表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔人勇者(自称)サトゥン  作者: にゃお
八章 華鞭・龍爪
110/138

101話 釣上

 



 進軍を進める道中、突然空から降ってきた大男の登場に静まり返るレーヴェレーラ軍。


 彼らが言葉を失うのも当然だろう。巨大な魔鳥が空に現れたかと思うと、その上から人間が降ってきて地面に人型をぶち抜いたのだ。誰だって言葉を失わずにはいられないだろう。

 しかもその男は傷一つなく起き上がり、訳の分からない戯言を並べ立てたうえに彼らの女神を全力で愚弄する始末。

 唖然とする聖騎士たちに、空気を読むということを生前に忘れ去った男は相も変わらずの喧しい声で言葉を並べ立てていく。


「さあさあさあ! 遠慮はいらんぞ! 今ならば勇者サトゥンの直筆サインを貴様らの無駄に重苦しい鎧に書いてやろうではないか! ふむ、数にして一万五千程度であるが……ふはは! 私は途中でサインを切り上げるような男ではないからな! 何日かかろうが何日徹夜になろうが構わんぞ! さあ、お前たちの新たな信仰対象、勇者サトゥンを全力でちやほやするがよい!」


 準備はいつでもできているとばかりに手でくいくいと呼び込み、キャッキャッと楽しむ筋肉達磨。

 やがて、ようやく眼前の光景が現実のものだと飲み込めたらしい六使徒たちが再起動をはじめ、怪訝な瞳を向けながら会話を始める。


「……いや、何よ、アンタ。あんな高さから降ってきて、なんで死んでない訳?」

「何の冗談だそれは! 勇者である私がその程度で死ぬはずがなかろう! それよりもサインの一番手は貴様か、女!」

「アンタみたいな意味不明な筋肉のサインなんていらないわよ!」

「む、貴様、血生臭いところ以外はなんとなく雰囲気がマリーヴェルに似ておるな。胸が薄っぺらいところもそっくりではないか!」

「殺す! こいつ、殺してやる!」


 馬上から巨大弓を取り出し、サトゥンに二つ三つと矢を放つニーナだが、サトゥンにそんなものが届くはずもなく。

 重鎧すら容易に貫く彼女の射撃だが、サトゥンは全ての指を片手の指で挟んでつかみ取ってしまった。矢を指の力だけでへし折る彼に、やがて六使徒の代表であるヴァルサスが眉一つ動かさず彼に問いかける。


「その容貌、そして破天荒さ……草の情報と重なるな。貴様がサトゥンか」

「だからそうだと言っておるだろう! 貴様は先ほどの私の名乗りの何を聞いておったのだ! 勇者サトゥン、それが私である!」

「巫女シスハとクラリーネをエセトレアで倒し、エセトレアでの我らが計画を叩き潰したのは貴様だと報告を受けているが、間違いないか」

「貴様らの計画はよく知らんが、巫女シスハを叩き潰したのは私であるな! 巫女シスハというより、巫女シスハの中にいた最低最悪の女を、であるがな! ふはは! あの女はまさしく正真正銘のクズであったぞ! 人間を守るため、エセトレアのためにも、私が念入りに叩き潰してやったわ! あと、クラリーネを倒したは私ではなくマリーヴェルである! あやつはリリーシャ教などというものをさっぱり捨て、今やサトゥン教の誇る騎士であるゆえな!」

