?」


「だから2回聞いたくらいじゃ分からないって!!」


 ヤバい、変な汗が出てきたぞ。


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