「貴様あああ! 先ほどから黙って聞いておれば、我らが女神を散々愚弄しおって! そこまで死に急ぐか!」


 我慢の限界だとばかりに第三軍の長、アガレスが激高して叫び声をあげる。

 だが、散々日ごろからマリーヴェルに怒鳴られ怒られお仕置きされても微塵も反省しない彼にそんなものはそよ風がごとしだ。

 アガレスの怒りを前にしても、サトゥンは飄々としたまま言葉を重ねていく。


「愚弄などしておらんぞ? それよりも早くリリーシャ教を捨て、このサトゥンのもとに来るがいい! 一万五千も移住者が増えれば、さぞやキロンの村は発展を遂げるであろう! ふははははは! ここまでくれば国が興るのも時間の問題か! うむ、この人間界で私も随分と功績を重ねた、そろそろ頃合いであろう! この地一帯を勇者の国、サトゥン国として建国を開始しようではないか! 英雄の数も揃っておる! あとは力を取り戻したとき、残りの者たちに武器を渡せば私の望むすべてが揃うことになるのだ!」

「待て。貴様、何か勘違いしていないか? 我らレーヴェレーラ軍は――」

「私の追っかけだろう? エセトレアで大活躍した私に心奪われ、リリーシャ教をやめてサトゥン教へ入信するためにここまできたのだろう? 一万五千もの数は想定してなかったが、何、それも私が格好良すぎるが故、仕方なき事! 何せ私は勇者であるからな! ふはっ、ふははっ、ふははははははは!」

「――我らレーヴェレーラ軍は貴様を殺しに来たのだ、サトゥンよ」

「……なんだと?」


 表情一つ変えず、淡々と宣言するヴァルサスの言葉に、サトゥンの笑いが止まる。

 そんな彼を、ゆっくりと囲む六使徒たち。彼らは既に己が得物を取り出している状態だ。

 彼を囲むのは六使徒だけではない。彼らの率いる軍勢もまた、サトゥンを逃がさぬとばかりにじりじりと軍を動かしていく。

 その様子をぐるりと眺め、少し考える仕草をみせたのち、サトゥンは六使徒に問いかける。


「もしや、貴様らは人間ではないのか? すまぬが、こちらの事情で魔力が使えぬので見た目でしか判断がきかぬのだが……貴様らは人間の格好をした人外か?」

「ククッ、人外と言えば人外だろうねえ。俺たちはリリーシャ様に力を与えられ、人を超越した存在になっているからよ。だが、一応人間ではあるぜ?」

「であろうな。では、貴様らの後ろにいる一万五千ほどの兵士どもは?」

「人間だよ。もっとも、僕らが『使いやすい』ように一部調整はしてるけど」

「人間であるならば、なぜ私を殺そうとするのだ? 理由がないではないか! 私は人間界で勇者として功績を重ね、エセトレアでの事件解決によりこの大陸全ての国で勇者として名を轟かせた! つまり、貴様らは私をちやほやしなくてはおかしいではないか!」

「いや、アンタ人の話聞きなさいよ! ヴァルサスが言った通り、アンタは私たちレーヴェレーラの邪魔をしてくれてんのよ? 百回殺しても飽き足りないくらいよ」

「ましてや貴様は我らが女神を侮辱しておる! 楽に死ねると思うなよ、若造が!」


 殺意に満ち溢れた六使徒たち。

 そんな彼らの視線を一身に集めながら、サトゥンはここにきてようやく己の勘違いを理解することになる。

 リリーシャ教を信奉するあまたの人間がサトゥンを狙ってこの地にやってくる=エセトレアで活躍した自分のファンがたくさんやってくる=そっくりそのままサトゥン教に入れてしまおうという方程式が成り立たない現状、サトゥンはゆっくりと首を動かし、ヴァルサスへ顔を向けた。

 そんなサトゥンに、ヴァルサスは瞳を閉じ、淡々と命令を告げる。


「信じたくはないが、この阿呆が巫女シスハを打倒したことに間違いはないようだ。こいつを仕留め、その後にクラリーネを匿う村を襲撃する――殺せ」

「ぬおおおおおおおおお! 話が違うではないかああああああ!」


 サトゥンへ向け、六使徒たちが武器を振り下ろすが、それを紙一重でサトゥンは回避する。

 ヴァルサスを除く五人の猛攻だが、まるで踊るように避け続けるサトゥン。それどころか、容赦なく武器を振るい続ける六使徒たちに文句すら言い出す始末だ。


「ずるいぞ貴様ら! 人間を傷つけられないという私の縛りを逆手に取り、このように私一人を釣り出す策を実行するなどなんという卑怯な! 一万五千人もの人間が私に会うためにやってきたなどと聞けば、私が我慢できないと読んだ上の策であろう! なんという狡猾、まさに勇者だけを狙った作戦であるな!」

「くっ、こいつ頭はクソ馬鹿なくせにやるわっ! 全然攻撃が当たらないっ!」

「なんという剛腕! 私を力で押し返すとは、巫女シスハを返り討ちにしただけのことはある!」

「ちっ、速いな……だが、それでこそ仕留め甲斐があるってもんだ! 獲物は抵抗するからおもしれえ!」

「魔法を力でかき消すなんて無茶苦茶だ。本当にイライラする存在だよ!」


 ニーナ、アガレス、リックハルツ、アーニックの攻撃のすべてに対応するサトゥン、その実力は魔力を失ってなお抜きんでているのだろう。

 六使徒とて人間界で指折りの実力者だ。そんな彼らとサトゥンのぶつかり合いに大量の兵士は割って入れない。むしろ邪魔になってしまう、それほどのレベルの戦闘なのだ。

 嵐のように吹き荒れる剣戟のなか、サトゥンは機嫌を取り戻し始めたらしく、楽しそうに拳を振るいながら感想を並べていく。


「ふむふむふむ! 英雄ではない人間にしてはよくやるではないか! だが、貴様らの剣には魂がない! 大切なものを守ろうという愛が感じられぬ! そんな己が欲望に捉われた剣では私はもちろん、英雄たちにも届かんぞ! 血の匂いを振りまき、弱者を甚振るだけの剣ではその程度であろう!」

「この、言わせておけば!」

「よくよく考えてみれば、貴様らはキロンの村を滅ぼそうとしておるのだろう? ふむ、つまり、ここで私が貴様らを一人で止めてしまえば、これ以上ないほどの勇者ではないか! 村を守るために、単身で万を超える軍勢に挑み、それを返り討ちにする勇者サトゥン! くははははは! これぞ歴史に名を残す逸話に違いない!」

「貴様、正気か!? たった一人で我ら六使徒を、この軍勢を抑えるつもりか!?」

「私はいつだって正気だ! この勇者サトゥン、いつだって人間たちにちやほやされることだけを考えて生きておるわ! そしてこの場は私がよりみんなにちやほやしてもらえるチャンスなのだ! 何、私は人間を傷つけることができぬが、まあ何とかなるだろう! ふははははは! さあさあさあさあさあ! 勇者サトゥンはここだ、貴様らが命を狙う勇者はここにいるぞおおおおお! この私を倒すことが出来る者はおらんのか! さあさあさあさあ!」

「う、うざっ! こいつ本気でうざ過ぎ! 殺してやる!」


 高笑いとともに鉄壁の守りを披露するサトゥン。そのあまりの鬱陶しさに、ニーナはブチ切れ寸前である。他の六使徒も同様だ。

 否、そんな彼に、唯一ヴァルサスだけは表情を変えない。

 彼もまたゆっくりと槍を握り直し、サトゥンに向けて戦闘の構えを取り始めた、その刹那だった。


「……ぬ?」


 高笑いしながら舞い踊る彼の腰に、紅蓮の鞭がぐるぐるに巻き付けられたのだ。

 その鞭は遥か遠方、山の頂上付近まで伸びており、それを放った人物の姿すら見えない。

 何事かと驚く六使徒。だが、そんな彼らの前で文句を口にしようとしたサトゥンだが――


「ぬうう! 何をするカルヴィヌ! 今、せっかく勇者として最高の活躍の場面ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」


 次の瞬間、彼の体は全力で地面を転がされることとなる。

 まるで鞭が収縮するように引き戻され、そのあまりの勢いに、サトゥンが大地に転がされ、ひきずられるように引っ張られていく。

 あまりに突然のことに、呆然とする六使徒たちだが、いち早く我を取り戻したニーナがあらんかぎりの大声で叫び出す。


「に、逃げられたあああああああああああ! 兵士ども、ついてきなさい! 奴を追うのよ!」


 馬にまたがり、遠ざかるサトゥンを追い出す六使徒たち。

 その軍勢の姿を見つめながら、ヴァルサスはゆっくりと槍を下げ、ぽつりと呟いた。


「……まさか、この力に気づかれるとはな。あの程度ならばこの場で仕留められるかと思ったが……どうやらあちらにもリリーシャ様と同等の存在がいるようだ」


 そう告げながら、ヴァルサスは槍を宙で一振りした。

 彼の振るった一薙ぎは、何もない空間を『抉り』、その場に亀裂を生じさせた。

 わずかばかり口元を歪め、ヴァルサスは巨大槍を持ち直し、第一軍を下げて全ての軍の後詰めを担うのだった。


















「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「待てええええええ!」


 地面をひたすら引きずられ続けるサトゥンの悲鳴とそれを追いかけるレーヴェレーラ軍。

 馬を駆け、軍を率いて全力で追い続けるニーナだが、どれだけ追えどもサトゥンとの距離は詰まらない。前方からは間抜けな悲鳴を上げ続けるサトゥンが未だ大地を転がっている。


「くそっ、なんなのよアイツはっ……」

「ニーナ様、我ら第五軍が突出してしまっています。騎兵中心の第一軍は後詰めを務め、歩兵中心の第二軍、第三軍、第四軍が我らの進撃に追いつかず……」

「構わないわよ! むしろ功を独り占めできることを喜びなさい!」

「ですが、この先に罠がしかけられていることも考えられるかと……」

「たった百程度の人間しかいない村が軍隊に何ができるのよ! いい、これは戦争じゃないわ、一方的な虐殺なのよ? それに……」

「カルヴィヌ、やめろおおおおお! 私の見せ場が、見せ場があああああああああ!」

「あんなクソ馬鹿に罠なんて高度な策がとれるわけないでしょうが! くそっ、あの首、私が直接刈り取らないと気が済まないわ!」


 サトゥンを指さし、恐ろしいまでに目を釣り上げてニーナは罵声を飛ばす。

 部下の言葉通り、ニーナの率いる遊神隊三千はサトゥンを追いかけ、他のレーヴェレーラ軍から突出してしまっていた。

 だが突出するといっても、他の隊から百メートルほど前に出ているといった程度で、ある程度縦に伸びた軍隊ならよくある程度のものだ。


 ましてや、これから向かうのは百人程度の村人しかいないちっぽけな田舎村。

 これが戦争なら話は変わるが、ニーナの頭には今回の戦いは一方的な虐殺でしかない。くわえて、眼前のサトゥンの重ねに重ねた挑発行為。本人としてはそんなつもりはないのだが、ニーナにとってサトゥンの態度は完全に度を超えた挑発だ。

 ゆえに、彼女の頭はサトゥンを殺すこと、そしてその後に村人たちを虐殺して怒りを収めることしか存在しない。わずかばかり……否、かなり頭に血が昇った判断だが、決して間違いではない。本来、間違いではないはずだった。


「――! に、ニーナ様、あれを!」

「ああ? 何よ……はあ!?」


 部下の一人が空を指さし、そちらに視線を向けたニーナは表情を驚愕にゆがめた。

 大空に浮かぶは黒衣の男。黒髪の青年――ノウァは巨大剣を頭上に掲げ制止していた。

 その大剣はあまりに膨大な黒き魔力を纏い、今にも暴発しそうなほどに膨れ上がっている。

 遠目ではあるが、ニーナは即座にあれが『ヤバい』代物だと判断し、馬を止める。だが、遅い。ノウァは唇を釣り上げ、言葉を紡いでいく。


「人間に絶望を与えるのが魔の王たる俺様の責務だが――まあ、良い予行練習だ。せいぜい絶望しろ、人間よ」


 黒刀一閃。黒き刃をノウァは大きく振り下ろした。

 彼の放った大剣から放たれるは黒き光の刃。真一文字に放たれた光は、ニーナたち遊神隊の後ろに開いていた軍と軍の隙間へと容赦なく突き刺さり、激しい轟音とともに爆発した。

 そして、大地に生まれたのは大きく間の空いた断崖だ。軍と軍との間を別つには十分過ぎるほど開かれた崖にニーナは表情を顰める。

 その崖は深さが見えず、その両端は激しい山道を完全に分断してしまっている。崖を迂回して両脇を通ることは不可能だ。


 まさかこれほどの魔力の使い手がいたとは、たかが田舎村の連中がこんな手で軍を分断してくるとは、想定外すぎる状況に必死に頭を働かせるニーナだが、そんな彼女の前に次々と人影が現れていく。

 山道の木々から飛び降りていく英雄たち。そこにはライティ、ラージュを除く近接戦闘を得意とする英雄たちが揃っていた。

その人物を代表して、一人の少女が口元を歪めながら語っていく。


「まさかここまで上手くいくなんてね。サトゥンのこと、ちょっとだけ見直したかも。六使徒の一個大隊を分断できれば上等だわ」

「……まさか、あの男の言動全てが策だったわけ? 私たち六使徒を分断させるために、あの男は一人身を危険に晒して道化を演じていたというの?」

「ふははははははは! その通りであるぞ、女! そうだ、私は仲間のために身を挺して貴様をここまでおびき寄せたのだぞ! なにせ勇者とは知恵と勇気を兼ね備えた最強の男であるからな! くははははははは!」

「いや、サトゥンの旦那、何も聞かされてなかったよな? 敵にばれると拙いからってサトゥンの旦那のアホ案に乗る振りして、サトゥンの旦那だけには最後まで作戦は秘密にしてたよな?」


 マリーヴェルの背後で、未だカルヴィヌの鞭にぐるぐる巻きにされたサトゥンが高笑いを続けている。隣のロベルトの突込みは全てスルーして。

 そんな彼らを睨みながら、ニーナは苛立ちを隠すことなく問いかける。


「私たちを分断したことは素直に褒めてあげる。けれど、舐めてくれたものね。たかが十人程度で私たち遊神隊三千が倒せるとでも思っているのかしら? 逆にあなたたちの死期が早まっただけだと分からないのかしら?」


 ニーナの殺意が込められた言葉に、マリーヴェルは大きく息を吐いて小馬鹿にするように言い放つ。


「悪いけれど、三千人くらいが限界なのよ。私たちが『人間を殺さずに相手できる人数』はね」

「……は?」


 肩を竦め、マリーヴェルは腰からニ剣を抜き放つ。

 彼女に呼応するように英雄たちが、そして合流したノウァとクラリーネも得物を抜いていく。

 準備を整え終えた後、マリーヴェルはニーナを見下しながらはっきり言い放った。


「まだ分からない? アンタの率いるへっぽこ軍隊程度、『手加減』しながらでも十分だっつってんの。遊んであげるからさっさとかかってきなさいよ――名前も知らない、クラリーネ以下の実力しかない脆弱な六使徒さん?」

「小娘がああああっ! 殺せ、こいつらを蹂躙しろ!」


 ニーナの命令に、兵士たちが英雄たちへ向けて駆けていく。

 武器を構え、英雄たちは事前の作戦通りに事を移すため、戦場を駆けるのだった。


 キロンの村へと続く山道、その中腹でレーヴェレーラ軍とサトゥンたちの戦いの火ぶたが切って落とされる。




 

次の更新は2月18日(木) 夜10時ごろの予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